コインパークの集金

六本木のコインパークを開設した事で集金担当が私になった。
規模も大きいので週に最低2回は集金が必要になることもあって、自宅から近い私が当初3ヶ月間受け持つ事になった。
コインパークの集金は初めての体験で最初は結構緊張した。
機械を開けている最中にお客さんが来たら上手く出来るか不安だった。
その不安が的中してしまった。
私が機械を開けて操作している最中にお客さんが精算しに近づいて来た。
私はまだ作業に入ったばかりだったので急いで元に戻そうと思った。
しかし、ブザーが鳴って止まらないのだ。
お客さんは待っているし、扉を閉めてもブザーの音は止まないしで焦ってしまった。
おまけにお客さんからは不審者に見られる有り様だった。
言い訳しても始まらないし、機械に八つ当たりしても仕方がないので、私は祈る様な気持ちでカチャカチャやった。
必死になってようやくブザーが鳴り止み元に戻った。
久しぶりに焦った局面を体験した。

現場は何が起こるか解らないので、いい経験をさせてもらった。
しかし、お客さんから不審に見られ文句でも言われた日には居た堪れない。
あるいは夜の作業は場所がら強盗にも注意を払わなければと思う。
一回で30万円位の集金になるので、待ち伏せしてサッとやればコンビニよりも簡単かも知れない。
昔、まっ昼間に工事現場を装い白昼堂々とトラックを横付けし、コインパークの機械をドリルで掘って持ち逃げする事件があった。
要するに日本でしかあり得ない光景のようである。
外国では現金が入った機械を外に置くのは考えられないと言う。自販機すら外に置く習慣が無いのに、日本は実に平和で治安が安定しているのだろう。
コインパークを標的にしてもおかしくないのは当然だ。

他の会社はちゃんとしたユニホーム姿で2人組になって作業に当たっている姿を目にする。
わが社もそろそろ実行に移す時かもしれない。

新婦の父親

結婚披露宴の舞台で涙ぐむシーンは何度か訪れるが、今回は別の角度で感じた事があった。
それは新婦から見て父親よりも母親の方が影響があるのか、関係が強いのかよく解らないが、涙のシーンは何れも母親が関連した場面にあった。
思い出の話しだったり、感謝の手紙を読んでいると新婦は泣いていたが、それは母親に対しての感情だった。
自分の身において考えてしまうと何か寂しい気がした。

娘と父親の関係は家庭によっても違いがあるだろうが、基本的には母親には到底比べられない存在なのかも知れない。新婦側から見た披露宴の舞台は明らかに母と娘の絆が感じられたが、父親はそれが無くて終始控え役に回っていたのだ。
残念だがそれが現実だ。
一緒に過ごす時間も長いし共有出来るものも幅広いのだろう。

実は今回の結婚式はわが社の女子社員だった。
新卒で入社した彼女は26歳、一方彼は一つ下の25歳だから世間相場では早いだろう。
一つ一つ段取り良くこなす彼女は細部に渡り素晴らしい挙式であった。
日本の文化を下敷きにとてもバランスが取れていた。
若いカップルを感じさせない落ち着いた雰囲気を演出していたり、とても新鮮で感動した。
主賓の挨拶をさせてもらったが、何か父親に近い感情も出て来て不思議な感じだった。
それは彼に対して父親の目線のような、しっかり頼んだぞと。
しかし、この夫婦は確実に妻がリードするので、頼まれるのは彼の方かも知れない。

新婦の父親をもう少し引き立てる役がいても良いかも知れない。

会社説明会

13年度新卒採用の会社説明会を、有楽町の国際フォーラムで行った。
買い手市場がより一層鮮明になっているので、会場は満員御礼になると思っていた。
ところが前日のエントリー人数に対して当日来た学生は6割程度だった。
当日雨だったにしても何故だろうかと疑念があった。
買い手市場にも拘らず、この結果は何なのか……
調べて解った事は世の中の採用開始の時期が例年より遅くなった事で、ちょうどこの時期に他の会社の説明会とのブッキング現象が起きているという現実だ。
学生から見れば一度はエントリーしたが、次に調べているうちに日付が重なる企業が複数あったりと、スタートを遅らせた分だけしわ寄せがきているのだ。
当然と言えばそうなのかも知れないが、両者にとってあまり益のない施作に感じる。
12年度の学生も含めて考えると、朝のラッシュ時に電車が遅れてやってきて車両には入りきれない人集りの中で我も我もと次から次に入ってきて、ついには車掌が無理やり押し込んでいるが時間がかかり、電車の出発時刻は更に遅れると言う様な事になりそうな感じだ。
企業側からすると、今後の戦略が非常に大切になってくると思う。
一旦、やり直しである。

前から思っていた事だが、当日説明を聞いている学生を観察していると男子は眠気混じりだったりするのが目立つが、女子は真逆で聞く姿勢たるや真剣そのものでこちらにもよく伝わってくる。
入社後の仕事を見てもやはり女子の方が一枚上のようだ。
草食系男子などと言われ始めてからなのか。
時代が変って女子が男子を守ってあげるかの様なCMも見かける。
なでしこジャパンの活躍だったり、女子プロ野球が出来たりとステージの幅も広がっている。
男子も侍の魂を呼び戻しお面返上と行きたいところである。

京都のお茶屋

打ち合わせの最中だった。先方の方がひらめいた様な表情で語り出した。
それに私達は非常に興味を示した。
早速現地に行ってみようと段取りをその場でして外出した。
期待通りに早い!! 行動力と発想は予想を上回っていた。

今回の京都入りは私とクリエイターの2人で新規事業の打ち合わせにやってきた。
クリエイターのA氏の紹介で地元に顔の効く人物達とのブレストをセットしてもらっていた。
A氏は若いが非常にセンスのよい仕事をする。頭も良いしスピードもある。
そんな人物の紹介なので、いい仕事ができるのではないかと非常にワクワクしていた。

向かった先は祇園のお茶屋だった。
立地は申し分なく、世界中から実力者が集まる京都の文化に触れる最高の舞台だった。
かつては新選組や坂本龍馬らの歴史的人物達が遊んだお茶屋。
ここは舞妓さんや芸妓さんが、旦那衆を楽しませる高級な遊び場として知られている。
私の友人がかつて芸者遊びをしていたらしいので、根掘り葉掘り聞いてみた。
舞妓さんは若くに芸を習い座敷に出て旦那衆の相手をするのだが、要するに自分を売り込んで旦那さんに面倒をみてもらう事がよしとする世界のようだ。
友人も以前は儀式をして舞妓さんを迎えたらしい。
結婚の様な儀式らしいのだが、そうなると着物の襟が黒くなるそうだ。
旦那に身を任せた証だと言う。
しかし、そうなると大変なお金がかかるらしい。
四季の着物やら行事やらを全て旦那の財布から賄うのだ。
おまけに生活費や家賃までとなると相当な旦那じゃないともたない。
友人は約1年でお手上げだったようだ。ごめなさい、私が甘かったと…
よくもやったものである。
しかし、こういった凄い文化が今でも続いていて財界や政界の大物が遊んでいるのだ。
私を含めて価値の感じない人には到底理解出来ない世界である。
一度位は座敷でどんちゃん騒ぎも悪くないが。

世界に通用する京都の職人芸。
世界各国の実力者が京都に憧れる。
東京にはない凄みを感じた。