株式会社イコム 社長 早川徹
埼玉の社長   田舎暮らしを夢見る人のマルチハビテーションライフ

ハギビス

日曜日の朝とは思えない光景だった。

台風19号ハギビスが首都圏を抜けた空は晴天だが、六本木の街は静まり返っていた。
通常は、酔っぱらった人が道路をうろちょろしながら、タクシーをつかまえる姿をよく目にするが、昨日からハギビスに備えてほとんどのお店が休業しているので、人がいないのも当然だろう。

歩きながらハギビスの影響を現場から見たかった。
テレビで放映されている情報は偏っている上に、生の情報に乏しいため、各地の現場の状況とのギャップがある。
都心の3aと呼ばれる人気エリア、赤坂、青山、麻布を歩いてみると、ハギビスの被害はほとんど見られなかった。
しかし、ファーストフード店やスターバックスなどのカフェは全ての店が休業していた。
一方で、コンビニはほとんどの店が開業していた。
そのオペレーション機能は卓越していて、どこの店も閉まっている中、その存在は際立っていた。
おそらく、店舗ごと近くに住むスタッフを採用して、オペレーションする仕組みにしているのだろう。
歩きか自転車で通勤する人をある程度確保していると思われる。

他に朝から開業している店はドラックストア、富士そば、ドンキホーテ、これらは企業文化が色濃く反映されている印象を持った。

ハギビスの影響は風より雨の方が大きかったようだ。
都心エリアで低い場所の麻布十番や西麻布などは、水の被害はまったく見られなかった一方で、東西の川に近い低い場所では多摩川が一部氾濫、江戸川は間一髪の危機で、地の利を改めて考えさせられる機会になった。

しかし、東京はコンクリートジャングルの異名通り、風よりも雨の影響の方が大きいだろう。
そして、地震の影響を最も大きく受けるだろう。
台風より地震による津波や火災の方が、都市機能を麻痺させる力が強いと感じている。

台風は色んな意味で準備できるが、地震はある日突然とやってくるからだ。

年々、災害度合いが増していく中で、地震に備える準備をする必要がある。

台風の痕跡

呆然と立ち尽くしていた。

まさかここまで酷い状況になっているとは…
台風の痕跡を見る限り津波でも襲ってきたのか、あるいは空襲でもあったのかと思わせる惨状になっている。

東京クラシッククラブに約1ヶ月ぶりにやってきた。
ゴルフ場は復旧したとはいえ、周りの木々はなぎ倒され壊滅的な状況になっていた。

風速53メートルをもろに喰らった場所である。
千葉市からほど近くに位置しているので、今回の台風の最高風速を記録したとされている。

それはまるで天がおもちゃにしているようで、積み木を組み上げたと思ったら総崩れでおじゃん、振り出しに戻るようである。

ゴルフ場からの発表では、ジャックニクラウスにリメイクを依頼すると言っているが、原状回復となると膨大な時間とコストがかかるだろう。

もはや、呑気にゴルフをやっている暇があったら地球環境を守る活動でもしなさいと、天から示唆されているようである。

自然災害の威力が年々増していく中で、今だけ、金だけ、自分だけでは、本当にご破算に願いましてはの世界である。
我々はただじっと何もしないで過ごすわけにはいかないだろう。

イーロンマスクが進めている火星移住計画も現実味を帯びてくる日も近いのではないだろうか。

地球が怒っていることに向き合い、健康で持続可能性のあるライフスタイルに移行しなくてはならない。

緊急着陸

ウィーン発ANA NH206便で羽田へ帰る途中だった。
機内アナウンスより緊急着陸の案内があった。

その時点では詳しいことは明らかにはしなかったが、近くのロシアの空港へ着陸するという。

羽田着午前6時30分を予定していたが、2、3時間は遅れるだろうと思っていた。

すると、しばらくして機長からアナウンスがあった。
エンジンオイルが漏れていて、羽田空港までのリスクを回避するためだと言う。
最寄りのバハロック空港までは着陸に問題ないが、羽田に到着するのが、午後9時を過ぎるとの言葉に一瞬耳を疑った。

そこは民間の空港とは思えないほどひっそりしていた。
人が誰もいなくロビーは我々206便の乗客だけでいっぱいになるほどの狭い空間だった。

それはまるでハイジャックで人質になったような気分、GoogleやLINEが一切繋がらないのだ。
Googleマップで位置確認を試みたがまったく機能せず、無愛想なロシア人が数名いるだけの不気味な空港だった。

ロシアとしては情報を周波数でコントロールしているのだろう。
何とそこに13時間以上待機することになったのだ。

ウィーンからここまで約10時間のフライトだったので、みんなヘトヘトになっている。

ANAからの説明では、羽田から代替え便を手配するため、時間がかかると言うが、もろもろの手続きに時間を要すると言っても何でそんなに時間がかかるのか、まったく理解できなかった。

しばらくすると、ロシア人が入ってきて点呼を取っている。人数が少なくなっていないか確認して、どうやら入国するのを用心深く見張っているようだ。

それはEU諸国の国境を自由に素通りできたことに比べてまったくの別世界。
おまけにジュースを買うにも、ユーロは使えずロシアルーブルの現金のみ。
自由な世界から一転してしまった。

しかし、206便の乗客の皆さんは不自由な空間の中でも、明るくおしゃべりしたり、トランプのゲームをやったりしながら陽気に振舞っていた。
現状の不満を言うより、この状況をいかに充実して過ごすことができるか、それは本人次第だろう。
日本人あっぱれ、そんな気持ちになった。

最後は、羽田からANAスタッフも駆けつけて1人8万円のお見舞金を全員に支給し、CAの方々も終始お客様の立場になって対応なされていた。

今回の緊急着陸は過酷な体験ではあったが、何事もなく無事に帰国出来たことに感謝したい。

ロハス

星ってこんなにいっぱいあったんだ。

みんなと夜空を見上げながら宇宙に広がる星の数に圧倒されていた。

オーストリアからスイスのValsに入っている。
アルプスの少女ハイジの舞台になった場所で、とてつもない大自然に囲まれている。
それは、まったく音のない世界で宇宙空間にでもいるような感覚に包まれている。

パッシブハウスの一戸建てを貸切り、9人のメンバーでシェアをしているが、エアコンを使わなくても部屋はあったかく、非常に心地よい空間になっている。

このパッシブハウスの本家ドイツでは、自然エネルギーを活用したオフグリッド住宅が基準となり、環境に対する国民の意識が高い。

ドイツの様々な建築物を内覧して設備や仕組みの説明を受けたが、実際に聞くと見るのとでは大違い、それはまるで台風の被害が出た鴨川を訪れた時と同じ感覚だった。

人は実際に体験しない限り、聞いたり考えたりしただけではその感覚を得られない。

ドイツのパッシブハウスは環境や身体にも優しい住宅で、40度を超える真夏日や真冬でもエアコンを使う必要がない構造になっている。
まさにロハスな暮らしをしているのだ。

オーストリアで見学した商業ビルでは木造8階建ての独自のパネル工法で、パッシブビルを3ヶ月の工期で完成していた。

自然エネルギーを活用し、持続可能性のあるライフスタイルであるロハスな暮らしを実践しているドイツ人は、まさに地球温暖化の環境対策のフロントランナーである。

残念ながら日本と比較すると、その意識は雲泥の差が生じている。

オフグリッド

スイスのBaselに入って3日目を迎えた。

今回の旅はヨーロッパの建築にみるアートとデザインを学ぶプライベートツアーに参加している。

友人のドイツ建築家A氏のお誘いを受け、建築家集団の参加メンバーに加えていただいた。

ドイツとフランスの国境に近く、2日目はドイツの家具企業大手Vitraを訪れ、様々な建築物を内覧し、3日目はフランスに入っている。

スイスに来る直前に天然村を訪れていた。
千葉を襲った台風の影響を確認するために現地入りした。
聞くと見るとでは大違い、まさに3:11で見た状況に近い状態に戸惑ってしまった。
通常の道は閉鎖され、コンビニやスーパーなどの店は全て閉店、街は時が止まったように静まりかえっていた。
電気がなく、通信も途絶え信号も明後日の方向をむいて機能しなくなっていた。

そんな状況をスイスの参加メンバーにシェアしたところ、すでに災害に備えたオフグリッドを導入している方々がおられた。

千葉でも多くの人は屋根に太陽光パネルを装備しているが、自らの電気と余った電気を売電する仕組みになっているために、東電に送電する形になっているので、台風により完全に止まっているのだ。

オフグリッドとは屋根の上にある太陽光パネルから直接真下に下ろす仕組みで、完全なる自家発電機能を有している事になっている。
このオフグリッド機能にする事で、個々に発電するためいかなる災害でも電気が止まることはないのだ。

参加メンバーの中には、このオフグリッドを提唱していて、各地でセミナーを展開している。

流行っている店

何故こんなにもお客さんの入りが違うのだろうと、流行っている店の違いを感じる場面がある。

カフェでも大手で先行していたH社がM社に圧倒的に差をつけられて追い越されている。
様々な要因があると思うが、実際に両方の店に入って感じることは、接客とお店の雰囲気にある。

当たり前のことを普通にやっている店が流行っている要因になっているのは、それが出来ている店の方が少ないのだろう。
明るくて親しみのある口調で接客してくれるM社に対して、それが普通に出来ていないH社との違いは鮮明だった。
また、明るて自然な雰囲気を醸し出している店内のつくりと広めの空間を意識した設計に対して、M社は暗めのダーク感で空間よりも席数を重視していた。
席に座った感覚は決定的に違っていた。

これだけで、価格が多少高くてもM社のカフェに人が流れているのは必然だと感じた。

前回の社内の食事会で女子からキャバクラのリクエストがあった。
なぜか、うちの女子社員はキャバクラが好きなようだ。
その理由を尋ねると綺麗な女性を間近で見るのがいいと言う。

女子社員3人連れて2つのキャバクラに行った。
最初に行ったR店は満席のため、M店に行ってみた。
そこでも決定的に流行る要因を見ることになった。
キャストが豪華な店は言うまでもないが、豪華に魅せる演出をどれだけ出来るか、そこが決めてとなるような気がしている。

M店よりR店の方が圧倒的に流行っているのは、容姿端麗なキャストを揃えているだけではなく、エンタメ感ある雰囲気を空間で演出しているのだ。

まさに、キャストと店のコラボレーションで上手に働きやすい環境を整えている。

うちの女子社員もキャストに混じって話していたが、どちらがお客だか見分けがつかない状態だった。

緻密な配慮

新幹線の座席についてからしばらくすると、前の座席に来たのが何と現地で待ち合わせしていたH氏ご夫妻だった。

今回はH氏ご夫妻のお招きで軽井沢の別荘へ向かうため、東京駅から新幹線に乗車していた。
偶然にも座席が目の前でお互い顔を見合わせて笑った。

H氏が隣の座席にきてくれ、軽井沢まで会話をして楽しんだ。
これもH氏独特の配慮である。

H氏とは20年以上にわたるお付き合いで、一回り年上になるが、パワー溢れるビジネスマンで、業界のリーディングカンパニーA社のトップとして活躍している。

あいにくの雨だったが、中軽井沢カントリークラブへ向かい3人でプレーをした。
ハーフが終わってクラブハウスでランチをしていると雨が激しくなってきた。
すると、H氏から雨の強い中でプレーするより、映画を見ないかと提案があった。
H氏の頭の中では、雨だった場合のプランも考えてあり、ライオンキングを佐久の映画館で上映する時間まで把握していた。

これも雨でプレーが中止になった時を想定した緻密な配慮だった。
結局、ゴルフはハーフで手仕舞いして、3人で映画を見ることになった。

まさか、H氏と映画を見ることになるとは思いもしなかった。
おまけにディズニー映画である。
普段絶対に見ないジャンルで、お互いライオンキングを見るキャラではないが、おかげさまで良い機会になった。

映画のエンディングを迎えると、隣に座っているH氏がそわそわ座席を立とうとしている。
まだ完全に終わっていないのだが、せっかちなH氏は座席を離れようとしていた。

普通の人は最後の余韻を感じながらしばらく座席に座っているのだが、我々は終わろうとしている前に出口に向かっていた。

映画館で、自分より早く座席を離れる人を見たのは今回が初めてだった。
せっかち度合いが一枚上であった。

3人でライオンキングを見たあと、車で軽井沢駅近くの鰻屋「一期一会」へ向かった。
ここまで完璧なスケジュールで進んでいた。

車の手配から店のセッティング、ゴルフや映画のプランなど、本当に緻密な配慮をいただいた。
H氏の時間管理は徹底していて、ここまで完璧な計算と配慮により素晴らしい体験をさせてもらった。

今回体験したような感動を他の人にもしてみたいと感じた。

銀行ゴルフコンペ

軽井沢72入山コースで銀行のゴルフコンペがあった。
何と165回目の開催だという。
年に3回あるので、50年を超える伝統あるイベントだった。

参加メンバーもそうそうたる面々だった。
東証1部上場企業のトップK氏や銀行の頭取N氏も参加した。
今年就任した頭取N氏は58歳でゴルフの腕前もなかなかのものだった。
金融業界も若いトップ人事で変化に対応する構えを示しているようだ。

同じ組みで回ったメンバーですごい御仁がいた。
79歳の製造業会長I氏は2日連チャンのプレーのようで、飛距離も出てパワーみなぎる元気ぶり。
健康の秘訣を尋ねると、毎日のストレッチにあるようで、ラジオ体操を含めて身体を伸ばすことが肝のようだ。
最近はボケ対策として日記をつけているようで、昨日の出来事を翌日の朝に書いている。
やはり、毎日の小さな積み重ねが大事なようだ。
それにしても79歳にして、実に魅力的な人物だった。

帰りの新幹線までK氏と一緒だったが、1000億企業のトップにして運転手もつけず、新幹線は自らみどりの窓口で切符を手配、おまけにグリーンではなく自由席という徹底ぶり。
こちらも、自由席を選択するというフリをしてしまった。
グリーンに乗るのでここで失礼しますと言わないまでも、自分を売ってしまった売春夫のようだった。

理由を尋ねると、我が社はそんな社風なんです、とさらりと言った。
70歳を超えているが、オーラがあり謙虚で親しみのある口調は人を惹きつける魅力に溢れていた。

今回のゴルフコンペを通じて学ぶところが多く、大変有意義な時間を過ごすことができた。

おまけに優勝のトロフィーと賞品をいただいた。

流れ

今年の夏は甲子園の高校野球を観戦している。

38年前、甲子園を目指して3年間高校球児をしていた頃を思い出していた。
甲子園まであと一歩という体験があったが、春夏共に出場することはなかった。

実力だけあれば行けるのか、さらに甲子園で優勝するには何が要因しているのか、客観的な立場で彼らを見ていると、そこには試合中の様々な場面で流れの変化を感じる感覚ではないだろうか。

実力は拮抗しているが、監督の采配で大きく流れが変わるのが、高校野球の醍醐味だろう。
例えば、接戦の場面でのスクイズのサインを出す時は、流れを掴む局面だが、失敗すれば相手に流れを促すリスクを生じる。
投手の交代も同じように流れを大きく左右する。

試合中は流れを手放したり、引き寄せたりするシーンを繰り返すが、ここぞという場面で監督が動けるかが勝負の分かれ目である。

ゲームが拮抗している場面では、動かないと流れに乗れない。
逆に流れに乗った時にはいとも簡単に得点が入ったり、失点を防いだりする。

テレビを見ながら今はリードしているが、流れは変わっていると感じる時がある。
それは、感覚で捉えているので、論理的な説明は出来ないが、結果的にひっくり返っている。

慣れてくると流れが向こうにいっている、こっちにきている、五分五分だとわかるようになってくる。

ビジネスでもまったく同じで、流れに乗っている時には労せずして儲かるもので、いかにして流れに乗る局面で張れるか、動けるかの一点に集約されるだろう。

鏡の法則

父親と母親は80歳を超えても健康で元気に過ごしている。
意識的に外出する機会を作ったり、父親は競輪や競馬を楽しんだり、母親は着付けの教室で教えたりしている。

今年の3月に次男がニューヨークから帰ってから一緒に暮らし始めているが、当初から母親との相性が合わなく揉めごとが絶えない状況が続いている。

どちらが悪いか正しいかは別として、理由を聞いてみると実に些細なことで喧嘩になっているようだ。

マクロに捉えると鏡の法則が働いていると言えるだろう。
母親から見たら次男に引っかかる要素は自分にもあり、その逆もしかり、次男も母親のそれを見させてくれていると考えられる。

もちろん、そんな場面になれば、鏡の法則はおろか、感情のコントロールはままならず、怒鳴り合いになっているのだろう。

最近、そんな様子を見かねて長女が解決策を提案してきた。
彼女も母親からとばっちりを受けているようで、まったく口を聞いていないようだ。
どうやら母親がしかけて、それに次男が反応するような構図になっているようで、次男は存在を消していると言っていたが、母親がそれをあぶり出しているようなマンガのような世界になっている。

そこで、双方からヒアリングしてみることにした。
次男は悪魔のようだと言い、母親はダメなやつだと解釈している。
仲を取り持つ意図はなかったが、それぞれの言い分が聞けたのでよかった。

母親には「ゆるすということ」次男には「何が起きてもそれを愛する」本を渡して読むように促した。
それと同時に鏡の法則の話をして自分の内側を観察するように言った。

しかし、その後も争いは絶えないようで、母親の気質に次男も長女も引っかかっている。

まるで意地悪ばあさんの漫画を見ているようだ。