生き様

先月に友人が癌で亡くなって一ヶ月になる。
サラリーマン金太郎のような人物で男のファンが沢山いた人物だった。
その光景を見た時はこの男の生き様を垣間見た瞬間であった。
先週、後楽園ホールで追悼試合が行われた。彼は選手経験はないがボクシングの宮田ジムで創業以来23年間後援会長としてバックアップしてきたという変わった経歴の持ち主であった。
そんな経緯から関係者が企画したイベントだった。世界チャンピオンの内藤選手他、多勢のタイトルを獲得した同ジムであるが、後援会長の支援なくしては成り立たなかったのも事実であるのだ。
場内には内藤選手をはじめ、ボクシング関係者やファンで満席となったホールで全員が黙祷を捧げた。注目すべきは彼は享年43歳であったので実に20歳で後援会長という立場でバックアップしていたのだ。自分の事より目にかけた他人の方へ全力で力を傾ける生き様は、なかなか真似できる事でない。彼と接していると自分にないものがあり、自然と敬う気持ちが出てくる。
他人に対して細かい気配りと行動力。誰に対しても同じ接し方で面倒見がよく、度胸があり肝っ玉がとてつもなく大きい男だった。必ずしも社会的に成功したとは言えないが、生き様は貫き通した。
むしろ、貫き通さなければならない辛さと一緒に生きてきたとも言えるかもしれない。
しかし、彼と共に体験した様々な思い出は皆の心の芯に深く刻まれ語り続けられるだろう。
残された若い奥様と3歳の子供はリングに上がって遺影と共に光り輝いていた。