天然いけす料理店

目的地に到着したのは18時を過ぎていて辺りは真っ暗だった。
今回は仲間で釣りバーベキューにやってきた。釣りと言っても自分達は釣りをするわけではなく、釣りたての魚をダイナミックに調理したものを食べて楽しむのが本来の目的である。
地元の釣具店の店主が友人という事もあり、店主率いるスタッフ達が魚を釣ってさばいてくれる。
まさに天然いけす料理店なのだ。釣り場に用意されたバーベキューセットに予め買ってきた和牛ロース肉やハマグリを焼きビールや焼酎を飲みながら釣れる魚を待っていた。
初めに釣れたのが黒鯛だった。30センチほどの大きさだったが、その場で刺身に調理して食べた。
海から釣り上げて直ぐに食べられる贅沢さ、新鮮ならではの食感と甘みを味わえるのは貴重な体験である。次に釣れたのはアジだった。これも同じように刺身にして残りの部分を焼いて食べたがこれもまた格別だった。そして待ちに待ったアオリイカが上がった。これは本当に本当に美味しい。イカの王様とういだけの味わいがある。勿論、刺身にするのだが、ねっとりした食感と甘みは釣りたてを食せるが故の贅沢さだろう。その後も大漁だったが一度に食べられないので持ち帰ったが、初めて体験した天然いけす料理は大感動であった。これも釣りの高い技術を持った釣具店主、及び調理してくれるスタッフ、そして仲間が揃わないと実現できないことである。皆さんに感謝して次回も楽しみにしている。

世話好きなオヤジ

近所に世話好きのオヤジがいる。最初は打算でやっている事だと思っていたが最近はそうでも無い事に気がつき始めた。実によく息子の面倒をみてくれるのだ。気にかけてくれるので遠慮の知らない子供は晩飯をご馳走にちょくちょくおじゃましている。まるで家族化しているようだ。
私も何度かオヤジの手料理をご馳走になっているのだが、食通でもあるオヤジの料理はプロをも上回るこだわりを感じる。先日、もつ鍋を食べた。これが醤油ベースでたまらなく美味い。柔らかく煮込んだもつとニラがスープにとても合う。今まで食べた鍋で一番美味かった。締めはラーメンで太面と細面の両方を用意して食べ比べた。本場の博多ではちゃんぽん面のようだが醤油ベースなので細面がとてもマッチしていた。こんな調子で世話になる事が続くと何か借りを作っているようで釈然としなかった。
こちらも何かの機会にお返しをしようと試みるが、とても追いつかないのだ。
この前も子供の態度が悪かったので真剣に叱ってくれる状況があった。教育係もしてくれているので恐縮してしまう。昔でいう近所の恐い人役を買ってくれているようだ。
昔と違って今は人との関わりが希薄になり、他人の子供を真剣に叱ってくれる人や自宅へ気楽に晩飯を食べに誘ってくれる人物は本当に少ないと思う。
借りを作るのは嫌であるが、家族以外で心が通った接し方をしてくれるオヤジには甘えてもいいのかなと思い始めている。世話好きなオヤジは寂しがりやかもしれない。

再会

一瞬誰か解らなかったが遠めで話を聞いていると、驚きと同時に感激してしまった。
それはある懇親会の席で12年ぶりに再会した若手経営者A氏だった。12年前に福岡の会社に勤務していたA氏は私が出張でその会社におじゃました際に案内役として世話になった事があったのだ。
当時はいけいけの会社で福岡の労働基準監督署から度々お呼びがかかるほどの有名な会社だった。
当時のA氏は25歳位で素直に先輩の言う事を実践しているタイプで毎日夜中の1時前に帰る際は、上司に届出を申請しないと帰れないという、今では信じられない勤務形態で休みもなく働き尽くめで頑張っていた姿が印象的だった。今ではすっかり貫禄がついて立派な経営者になっていた。
その会社は時流にも乗って上場を果たし、または上場会社を買収したりと飛ぶ鳥を落とす勢いであった。
A氏も戦闘部隊で活躍していたが、地価下落とリーマンショックを機に経営危機に直面してグループ会社も崩壊してしまった。そんな難局を経て起業に至った彼の在り方はとても勇ましく写った。
その日はあまり話す時間が取れなかったが月に一度は会う機会が作れたので今度はゆっくり話をしたいと思う。しかし12年経つとこんなにも変わるものなんだと改めて思った。

二極のライフスタイル

東京ミッドタウンに引っ越して約1ヶ月になる。小学生6年の息子も赤坂小学校に転校して大分慣れたようである。休日になると付近を自転車で散策するのだが午前中は極端に人通りが少なく静かだ。
職業柄、空いているビルや入居募集の看板が気に掛かる。特に青山の外れや乃木坂付近に空きが目立ち、オフィスビルでは赤坂が目につく。今後益々空きが多くなり必然的に賃料も下落することは容易に想像できる。但し、六本木ヒルズやミッドタウンのような生活利便がトータルで補えたり、表参道、原宿、辺り等、平日、休日にも拘わらず人が大勢集まる場所は人気も高く下落幅も少ないだろう。
そして、交通の便も非常によくどこに行くのでもアクセスしやすい。千葉の鴨川で開発中の天然村まで約1時間20分で着いてしまう。大宮本社までも40分で到着する。買い物や食事の面でも事欠かない場所である。
私はこのような凄く便利な生活と、不便さを楽しむ暮らしが体験できる天然村での二極を体験したいと常々思っていたのだが来年の4月にはそれが実現する。先日天然村を視察に訪れたが建物が2棟上棟していて、迫力のある力強い印象だった。ここは里山に囲まれていて栗の木や柿木があったり、ワラビやふき、つくし等の山の幸が季節になると自然と顔を出す土地なのだ。
おまけに小川が土地に沿って流れていてコロコロと心地よい音が楽しめたりする。
車で15分走れば海岸に辿り着くので海の幸も豊富にありつける。
ほぼ自給自足の生活を体験できるのだ。本当に逞しく田舎暮らしが出来るライフスタイルを月の半分、残りの半分をミッドタウンで暮らす。この対極したライフスタイルを体験出来る日が半年後になった。
それぞれの良さを体験できる気分でワクワクしている。