不動産の波

私どもは不動産会社です。

名刺を差し出すと何をなさっている会社ですかとよく聞かれるので、このように答えている。
しかし、一般的な不動産会社と比べると大きく異なる。
それは、不動産を売ったり買ったり、仲介する会社が大半を占めているからだ。

私どもは不動産は扱うが、そのものを自社で運用している会社である。
つまり、不動産活用とは違い、オペレーション機能を備えた運用のやり方で稼いでいる。

不動産は取得するが、滅多に売らないでやってきた。

しかし、波を読むと売り場か買い場がわかる。

今は収益不動産と言われている、家賃収入がある不動産が活況を呈している。
一棟のビルやマンション、アパートを購入して家賃収入を得る。
特に都市部や首都圏のターミナル駅周辺の商業地にある売り手が少ない。

一方で、買い手の方は投資目的から相続対策まで様々な人達がたくさん控えている。
最近では珍しくなくなった外国人、台湾や香港、中国人が目立ちはじめている。

東京オリンピックに向けて不動産価格は上昇していくだろう、シンガポールや香港に比べると東京は割安感があると言った記事をよく目にする。

私どもでは、この波は売り場として捉えている。
所有している不動産の一部を売りに出すことに決めた。
売値は合算して6億円になるが、売れても売れなくてもどちらでもよいと考えている。

売ってしまえば、まとまったお金は入ってくるが、毎月入ってくる家賃収入はなくなるので、この波のタイミングに合えば良しとしている。

合わなければ無理に売値を下げてまで売却する必要はない。
毎月の家賃を失うことなく、チャリンチャリンと入ってくる事に変わらないからだ。

買い手はこの毎月のチャリンチャリンが欲しいのだ。
これは時代背景が物語っている。
高齢化が進み寿命が長くなり稼ぐ手段が必要になる一方で、これからの世代が年金をあてにすることが困難になってくるからだ。

そして、買い手の視点は資産価値が落ちにくい不動産という見方になる。
当然、駅から近い物件がマストな条件になり、建物の築年数や構造によっても価格が変動してくる。
また、通常の一般賃貸の場合は入居者に選択される要素がないと、これからは厳しくなってくるだろう。
人口が減ってくるのは明確で、当初の5年は順調だとしても、それから先は差別化がないと先が読めなくなってきている。

銀座や表参道なら立地で全てカバー出来るが、首都圏のターミナル駅周辺でも例外ではないだろう。

私どもの強みの一つとしては、自社で運用オペレーションのノウハウがある点は大きい強みである。
それは、一般の賃貸のような貸し方だけに留まらず、マンスリーマンションやシェアハウスのような時代に合ったニーズに対応している。
また、土地だけの運用をしているコインパーキングやデイパーク、時間貸しの駐輪場までラインナップが揃っている。
要するに借りる人のターゲットに合わせてオペレーションの仕組みが構築出来ている。

今回売却する不動産に関しても、私どもでサブリースする形態を残しているので、購入したお客さまも安心して決まった家賃が毎月チャリン、チャリンと入ってくる仕組みにしてある。

今の波がどこまで続くか楽しみながら見ていきたい。

罰金の仕組み

錦糸町駅から徒歩5分ほどの場所に警視庁の交通違反赤切符専用窓口がある。

先月、大井競馬場駅近くの警視庁交通費係にて70キロオーバーで赤切符を切られた。
それを持って指定された日時に訪れた。

この日から免許停止だと覚悟していたが、意外にも罰金を確定する略式裁判をする日だったのだ。
行政処分はまた別日程での手続きがある事をその日に知った。

この罰金を確定させるまで様々なプロセスがあるので半ば呆れてしまった。
最初にオービスの写真を再確認された。
「これは間違いなくあなたですね」
はい、私でございます。間違いありません。
この前も確認して、こちらに伺ったわけですから今更私ではないと言い張るわけにもいきませんよね。
私は皮肉を込めながら薄笑いを投げかけた。

すると、目の焦点が合っていない担当官は調書の一部を取り上げて、これはおかしいのでもう一度確認したいと言った。
これに記載のある、無意識にスピードを出したとあるが、これだと裁判官に印象が悪い。
何故なら、速度表示を見落としているのが明らかなので、無意識というのはよくないから訂正しましょうと言ってきた。

ご丁寧に訂正してくれるらしいと思った。
しかし、よくよく考えてみると無意識だった場合には判決が出しにくいのではないかと思った。
あくまでも、法定速度を認識している上で、急いでいたので速度超過をしてしまった。という自覚のもとで略式裁判をしたいらしい。
私は時間が長引く方が嫌だったので、すんなり彼のシナリオに同意した。

これで終わると思っていたら、次に裁判担当職員の面談があると言う。
実際の裁判と違い、略式なので裁判官に会うわけでなく、担当者と事実関係を確認した上で罰金の金額を言い渡して納付する算段らしい。

担当者と面会すると70キロ超過なので、最高額の10万円になるだろうと言われた。

これまで要した時間は3時間、待っている時間が大半で何の為にこんな儀式のような事をやっているのだろうか怒りが湧いてきた。

最初から罰金は10万円になるからいついつまでに払えとか、行政処分と同時にやれば済む事なのに、わざわざ面倒なプロセスの仕組みになっている。

例えオービスで顔が隠れていたとしても身体の一部が写っていれば、現代の技術からすれば容易に本人だと認識出来ると、担当者は豪語していたのだ。

まるで遠山の金さんの如く、桜吹雪を披露すれば全て解決、言い逃れは出来ないはずである。
もはや、税の無駄遣いとしか言いようがない。

結局、免停の期間が何日になるのかは解らず仕舞い。
御達しがある迄は運転出来るが、所詮は先延ばしに過ぎず、早くお裁きをして貰いたいものだ。

こちらは実質2ヶ月は覚悟している。
せっかくの秋のシーズン、バイク乗りは棒にふることになりそうだ。

共同体組織と機能体組織

企業の盛衰という本を読みかえした。
堺屋太一著の約20年前に出版した本である。

ちょうど会社の直面している問題にタイミングが合った。

本の題名通り盛んに発展するか、衰退して滅びていくかの分水嶺に位置している事になる。
創業して22年目に入り、業績も順調な推移でここまで来ている。

しかし、これから始まる大変化に伴いチャンスが到来すると確信している。
一方で、方向を見誤れば当社のヴィジョンが絵空自になるばかりか、現状維持のまま進めばチャンスはおろか、時代の変化に対応出来ずに衰退の一途をたどるに違いないと感じる。

今はちょうどその分水嶺にいる。

私の直感が無意識に行動を促しているようだ。

本によれば、組織は大きく共同体組織と機能体組織の2つに分かれるそうだ。
共同体組織とは家族や地域コミニティのような内側に目的をおいている組織で、属する人達の心地よさや安住感を重要視する。

一方で機能体組織の目的は外にある。
社会に貢献するとか、お客さまの喜びや満足度の優先順位が高く、達成感の矢印を外に向けて業績を達成する文化が根付いている。
共同体組織のそれとは、あくまでも手段であり目的ではない。

このロジックを当社に当てはめた場合、圧倒的に共同体組織の色が濃く映る。

ヴィジョンは何年も前から掲げている年間家賃収入100億円、地方から日本を活性化するなどの外に向けての目標があり、それに向かって毎期経営計画を立て業績に挑戦してきた。

しかし、業績を達成するよりも、組織の居心地を優先したり、変化をあえて避けた部署の移動
などは実施してこなかった。
まさに共同体の特徴が如実に感じられるのが、中途採用で入社した社員のインタビューから明らかになる。

彼らは総じて、家族的な風潮があり変化を嫌うあまり保守的になり、新しい提案が受け入れにくい印象を強くもつ。
新しい事にチャレンジするよりも現状の体制を維持する方に優先順位を高くおいているようだ。
長い歴史の中で自然に出来てしまったらしい。

これは、私の頭の中に最大の原因がある。
私自身が作り出した文化であるからだ。

今は入社して10年近くなる社員も入って間もない頃は、なんてゆったりした感じで競争とか、達成するような雰囲気とは一線を画す印象をもち、驚くと同時に不安にすら思う人もいるようだ。
ビジネスモデルを家賃収入にこだわるストック型にし、安定している一方で安定を超えた安心感みたいな、お役所的な少し違うマイナス波動が危険を察知させている。

それをいきなり機能体組織に移行するわけではない。
あくまでも目指すところは中庸で、共同体と機能体のちょうど真ん中に位置するような組織を作りたいと考えている。

時にはドラスティックな部署移動だったり、ある事業部を手仕舞いしたり、本社移転だったり
組織を揺さぶるような変化をつけながらも、共同体組織のよい部分を残していければ、これから始まるチャンスを掴み、ヴィジョンを達成して社員全員が世間に誇れる会社になり、採用活動も優秀な人材が自然と集まる組織になる。

企業としての器が大きくなるトランジションのタイミングのようだ。