テーマを持って臨む

雨模様が続いて天候が危ぶまれたが予定していたゴルフコンペは猛暑での開催となつた。
千葉県の東金近くのゴルフ場は日曜日というのに閑散としていた。関係者によると土日であっても7~9月中旬までは暑さの為にプレーをする人が少なくなるので料金も割安に設定しているそうだ。
猛暑の中スタートホールでのテーィーショットはでいきなりOBだった。それが引きずり結局ハーフ51で前半終了した。後半に入る前にあるテーマを決めて臨んで見た。それは、「今この瞬間に生きる」と「何が起きても許容する」この二つをテーマとして臨むと、前半のプレーは勿論の事ショットやパットの一打一打が今に集中する為、その前の思い通りに行かなかったショットやパットの残像を意識する事なくプレーが可能になる。そして、仮に思い通りとは逆の結果に対しても感情的にならずに許容して行く癖を意識付けするのだ。その結果、後半44のスコアで回る事が出来た。明らかにテーマを持つことで結果に違いを作ったと言える。仕事でも同じだと思うが自分自身のテーマを明確に持ち、色んな場面を観察する事で新たなテーマを発見し、それを持って臨む事で自分自身が発展していくのだろう。
次回は二つのテーマで80台に乗せたいところだ。

男が男に惚れる

男気に感動して男が男に惚れるという体験はそんなに出来る事ではないと思う。
それは、正に本宮ひろ志のマンガに登場する主人公のような人物であった。
彼(A氏)とは、ある会の旅行に出かけた際に同部屋となり縁あった人物で私と年齢で一つ下にあたる。
その会とは毎年一回国内旅行に出かける企画があり、今回は長野県の木曽へハイキングをするプランであった。出席者の中には数名、政財界でトップクラスの方々が含まれるメンバー構成になっていた。
2日間行動を共にして思った事はA氏は誰に対しても同じ態度で接するのだ。
相手が大企業の社長でも中央政治家でも学者の先生でも終始一貫同じ態度で自分のスタンスを貫く破天荒な男なのだ。関西弁独特の口調で歯に衣着せぬ物言いで相手に突っ込んで話したり、肩を叩いたりしてまるで後輩に接するような在り方なのだ。だからと言ってむやみやたらに失礼な態度に写らないところが凄いところだ。要するに彼の生き様に皆共感するのである。更に、気配りが行き届き、深い配慮があり、愛情が感じられるからこその事である。
私もそれを感じた一人であった。私ともう一人友人が参加したのだが、それぞれ夫婦同士であったが相部屋ではなく男子と女子で分かれる部屋割りになっていた。そこでA氏がせっかくの機会なのに主催者側の配慮がないと言い出し身銭を切って宿と交渉してくれ別に部屋を隠密に取ってくれたのだ。
私が逆の立場だったら同じようなことが出来ただろうか?絶対に出来ない行為であったと思う。
相手の立場を組み、おまけに身銭を切って当日では交渉不可能であろう部屋を取ってくれ、おまけにその事を主催者側に漏れずにさりげなくやってのけたのだ。初めて体験した出来事で感動した。
こんな男もいるんだなと思わせる人物に出会えた貴重な旅行であった。

剣の達人

湯河原にある友人の別荘に招かれた。その日は夜釣りをやっていると言うので私は夜の11時に現地に到着した。少し休憩してから釣り場へと向かうので、まずは近所の料理屋に案内され、先ほど釣り上げたというアジとアオリイカを刺身でいただいた。
同じアジを食したと思ったが片方は新鮮さがあるアジ独特の食感とは違っていた。主人に聞いてみると取れた場所で違いが出てくると言う。アオリイカは剣先部分がコリコリとした食感で釣りたてならではの美味しさがあり、特に吸盤の部分は絶品だった。
テーブルを囲む面々は初対面の2名を含む6名であった。その中に剣の達人と言われる人物がいた。
剣道7段で元日本チャンピオンであった。歳は私と変わらないが風貌からはそれを感じ取る事ができないのだ。私は興味本位に割り箸で立会いを申し入れた。
彼らはどんな空手の達人であろうとボクシングのチャンピオンであろうと棒を持たせたら絶対に負けないらしい。格闘技の中でも剣道の達人には誰も敵わないそうだ。
そんな事もあったのでどれほどのものか自分で体験して見たかったのだ。実際にやって見ると打ち込んだと思っているが先に突かれているというのだ。
実際に突かれると痛いので突かないという約束で立ち会ってもらったが、あまりのスピードに感覚がわからなかった。レベル差が違いすぎて彼の凄さが解らないで終わるお粗末さであった。
ただ、立ち会ったときの彼の目つきが普段とはまるで違う迫力があった。割り箸であろうと立会いの構えをとると武人に変身する凄みは体験した者でないと解らないだろう。

初めて味わった感動

それは東急東横線の都立大学駅から数分の場所にあった。
食通の友人から一度は連れて行ってあげたい店と言われていた。
店に着くと、やきとりの看板が目立つ一杯飲み屋だった。10席ほどのカウンターだけの店内に60歳半ば位のご夫婦が厨房で忙しそうにやっていた。私は美味しい焼き鳥を食べさせてくれるものだと思っていた。飲物を注文した後にお通しが出てきて驚いた。それは会席料理に出てくるものであった。はもを刻んで胡麻和えにしたものや、はも焼き、天然の穴子、渡り蟹を辛味噌で漬けたもの、クエとコラーゲンを冷やして出してくれ、蝦夷あわびに味噌をのせて焼いてくれたり、霜降りの肉に昆布と塩をのせ軽く炙ってくれたり、最後はシコシコ面の手打ちうどんであった。誰が見ても一杯飲み屋の焼き鳥屋としか思えない店から会席料理でも出てこないメニューが次々と出てくるギャップに感動してしまった。
おまけに焼酎は全国の蔵元から直接入手されるようで、巷に出回っていない銘柄まであるのだ。
大将は食材には妥協しない姿勢で和料理のプロフェッショナルリズムである。
目つきは鋭く真剣そのもので食材が解らないで聞いてみると産地からどこの部分を使っているかまで丁寧に説明してくれる。食通を唸らせる店だ。来ているお客も常連さんで、勿論予約無しでは入れそうにない。かしこまらずに大将と食のうんちくを語り合いながら酒がすすむ店も全国広と言えど、この焼き鳥屋の他にそうはないであろう。