共同体組織と機能体組織

企業の盛衰という本を読みかえした。
堺屋太一著の約20年前に出版した本である。

ちょうど会社の直面している問題にタイミングが合った。

本の題名通り盛んに発展するか、衰退して滅びていくかの分水嶺に位置している事になる。
創業して22年目に入り、業績も順調な推移でここまで来ている。

しかし、これから始まる大変化に伴いチャンスが到来すると確信している。
一方で、方向を見誤れば当社のヴィジョンが絵空自になるばかりか、現状維持のまま進めばチャンスはおろか、時代の変化に対応出来ずに衰退の一途をたどるに違いないと感じる。

今はちょうどその分水嶺にいる。

私の直感が無意識に行動を促しているようだ。

本によれば、組織は大きく共同体組織と機能体組織の2つに分かれるそうだ。
共同体組織とは家族や地域コミニティのような内側に目的をおいている組織で、属する人達の心地よさや安住感を重要視する。

一方で機能体組織の目的は外にある。
社会に貢献するとか、お客さまの喜びや満足度の優先順位が高く、達成感の矢印を外に向けて業績を達成する文化が根付いている。
共同体組織のそれとは、あくまでも手段であり目的ではない。

このロジックを当社に当てはめた場合、圧倒的に共同体組織の色が濃く映る。

ヴィジョンは何年も前から掲げている年間家賃収入100億円、地方から日本を活性化するなどの外に向けての目標があり、それに向かって毎期経営計画を立て業績に挑戦してきた。

しかし、業績を達成するよりも、組織の居心地を優先したり、変化をあえて避けた部署の移動
などは実施してこなかった。
まさに共同体の特徴が如実に感じられるのが、中途採用で入社した社員のインタビューから明らかになる。

彼らは総じて、家族的な風潮があり変化を嫌うあまり保守的になり、新しい提案が受け入れにくい印象を強くもつ。
新しい事にチャレンジするよりも現状の体制を維持する方に優先順位を高くおいているようだ。
長い歴史の中で自然に出来てしまったらしい。

これは、私の頭の中に最大の原因がある。
私自身が作り出した文化であるからだ。

今は入社して10年近くなる社員も入って間もない頃は、なんてゆったりした感じで競争とか、達成するような雰囲気とは一線を画す印象をもち、驚くと同時に不安にすら思う人もいるようだ。
ビジネスモデルを家賃収入にこだわるストック型にし、安定している一方で安定を超えた安心感みたいな、お役所的な少し違うマイナス波動が危険を察知させている。

それをいきなり機能体組織に移行するわけではない。
あくまでも目指すところは中庸で、共同体と機能体のちょうど真ん中に位置するような組織を作りたいと考えている。

時にはドラスティックな部署移動だったり、ある事業部を手仕舞いしたり、本社移転だったり
組織を揺さぶるような変化をつけながらも、共同体組織のよい部分を残していければ、これから始まるチャンスを掴み、ヴィジョンを達成して社員全員が世間に誇れる会社になり、採用活動も優秀な人材が自然と集まる組織になる。

企業としての器が大きくなるトランジションのタイミングのようだ。