人生

朝目覚めると激しい雨が降っていた。予定していたゴルフコンペも中止だろうと確信していた。
雨でプレーするのは嫌いな私は中途半端に降る中でプレーするなら、中止が確実になる位の雨量を期待していた。仕上げなくてはならない仕事もあったので、恵みの雨かと思っていたが見事に期待を裏切ってくれた。何とこの雨中でプレーするから約束の時間に集合するという。
私は行きたくない旨を幹事に伝えたがコンペなので致し方ないという。おまけに私は幹事と一緒に行く事になっていたので無下に断れなかったのだ。
渋々承諾したがプレーまではまだ2時間近くあったので、もっと激しく降ればグリーンが水浸しになって出来なくなる可能性も残されているので、車中でも天に向かって祈りながらの様であった。しかし、このコンペは第17回日本プロ野球OBクラブコンペで東松山カントリークラブを貸切で行う為にゴルフ場サイドでも容易に中止にできないだろう予測もあった。
ゴルフ場に到着するとプレーは通常のタイムスケジュールで進行するという。
私は再び愕然とし、この雨中でやる事に納得の行かない間にスタートの時間を迎えた。
今回参加のメンバーは元プロ野球選手が殆どでゴルフの腕前も相当なものだと聞いている。
一方私は本来の実力の違いに加え、やる気のないのも手伝ってか前半は最悪のスコアで終わった。ランチの際にすれ違う元名選手達を見かけると名前と顔が一致しない事もしばしばあり、時代の流れを感じてしまった。中には若くして引退した選手も少なくないようだ。
彼らの現状はどうなのか幹事に聞いてみたが、弁当屋をやっている方、実家の農家をついだ方や
LED関係の仕事に携わっていたり、ラジオ解説等、現役時代の華ある時に比べるとあまりにもギャップがあるのに驚いてしまった。
OB同士の会話を聞いていると、今何をやっているのかを仕切に気にしている様子が伺える。
彼らにとって、野球を完了してからの第二の人生での成功をどのようにして築いて行くのかは最大の感心ごとであり、切実な問題でもあるようだ。おしなべて野球一筋で生きて来た彼らはそこまで考えて選手生活を送るはずもなく、引退の危機に接する事で顕在化してくることだから厳しくなるようだ。
そう言う意味では私と一緒に来た幹事は巨人にドラフト2位で入団した後に5年程で見切りを付けて社会人に転向したので準備期間もあり、現在は社会的にも成功されている数少ない一人なのだ。私の尊敬する人物が言っていた言葉を思い出した。人生65歳の時点でどうなっているのか、
それまでいくら華々しい人生を送って来たとしても晩年で沈んでしまったら何もならないと。
やはり、コツコツ積み上げた人生でありたいと痛切に思った。