豊かさ

友人とカフェで何げない話しをしている最中に車の話しになった。私は元々車にさほどの興味も無いので友人が購入検討している話しを黙って聞いていた。
この友人は私とは正反対の性格で最も親密に付き合っている親友だ。
私に無いものを持っているので彼から得た貴重な体験は私の財産になっている。
彼はいわゆる浪費家なのだ。消費する事に人一倍の楽しみを見出し、今この瞬間をどう楽しむかを心得ている消費の達人なのだ。但し、それだけ消費が出来る分の稼ぐ力も当然備わっている。実力の伴なった素晴らしい男である。
ただ、稼いだ金を全て使ってしまうだけなのだが。
カフェでの話が盛り上がり実際に車をディーラに見に行こうという事になった。
私はショールームに入った瞬間に目に止まった車があった。車の名前を知らない私は友人に聞くとマセラッティだという。まっ赤なスタイリッシュな車を見て気にいってしまった。
しかし、こんな車を運転出来るのだろうかと友人に話しをしたら慣れたら大丈夫だという。
彼は私に言った。車に興味のない君が目に止まるぐらい珍しい事はないのだから、買えばいいじゃん。その一言で全てが決まった。いわゆる衝動買いというやつだ。
ふとどこかで聞いた言葉を思い出した。豊かさとは「自分がやりたい時にやりたい事をやれる能力があること」この言葉も後押しして購入した。親友の彼もこれを実践している一人だ。
間違いなく彼が居なかったら購入する事は無かったし、一人でディーラに行くこともなかったであろう。本当に彼には感謝したい。彼と出会う以前は、無駄を嫌い消費も出来るだけ抑える生活をしていた自分だったが、今はやりたい時にやりたい事が少し出来るようになった。
楽しみを見出す事は豊かになり運も味方をしてくれそうである。しかし、過多の消費は例外なので友人は少し気になる。