マルチハビテーション

天然村の建物が全て完成した。
宿泊棟のとま宿に続いて体験施設棟のがらんどうが、ついに竣工したのだ。がらんどうの機能は、各種ワークショップを体験したり里山レストランで食事が出来たり、宿泊も出来る施設として村の中心になる場所になる。目の前には大きな畑があって取り立ての野菜をシェフが調理してくれオープンテラスで里山の空気と共に召し上がる。野外映画鑑賞等のイベントをやったり、小川に沿って露天風呂が出来るので、季節には蛍を見ながらゆっくり湯に浸かる事も出来る。
あとは、ガーデニングが仕上がればお客様をお招きできる様になる。
土地が広いので、田んぼや椎茸栽培、野菜作りやハーブ園、果樹園など、これから徐々に手作りでやって行こうと思っている。
ところで、私がこの事業を通じて自らも農的な低エネルギー消費生活を実践する事を不審に思っている人がいるらしい。なぜかと言うと田舎暮らしとは間逆な都心を拠点にしたライフスタイルを楽しんでいる私
を見ている人達はどうも理解できないようだ。しかし、私は月の半分は天然村で生活しあとの半分は都心で生活する二極のライフスタイルを送るつもりでいる。どっぷりと農的な生活をしようなんて、これっぽっちも考えていない。このようなライフスタイルをマルチハビテーションと呼ぶそうだ。
欧米でも現実化しているので、是非ともご理解頂きたいと思う。

不動産と縁

京浜東北線蕨駅からすぐ側の土地を最近購入した。中々出て来ない希少な物件である。
不動産というのは本当に縁もので、買いたいと思っても必ずしも手に入るとは限らない。
この土地も紹介を受けた時はあまりピンと来なくて買う気も無かった。価格も高いし陽当たりも悪そうなので見送るつもりだったのだが、紹介を受けた不動産会社の担当者から電話を貰って説明を聞くうちに現地を確認する気持ちになった。早速行って見ると凄く良い土地なので驚いた。
何と言っても立地が素晴らしい。駅から歩いて数十秒の近さは希少性が高い。後は価格を交渉出来れば即買いだと判断した。予め担当者に値踏みをして感触を得ていたので現地を見て2日後には合意に至った。先方も資金が急ぎで必要だった事もあってとんとん拍子で契約になった。
この場合、紹介を受けた時の印象と現地を確認した後では大違いだったという所がポイントだった。担当者からの電話が直ぐに無かったら現地にも見に行かなかったし、先に手を上げた方が出ていたかも知れない。今は本当に買えて良かったと思っている。要するに何かが作用して縁が出来るので、それは計算して行動を取ったとしても何かの作用次第で縁がなくなってしまう。
今度はいかにこの土地を活かせるかを検討している。
商業地域なので1階を飲食店舗にして2階以上を女性専用シェアハウスの企画で進めている。
キッチンやリビングといった共用部分に特徴を出し、顧客は誰でどこにいるか、これらからの欲求を想定してプランを事業部で練っている最中だ。仕上がりが今から楽しみである。

豊かさ

友人とカフェで何げない話しをしている最中に車の話しになった。私は元々車にさほどの興味も無いので友人が購入検討している話しを黙って聞いていた。
この友人は私とは正反対の性格で最も親密に付き合っている親友だ。
私に無いものを持っているので彼から得た貴重な体験は私の財産になっている。
彼はいわゆる浪費家なのだ。消費する事に人一倍の楽しみを見出し、今この瞬間をどう楽しむかを心得ている消費の達人なのだ。但し、それだけ消費が出来る分の稼ぐ力も当然備わっている。実力の伴なった素晴らしい男である。
ただ、稼いだ金を全て使ってしまうだけなのだが。
カフェでの話が盛り上がり実際に車をディーラに見に行こうという事になった。
私はショールームに入った瞬間に目に止まった車があった。車の名前を知らない私は友人に聞くとマセラッティだという。まっ赤なスタイリッシュな車を見て気にいってしまった。
しかし、こんな車を運転出来るのだろうかと友人に話しをしたら慣れたら大丈夫だという。
彼は私に言った。車に興味のない君が目に止まるぐらい珍しい事はないのだから、買えばいいじゃん。その一言で全てが決まった。いわゆる衝動買いというやつだ。
ふとどこかで聞いた言葉を思い出した。豊かさとは「自分がやりたい時にやりたい事をやれる能力があること」この言葉も後押しして購入した。親友の彼もこれを実践している一人だ。
間違いなく彼が居なかったら購入する事は無かったし、一人でディーラに行くこともなかったであろう。本当に彼には感謝したい。彼と出会う以前は、無駄を嫌い消費も出来るだけ抑える生活をしていた自分だったが、今はやりたい時にやりたい事が少し出来るようになった。
楽しみを見出す事は豊かになり運も味方をしてくれそうである。しかし、過多の消費は例外なので友人は少し気になる。

鰻屋

会社に戻る途中で通りかかった小さな鰻屋が目に留まり、通り過ぎたのを引き返して駐車場にとめ店内に入った。わざわざ引き返してまで入りたくなる感じがしたのだ。
店は7~8名程しか入れない小さな店だった。2時近くになっていたので店内は私一人だった。
お昼のラストオーダーが2時半だったので何とか間に合った。
メニューを見て鰻丼がランチ限定20食で980円だったので注文した。
主人は見たところ30代後半で奥さんと2人でやってるようだ。待っている間、近所の人らしき婦人がお持ち帰り用の鰻を取りに来た。きっと馴染みのお客に違いないだろう。
ここは注文を受けてから水槽の中の鰻を取り出してさばいてから調理するのだ。
蒸してから焼き上げるまでの時間でおよそ35分かかった。鮮度抜群なので当然美味かった。
いや、それだけではなかった。皮の感じとタレはかつて味わった経験がない位に素晴しく美味かった。ただ、ランチの為に普通の鰻重の半分だったので物足りなかったが格別に美味かった。
やはり引き返すだけの事はあった。美味しい店は雰囲気を出しているのだろうか。私が感じた何かはそれに似ているのだろう。駅から近い訳でもなく住宅街の中で若い夫婦が鰻屋でやって行くとなると、それなりの腕がないと難しいだろう。馴染み客が殆どだろうと思って主人に聞いて見るとそうでもないらしい。ネットで見た新規のお客が結構いるらしい。要するに口コミで広まっているのだ。ネット時代になり感動したお客が自らの体験をつぶやく。本物の商品は自然と広がって行く時代になったようだ。しかし、あまり沢山のお客が来てもこの店の大きさでは入れない。その辺が商売の難しいところだ。