世話好きなオヤジ

近所に世話好きのオヤジがいる。最初は打算でやっている事だと思っていたが最近はそうでも無い事に気がつき始めた。実によく息子の面倒をみてくれるのだ。気にかけてくれるので遠慮の知らない子供は晩飯をご馳走にちょくちょくおじゃましている。まるで家族化しているようだ。
私も何度かオヤジの手料理をご馳走になっているのだが、食通でもあるオヤジの料理はプロをも上回るこだわりを感じる。先日、もつ鍋を食べた。これが醤油ベースでたまらなく美味い。柔らかく煮込んだもつとニラがスープにとても合う。今まで食べた鍋で一番美味かった。締めはラーメンで太面と細面の両方を用意して食べ比べた。本場の博多ではちゃんぽん面のようだが醤油ベースなので細面がとてもマッチしていた。こんな調子で世話になる事が続くと何か借りを作っているようで釈然としなかった。
こちらも何かの機会にお返しをしようと試みるが、とても追いつかないのだ。
この前も子供の態度が悪かったので真剣に叱ってくれる状況があった。教育係もしてくれているので恐縮してしまう。昔でいう近所の恐い人役を買ってくれているようだ。
昔と違って今は人との関わりが希薄になり、他人の子供を真剣に叱ってくれる人や自宅へ気楽に晩飯を食べに誘ってくれる人物は本当に少ないと思う。
借りを作るのは嫌であるが、家族以外で心が通った接し方をしてくれるオヤジには甘えてもいいのかなと思い始めている。世話好きなオヤジは寂しがりやかもしれない。