すっぽん

以前からすっぽんを食べるならこの店だと数人から言われてた。
渋谷にあるこの店は想像していたよりも入りやすい店構えだった。
決してアクセスが良い場所でもなく裏通りにある小さな店である。

ここは地下に天然のすっぽんが住んでいる。
これを料理するのがここの売りのようだ。
通常では養殖のすっぽんが当たり前なので天然だとここでしか食べられないようだ。
味の方はコラーゲンがねっとりしていて、いくらでも食べれる感じだった。
しかし、すっぽん=亀である。
亀を解体して食べるので些かグロテスクなのだ。
手だったり足や首らしき部位にしゃぶりつきながら食べている。
女子ならいくらコラーゲンたっぷりでも抵抗が出る感じがする。
養殖よりも太っているのでより一層それらしく写る。
その分、栄養が行き届く為に髪の毛までツヤが出るほどの効果があるのだ。
途中で体の中が熱くなってきてすっぽんのエキスを吸収し過ぎたかと、心配になったりした程の天然パワーを感じた。
出汁も最高に良い味を出していて最後の雑炊は極みであった。

お会計をする際に、店の主人に挨拶されて顔を見ると正しくすっぽんの顔をしてるのだ。
危うく吹き出しそうになった。
よく感じるのだが、職業に合った顔つきになるという例はたくさんある。
ふぐ屋さんの主人はふぐみたいな顔だし、すし屋さんは魚の顔、焼肉屋さんは牛や豚の顔に似ている傾向が強く感じられる。
本当に不思議に思うのだが、顔が似てくるのだろうか、それとも元来そのような顔で始められたのか、まさか本人達に聞く訳にもいかないので想像の域だが個人的には段々と似てくるのではないかと思う。