長く続ける

30年経つと99.98%が消える。

会社の生存率である。

100社あっても全て消える。
1000社あっても全て消え、1万社の中で2社だけ残る計算になる。

そもそも、5年で85%の会社が消える統計から考えると、会社の寿命はそう長くはない。

先週、縁あって創業40年の会社のトップと面談する機会があった。

K氏は大手メーカー勤務を経て独立してから40年になる。
数々の特許を保有する技術屋で、ヒートポンプ、ろ過装置といった産業用の機械メーカーだ。

本社が近所という事もあり、K氏から一度遊びにおいでとのお誘いがあった。

先方の本社に到着すると、建物が船の形をしていた。
何だろうと思いつつも受付に入った。

受付というよりは自宅の玄関のようだった。
スリッパに履きかえて階段で4階まで案内されると、奥に和室がありそこへ通された。
まるで、個性溢れる建物で発想が一般的でない、おまけにエレベーターがなく4階まで階段で登ったかと思うと和室で初対面するとは、なかなかユニークだと思った。

K氏を一目見て技術屋でありながらも営業力のある御仁とみた。

目に力があり、よく話される方だった。
そして、優しさも会話の随所に感じられ、ご自身の使命も明確に言葉として表現していた。
また、技術に関しては誰にも負けない自信をお持ちで、これから始まるプロジェクトの話を熱く語っておられた。

この技術を使って地方から日本を元気にするんだ。

私に声をかけていただいたのも、事前にイコムのwebをご覧になって共時性が起こったのだと思った。

K氏は研究開発は15年を要すると言い切る。
様々な試行錯誤を経て世に出る商品になるまでは、10年やそこらではまだまだ道半ば、15年経って初めて本物と言える商品になると。

40年やっているK氏があっさり言うものだから、私は驚愕したのと同時に一方の思考では、そんなに呑気にやってたら消えちまうだろうと思った。

何故なら5年で85%の会社が消えるのだから、商品開発に15年もやってたら生存する方が奇跡に過ぎない。
明日の飯に困っている人が聞いたら漫画の世界だと聞き取れないだろう。

しかし、K氏は利益の3分の1は商品開発に回して、常に試行錯誤を繰り返しながらコツコツ、続ける、諦めない、をずっと40年も実践してきたのだから、本当に素晴らしいと尊敬の念を持った。

天然村事業を考えてみても、まだたかだか5年そこそこである。
あと、10年は試行錯誤しなければと考えると私も60になってしまう。

もはや、これから始まる人生の第4ステージも10年、15年、20年のタームで考えないとならない。

春の野草と社交ダンス

それは2つの体験を通じて感じた事だった。

春の野草散策と社交ダンスを初めて体験した事で知ることになった。

無意識な為に見過ごしていたり、無関心な為に知らなかった分野を体験する事で新しい発見があったりすると、自分になかった世界観が広がるような感覚がある。

天然村イベントで野草の摘み取りが行われた。
それを天ぷらにしたり、ぬたや胡麻和え、しょうゆ漬けと昔から伝わる料理を地元の得意技人が振る舞う。
都市から来た人や近所の人達が集まり、体験を通じて合流する場としてのコミニティが形成される。

野草の専門化T氏のレクチャーで天然村を散策しながら、食べられる野草とそうでない野草の見分け方、雄と雌の違いや外来種など説明を受けながら歩いていると、おおよそ畳一枚分の大きさに20種類程の野草があることに気付かされた。
また、天然村全体でも100種類以上の野草がある事がわかった。

今まで全く無意識で、その存在事態すら気付かずに見過ごしていた。

この初春のわずか1ヶ月しかお目にかかる事のない野草は本当に希少である。
そして、料理にすると抜群に美味い。
今まで本当にもったいないことをしたものと反省している。

フキ、ヨモギ、タンポポ、ウド、ドクダミなどなど、旬の野草を摘み取って食べる贅沢は六本木や銀座の名店といえど味わうことは叶わない。

素晴らしい体験が出来た事で次回からは出来るだけたくさんの方々に体験していただきたいと思った。

イベントを終えた私は四谷にあるダンスホールへと車を走らせた。

まさか社交ダンスをやることになるとは、しかも50になって始めるとは、もはや漫画の世界である。

先ずは先生から社交ダンスの肝を教わる。

男性は女性を綺麗に見せる。

そして、安全にリードする。

ダンスを通じて男女の恋の駆け引きを演じる。

ワルツ、タンゴ、チャチャチャ、これらのステップや身体の表現をレクチャーしてもらい、実際に女性と演技をすることになった。

何が何だかわからない中で夢中になってステップを踏むも、頭で覚えるのとステップがちくはぐになり、相手の女性の足を踏む始末。おまけにステップが相手と合わずにラジオ体操と間違えるような醜態をさらしてしまった。

まぁ、初体験なので仕方がないと言えばそうだが、音楽に合わせて華麗な演技で男女の恋の駆け引きを身体全体で表現できるまでには、火星に行き着くほど困難な道のりになりそうである。

しかし、この分野を初めて体験する事は、これから始まる人生の第四ステージで不可欠な要素になるものを会得するようになる気がしている。

プラスとマイナス

今年6月に挙式をする我が社の女性社員Sの家族を交えて会食をした。
Sのご両親は明るく気さくで親しみやすい方だった。
一方でSのご主人であるK氏とは何度か酒の席を共にした事があった。
真面目でIQの高い論理的な人物の印象があった。

私を交えて5人で話をするうちにK氏の話題になった。
どちらかと言うとK氏1人に対してS陣営が4人いる中で真面目なK氏は居心地は良いとはいえない状況にあった。

酒が進むうちにK氏の話題に花が咲き始めた。
職場の話になり上司との関係や仕事の内容にネガティヴになっていた。
私たちは自分たちの意見をK氏に伝えた。
我慢をして自分の感情を抑える傾向が強いためストレス体質になっているのだ。

Sとの関係だって新婚にも関わらず本音のコミニケーションが行き届いていない。
ご両親もそこは気になっているようだ。

終盤になったころ、SとKは本音トークになっていた。
お互いコミニケーションの課題が明確になり、Sも両親への昔寂しい想いをした時の事を涙しながら本音をさらけ出す場面もあった。

それはそれで良かったと思うが、誰にもプラスがあれば同じだけマイナスがあるものだ。
SとKはコミニケーションはマイナスだが、忍耐力、継続力、信頼性などはプラスとして素晴らしい素材がある。

私もコミニケーションはマイナスだが、プラスだってちゃんとにある。
親友のMは逆にコミニケーションはプラスだが、経済性はマイナスだったり、奥さんはその逆でコミニケーションはマイナスで倹約性はプラスとしてあったり、それぞれ各人プラスとマイナスがきちんと配列されている。
我が社の社員たちも個性豊かな人物が多いが、プラスもあるし同じだけマイナスが存在する。
肝はマイナスを駄目としない事である。
プラスに光をあて、そこを伸ばして個を発展していく。
逆にマイナスは包含すればいい。

顕著なのはとくに夫婦で全く違う対極な性質が不思議とペアになる。
通常、夫婦は真逆で自然と足りないところを補うようになっている。

そんな観点からするとSとKは似た者同士の印象がある。

少し気になる。