終わりの始まり

終わりの始まり。

よくカップルを例えて表現する言葉だ。

破局に向かって進み始めた時のことである。

2014年を翻ってみると、政治や金融は顕著にその傾向を読み取れる場面があった。
また、経済にしても劇的に進化するテクノロジーは既存の仕組みを破壊し始めた一方で、大量生産による不特定多数へのお客様に販売することも、もはや破局シナリオの潮流にのっている。

やはり、特定少数または、特定多数のお客様に対してクオリティを高めていく企業以外は終わりの始まりのように思える。

当社でも特定多数、特定少数への商品のラインナップを揃えているが、これらをアップデートする事が急務になっている。
既に賞味期限切れになっている商品やサービスもあるからだ。
アップデートするサイクルは益々短期的になっていくだろう。

スマホ市場ではアプリがアップデートするスピードは言わずもがなである。

まわりを見てみても、セブンイレブンのコーヒーなども私は毎日のように買っているが、あの仕組みで始めてから一年でアップデートしているし、今度はドーナツを商品化したり、ATMや宅急便などのコンテンツも充実させながら、常にアップデートしている。

それは、あらゆる業界に於いて言えるだろう。

一方で、全くアップデートしていないからこそ価値を見出す商品もある。
これは特定少数のお客を対象にしている。
クラッシックカーなどは典型的で、供給も当然少ないマーケットなので、希少価値として特定の少数に限られるが、ここまでの領域になると、もはや変化とは全く無縁な存在としてあり続けるだろう。

また、飲食店などはナショナルチェーンやファーストフード店などを除く、個人店は秘伝のダシやタレなど一種独特の伝統文化があって、それはそれで非常に大切な個性で、特定少数のお客を魅了しているのだ。

私は中華料理が好物なのだが、ホテルの中にあるような高級素材を用いた店よりも、コスパを重視する方なので、個人レベルの中華料理店を見つけて食べに行く。
そして、よく調理場を観察している。
強火の中華鍋に数種類のスパイスを独特の感覚でお玉から投じられ、スープ鍋からスープをしゃくり出して具材と混ぜる鍋さばきを見るのがとてつもなく大好きなのだ。
ある時、あまりに私が注目しているので、此れ見よがしに鍋さばきを大げさにやっていた時は、料理人冥利に尽きると思ったに違いない。

私も一度調理場であのように振舞ってみたいと思うことすらある。

繁盛している店は非常にコスパが高い。
また、アップデートとは無縁な昔から変わらないメニューで、その味に根強い私のようなファンが特定少数控えているのだ。

しかし、特定多数を対象に事業展開するとなれば、アップデートは必須でお客を飽きさせないばかりか、クオリティを追求した商品やサービスを提供する以外に終わりの始まりの破局シナリオから脱する方法はないと見るべきである。

2015年の最大のテーマになる。

インプラント手術

初診から半年後にようやくインプラントの手術となった。

歯茎を裂いてドリルで骨を削り穴をあけて、そこにネジを入れてから上部に人口の歯を取付けるのだ。
当然、麻酔はするが術後の痛みはそれなりに覚悟していた。
あの時の痛みに比べたら、どんな手術後の痛みも耐えられると思った。

痔の手術である。

あの痛みは想像を絶するもので、二度とゴメンである。

今回は左下部に二本インプラントを埋め込む。
そこの歯茎に麻酔を数カ所刺すのだが、この時の針が刺さる痛みと次第に感覚がなくなっていく感じが嫌な場面だった。

後は、ドリルの音が聞こえて骨に穴をあけていようが、歯茎を裂いていようが、麻酔が効いているので何ともない。

そして、術後の麻酔が切れた後の痛みは覚悟していたよりも楽であった。

しかし、骨を砕いているのに痛みが少ないのは何故か不思議だった。
翌日にはほとんど痛みは消えていたのだ。

当日の夜にクリニックから連絡があり、術後の経過を気遣う電話をいただいた。
簡単なようで、なかなか出来ないフォローに感激した。

それだけ患者目線の立場で仕事に取り組んでいるのだ。

スタッフも女性が多く院内も明るく活気があり、患者も子供や女性が多いようだ。
持ち場持ち場の役割分担が明確で、みんなイキイキと仕事をしている姿は見ていて気持ちがいい。
何かこれからの時代にフィットした女性が中心の組織を見ているようだった。

院長の吉野氏も若く勉強好きで、これから益々発展して社会に大きな影響を与える人物になっていくだろう。
患者の立場として感じる素直な感想である。

来週の抜糸が最後になる。

お代もインプラント二本で50万円と相場の半値なのだ。
おまけにカードでの支払いを受付けているのもお客様目線で、クリニックの患者と言うよりも
サービス業としてお客様に対応をしているかのようで、本当に素晴らしいと思った。

主導権

一通のメールが届いた。

テスラモーターの納車担当者からだった。

今年の1月8日に注文を出した時は、クリスマスプレゼントとしてお届けするようですね、冗談半分で担当者は言っていた。
なので、のんびり待っていた。

ところが、メールの内容が年越しするという事だった。

結局、注文してから1年が過ぎるようだ。
おまけに、アップデートしたモデルDが発表された。
注文したモデルSの納車前にニューモデルが発表されるという、何とも皮肉な出来事である。

時代の流れが早いうえに、テクノロジーの目覚しい発展により、自動運転システム及びクリーンエネルギーが主流になり、1年ひと昔前になっている感じだ。

そこで、私は立場を逆に考えてみた。

私がテスラ社の立場になってみた。

価格と納期に関しては完全に主導権を握っている。

品質とオペレーションに自信を持っているため、待ってくれるお客様が必然性になる。
いわゆる営業マンが不在なので、値引き交渉もなければ、納車期日に関してもとやかく言うお客もいない、連絡はメールでのやり取りが主流で、かけるコストの対象が合理的である。

やはり、品質の良い商品とオペレーションシステムが決定的な競争力に違いをつくるようだ。

不動産で考えてみるとどうだろうか。

先日、物件を購入しようと思い現地を訪れた。
不動産会社から紹介を受けた際には、翌日に案内が数件あり非常に引き合いの強い物件と言うアナウンスをいただいた。

現地を視察した感じだと立地、価格は申し分ない。
しかし、引き合いが強い案件だと言うのが気がかりだった。

引き合いが多いと言う事は、よく知られている物件で競争力がある為に、こちら主導で交渉がしにくい案件という事になる。

すなわち、物件仕入れに関して最も重要視しているのが、あまり知られていない物件情報だ。

もし、同じ物件だとしても価格については下限の情報が自分だけに限られた提示だったり、他人から見たら条件の悪い物件で引き合いの少ない物件情報に価値を置いている。

テスラ社とは単純に比較にならないが、主導権を握って仕事を完了させる点については、不動産ビジネスも同じと言えるだろう。

フィリピンの旅

今回の目的は次男に会うため妻と次女を連れてフィリピンへ向かう予定になっていた。

次男は8ヶ月前に片道切符でフィリピン入りした。
その後、英語留学の学校で働いている。
親からの援助はまったくない為、自らの力で生き抜くしか道はない。
私はあえて彼を崖っぷちに追い込んだ。

彼がどんな環境でどのように生活しているのか、それを見定めに8ヶ月ぶりに彼と対面する事になる。

妻も再開を楽しみにしていたし、次女も引きこもって以来、外の世界に触れる貴重な体験になるはずであった。

ところが、羽田空港で手荷物を預ける為にパスポートを渡した時だった。
何と妻の有効期限が残り3ヶ月になっていた為、今回のフライトは諦めるしかない事が発覚したのだ。
フィリピンの場合、残存期間が6ヶ月必要で現地へ行く事は可能だが、向こうで入国が叶わない以上、困難な事になる。
妻の落胆する様子から何とかしたいが、どうしようもない事なので、仕方なくキャンセルになってしまった。

次女と私は大丈夫なのだが、2人で行く事はないと思っていたが、次女にそれとなく声をかけるも呆気なく期待通りの回答だった。

結局、私一人で出発する事になった。

出発するまでの時間、3人で食事をする事にした。

すると、一人の男が声をかけてきた。
何と、知り合いで仕事関係のS氏だった。

羽田空港内のレストランでバッタリ会う偶然に驚いた。
どこに行くのか聞くとフィリピンだという。
更に同じ便だと言うのが解り、ビックリ仰天してしまった。

出発の時間が迫ってきたので、妻と次女はそのままトンボ帰りし、私は飛行機に乗り込んだ。

すると、またまた驚くべき事実が明らかになる。
何と、S氏と私の席が隣になっているのだ。
100人以上の大型機なので凄い確率である。
こんなに偶然が重なるかと、2人で顔を見合わせながら大笑いをしてしまった。

次男のいる場所はマニラから車で3時間程かかった。
再開した時は、何とも言えない感情があった。
嬉しさもあるが、ヒィリピンの田舎で環境は日本と比べようのない不便で貧困の人達が集まるエリアで、よくぞ16歳で単身乗り込み異国の地でやっているなと言う、親としての感情が強くあった。

本人と話すと六本木のミッドタウンの生活に比べると、天国と地獄のようだと苦笑いしていた。
しかし、彼は大人になっていた。
昔の中途半端な悪ガキから立派な人間に成長していた。

そして、以前は壁に直面すると逃げる癖があり、それを繰り返す場面から抜け出せずにいた。

しかし、今は逃げる事なく考えて責任をとるようになっているそうだ。
物事から正面に向かい一つの壁を乗り越えた印象で、本当にたくましく成長している姿だった。

また、現地にキャバクラがあり、女の子をお持ち帰りするなど、既に16歳にして大人の遊びまで体験していた。

英語はペラペラになっていて、彼が授業を受け持つまでになっていた。

やはり、学長のマンツーマンスパルタ教育の賜物だろう。
私からも感謝の意をお伝えした。

約3時間の再開だった。

本来は親子水入らずの時間を過ごしたかったが、彼の仕事の持ち場もあり、次回ゆっくり妻と来て過ごしたいと思う。

次男の素晴らしい成長ぶりを見て、フィリピンに行かせて本当に良かったと思った。