焼き鳥屋さん

知る人ぞ知る焼き鳥屋さんがある。おばあさんが一人で経営していて客席が9人の小さな店だ。9人と言っても詰めに詰めて入るので物凄く窮屈でお皿もろくにカウンターに置けないほど狭い思いをして食べるのだ。ここは常に満席でお店に入る時間と帰る時間が決められている。その日の第1グループ9人は18時から19時30分第2グループは19時30分から21時まで第3フループは23時までに分かれていてお客の都合で店には入れないし帰れないのだ。(笑)1人で全てやっているのでお店の都合に合わせてもらう物凄く合理的な経営をしているのだ。とにかく美味いから食べたいからお母さんの言うことを聞かないと・・・そんな空気が感じられる。焼き鳥の種類は鳥、レバー、合鴨、ハツ、団子、尻尾があり鳥肉を刺身で出してくれる。種が新鮮で物凄く大きい!とにかく鮮度がよく脂がのって食感が何とも今までにない焼き鳥を出してくれるのである。あのマリナーズのイチローが帰国の際に必ず立ち寄るという伝説の焼き鳥屋さんなのだ。食べ方も変わっていて大根おろしと鶉の卵を混ぜて焼き鳥と一緒に食べるのだがこれが本当にイケルのだ。最後はこれに秘伝の鳥スープを入れてお新香といただく。満腹になり大満足。これでお会計が2人で3500円だから驚きだ。これではお客は皆大満足だから店が多少汚いとか狭いとか
は吹き飛んでしまう。しかも食べている間は電話が鳴りっぱなしで受話器をはずしている場面をしばしば見受けた。このお母さんは只者ではないのだ。仕込みから調理から洗い物、電話の予約管理、おまけに夜12時位までかかることを月に6回しか休まないだ。常に気持ちを引き締め元気に振る舞いお客に対しても自分の考えや価値観をきちんと伝え「嫌なら来なくて結構です」このスタンスで商売をしているのである。だから馴染みの客がほとんどで客が客を連れてくるから常に何時行っても満席なのだ。
商売とは客に媚びず、このお母さんのように強気の部分を持ち合わせることは非常に大切だと思う。
自分の商品に絶対的な自信を持ちお客に合わせるのでなく店の都合に合わせる。そして客が客を連れてきて皆喜んでいる。この状況は商売の一番の理想ではないか。このお母さんにはいつまでも元気でいて欲しいと心より感じた。