個性の強い子供たち

久しぶりに長男と二人で飯を食う約束をしていた。
高校を中退してロックミュージシャンを目指す彼は、学校を辞める2年前
とは別人の在り方になった。
今では本をたくさん読んでいて、何かいい本があるか私にリクエストして
くる読書好きになっている。
目標も明確で彼と話をしていると現実化するだろうと感じる。
しっかりとした口調で落ち着き払っているのが印象的だった。

今回は表参道で待ち合わせをしてイタリアンレストランの予約をしていた。
当日に次男から連絡があり俺も行きたいと言ってきた。
長男の同意を得てから一緒に来るように伝えた。

今年は表参道のイルミネーションはなかった。
ヒルズの中には色鮮やかなツリーを見に来ている人もいたが、外はいつも
と違う雰囲気の中、3人で店に入った。3人だけで飯を食うのは初めてだった。
普段から兄弟でもそんなに話をするわけでもなく、どちらからとも話しかけ
る事がなかったので、私を中心に彼らに話題を振っていた。
そんな中、次男が今年もスキーに行きたいと言ってきたので長男も誘って
北海道に行くことが決定した。
双方ともに友達と遊んだ方が楽しいので、休みの日でもほとんど一緒に
出掛けることはない。こんなタイミングでもないと、家族そろって出掛け
ることもないだろうと思い即断した。

イタリアンの店を出ると社会勉強も兼ねて、銀座のクラブに入った。
次男は茶髪でピアスの出で立ち、一目で中学生と分かるが、長男は一応
社会人なので違和感はそれ程なかったように思う。
おまけにかっこいいのでかなりモテるのだ。
女の子たちも彼に質問攻めで私の方が呆気にとられた。
こんなにも違う対応なのかと、嫉妬心が芽生えるほど初めての感覚だった。
一方、次男はそんな雰囲気につまらなそうな態度で、スマホをいじりながら
早く帰りたいオーラを発していた。
彼も一緒に飯は食いたいと思って来たが、予想外の行動に面を喰ったようだ。

たまにはこんな風に男だけで飯を食いに来るのもいいのだろう。
一方で娘二人はクリスマスのプレゼントの催促で、長女は洋服を買いたい
のでお金をちょうだいと言われ、次女はゲームソフト動物の森が欲しいと
リクエストがあり、一緒に買いにいくも売り切れ状態。
急に機嫌が悪くなりどうしてくれると、私に八つ当たりする始末。
私としても彼女には弱く、必死になって店舗を巡りやっと見つけて落ち着いた。
次女の誕生日が12月というのもあって、この時期は出がすこぶる勢いである。
誕生日が3月、7月、8月、12月、それぞれ個性の強い子供たちである。
勿論、私も妻も同類である。

変わりたくない

会社の忘年会での事だった。
幹事が考案したゲームに参加している最中は全く気付かなかった。
このゲームは5〜6名で手作りの大きなトランプを自分の頭の上に掲げてポーカーをやる
というもので、自分のカードは見えない中、他のメンバーのカードを見比べて判断する。
自分のカードを変更したければ一度だけ交換できるというもの。

私は一回目のカードを変える気持ちにはならずに勝負にでたが、あえなく敗北を喫した。
次の出番でも周りのカードにそれほど強いのがなかったために、自分のカードの方が強い
だろうという想いがあった。
ここでも変更せずに勝負にでたが、あえなく敗北するありさま。
一方で13年度の新卒者(内定者)も参加していたのだが、彼女が二回ともグランプリに輝いた。
その時は引きが強い子だなと思っていたのだが、よく観察してみると彼女はカードを変更
しているのだ。
要するに、私の場合は現状のカードが強い、もしくは自分の考えが正しいと思い込んで、
自分は変えない変わりたくないと無意識で思っていた。
ところが彼女は違って、変化を自ら起こして能動的に動いたということが言える。

私は無意識で自分を変えたくないと思っていることにショックを受けた。
1回目のカードがどんなものか解らないのに、いいものと信じ込んで動かない自分だった。
動いた結果、今よりも悪くなるかも知れないし、良くなるかも知れないが、確率は1/2なのだ。
普通のポーカーは自分の手札が全部見えたうえで交換するが、
今回のゲームでは自分の手札は見えない。
参加者同士で変えない方がいいとか、変えた方がいいとかの言葉を投げ合って心理戦に
なるのだが、結局のところ変えない選択をする人の方が大勢を占めていた感じがする。
内定者の彼女はそこに躊躇がないのだろう。
少なくとも、無意識に変わりたくないという想いは存在していないと思う。
私は自分では変わりたくないという自覚がなかった。
まずはそこからスタートしようと思った。
変わりたくない場面を観察し、自覚を高めることからチャレンジしてみようと思う。

そうすれば意識的に変われる自分が創り出せるような気がしている。

ゴルフ合宿

毎年恒例になっているタイでのゴルフ合宿。
私は2年ぶりの参加になったが、相変わらず体力と気力の限界まで挑戦することには変わりなかった。
今年のメンバーは初めてお会いした方が2名いた。
IT系会社経営者T氏、政界を引退したマダムAがいらした。
日本の気候とは正反対の日差しの強さ、気温と湿度の高さはプレーを重ねる度に体力を消耗させる。
この環境の中で1日2ラウンドを5日間プレーするのだ。
朝8時にスタートして17時まで、途中売店での休憩を挟んでも、終わるころには腰と足がフラフラになる。

参加者の中で毎年来ている62歳になるM氏は4日目で体調不良のため途中棄権になった。
酒とタバコが大好きなM氏はそれさえも受け付けない位に衰退していた。
2年前と比べると確実に体力は衰えたとM氏は言う。

私も毎朝のルーティーンを2日目まではやれたのだが、翌日からは意思が負けてしまい出来なかった。
毎日同じ食事も飽きがきて、学生時代の野球部の合宿を再現しているかのようだった。
プレーも中日になる頃には、体のバランスが悪くなるので、ボールがどこに飛ぶのかわからず、
スコアはどんどん悪くなる一方でフラストレーションは蓄積され、半分投げ出してプレーする始末。
プレーが終わるとゴルフ場の中にある宿泊棟に戻り2時間のマッサージを受ける。
その後、食堂に全員集まって食事をする。部屋に戻るとベットに倒れこみ3秒で寝てしまう。
おかげで顔は真っ黒になり、少しやつれた感じになった。

もうこの辺で、ストイックなゴルフツアーは今年で手仕舞いにしようと思う。
M氏とも話をしたのだが、ゆったりとしたホテルに宿泊し、のんびりゴルフを楽しめるプランに変えましょうと。
T氏もマダムAも最後まで棄権せずにプレーしたのは素晴らしかった。
食事の時間色々と話す機会もあったが、とても元気で食欲も旺盛なのには驚いた。

しかし、体力の限界までやっていることには変わらず、ゴルフ合宿からゴルフ旅行に変えないと、
年齢的にも死者が出ても不思議ではないのだ。
私もストイックな方だが、これを何年も続ける気力がない。
ハワイでリゾートを満喫しながらプレーをするゴルフ旅行を提唱しようと思う。

次男と仲間

中学二年生の次男が酒を飲みバイクに乗っているのが発覚した。
先輩と仲間で夜中バイクで走っていたら、警察に出くわして先輩が捕まったらしい。
次男と友達は上手く逃げ切ったらしいが、先輩が警察に次男の事をゲロしてしまい、近日中に警察から呼び出しがあるという。
この事で友達の両親が私に相談があるというので、日曜日の夜に自宅に来てもらい話を聞いた。

先方の心配は警察には正直にすべてを話して、対応したほうがいいのではないかとの事だった。
そして、盗んだバイクに無免許で飲酒運転をするような不良行為を何とか止めさせたいという思いを話されていた。
次男が警察と話をするときには正直に話されたほうが良いのではと促された。

私の意見は真逆であった。
ストレートに話そうか迷ったが、少しオブラートに包んだ言い回しから入った。
今回の件は、大した問題ではないということ。
「そんなに心配になることではないと思います」、と言った。

勿論、社会的には問題があるが、思春期のこの時期に止めろと言っても意味がそこに無いと思うからだ。
むしろ私は承認しているくらいだ。
気の合う仲間と悪さをする事が楽しい時期なのだろう。
彼らの悪さといってもかわいいものである。

どうせ、ビビりながらやっている腰抜け連中なんだから、少し痛い目にあう体験をしたほうがいいのだ。
一方で自分たちが怪我をする位ならいいが、加害者になって相手に迷惑をかけたら大変だという意見がある。
無論その通りであるのだが、注意をして表面上はおとなしくなっても、裏でやるのは火を見るより明らかである。
私もそうだったから解る。

ここは取り越し苦労はせずに、彼らが納得できるチャンスの時に言ったほうが効きめがあると思っている。
あるいは何かのきっかけで、彼ら自身で麻疹が醒めてくれたら友達の両親も妻も安心するだろう。

私の意見に賛同する人は極めて少ないと思うが、変り者なので仕方がないと思っている。