真冬のバイク乗り

天然村へバイクで行こうか迷っていた。
昨年の11月から全くエンジンをまわしていなかったので、タイミングをみて機会をつくり乗りたいと考えていた。

しかし、前日の疲れが残っていて体が重く痛みもあって、躊躇する要因となっていた。
昨夜はキックボクシングのトレーニングをしていた。
週に一回の基礎練習の日になっていた。
この基礎練習はキックやパンチの基本的な型を中心に蹴り込み、打ち込みを徹底してやるのだ。
私の苦手なキックの型を何度も注意を受けながら蹴り込んでいるが、一つ注意を受けたことが出来たと思うと、もう一つ注意を受けた事が出来ていなかったりと、幾つかの課題を同時にクリアするのが難しく、居残り練習までするようになり、かつて学生時代に部活の先輩から受けた洗練を思い起こし、果たして自分がどこに向かっているのかわからなくなってしまう場面もあり、トレーニングが終わるころには疲労困ぱい状態になる。

そんな状態でバイクに乗るのかどうか当日直前まで決めかねていた。

朝のテレビの天気予報では日中は暖かくなり13℃までになるとの事、これが決め手となりバイクで向かうことにした。
ところが、アクアラインを過ぎたあたりから寒さが増してきて、手が凍りつきそうに寒くなっていた。
現地に着いた時には身体全体が寒くて、しばらくは暖房のそばに居ても寒くて仕方なかった。

当日は10:00から天然村で打ち合わせの後、外房から内房へ物件の視察に行く予定になっていた。
午後から車で移動している時は予報通りのポカポカ陽気で、海辺にはサーファーが賑わっていた。
祝日だったので、すれ違う車のナンバーを見ると他県からが目立っていた。
比較的温暖な南房総エリアは都市部からも近く、日帰りで家族や友人で楽しめる場所としても知られている。特にアクアラインから館山まで高速道路が乗り入れたのが、大きな要因となった事は間違いない。

内房の不動産業者を訪れた際も、都市部から別荘地を買い求める人も多いと言っていた。
確かに内房エリアとして知られている、富津周辺は東京から車で1時間かからないアクセスの良さがある。
海が見える物件の視察が終えて天然村に戻ったのは夕方になっていた。

徐々に寒さが増してくるようで、これからバイクで帰ると思うと憂鬱になっていた。
天然村を出たのが18時を過ぎていた。
意を決してスタートしたが、寒さが想像以上で真っ暗な山道では、鼻水が出始めてヘルメットの中から曇ってきて視界が悪くなり、身体はブルブルと震えが止まらなくなっていた。

何とかこの局面を乗り越えなければと思い、大声で歌とも言えない歌を歌いながら、二度と冬場のバイクは乗らない決意を固めていた。

トンネルに入ると寒さが多少和らいだが、トンネルを出ると極寒の世界に舞い戻る。
前日の影響もあり、疲れがピークになっていて腰の痛みと腕の疲れが一度に襲ってきている。

六本木に着いた時には手足が思うように動かなく、直ぐにジャグジーへと向かった。
何分経っても身体が温まらない、おまけにサウナに入っても同じで体の芯から冷えてしまったようだ。

やはり、冬場のバイクはしっかり厚着をして、ホッカイロをたくさん準備するか、乗らないで春まで待つかだが、今回の体験からすると後者を選択することになるだろう。