経営者タイプ

何か詰まっている、もっと伸びてもいい素養があるのに。
彼はポツリと言った。

組織を考える時にトップが全てにおいて原因している事に行きつく。
つまり、詰まりの要因はトップにあるのだ。

その本質をズバリ見抜いた人物がいる。

通称イトゥ、観察力が卓越している。

大宮本社を訪れた際にも本質を見抜き、本社移転のきっかけに導いた男である。

約4ヶ月コンサルの付き合いで確信を持ったようで、私の詰まりが何かを見抜いていた。
それは非常にシンプルで経営者のタイプにより経営手法が違うように、タイプと経営手法がマッチしているかどうかだ。

それが、私の場合マッチしていなかったのだ。

ボトムアップの組織にするべく、私は二歩も三歩も引く立場として経営していた。
それは、既存事業が軌道に乗り始めた6、7年前からだろうか。
従って、それまではトップダウンによる経営手法をとっていた。
そのトップダウンが私の経営者タイプのようで、ボトムアップ型組織を率いるタイプではないことに合点がいったのだ。

イトゥはこうも表現していた。
私と同じタイプでスター型だと。
つまり、会社としてもっと前に出て目立つような振る舞いや経営手法にチェンジする必要があると言う事だ。

最初の3割は自ら現地、現物、現場で事業を育て、あとの7割を引き継ぎ、それを繰り返すことで事業、組織を発展させる手法が最も適しているようだ。
例えるなら、畑で野菜を育てるのに種まきから苗に育て更に成長した3割位でバトンタッチするイメージである。

翻ってみると、新規事業でボトムアップ型でやっていた部署は、うまく行っていないのがわかる。
つまり、最初の3割もボトムアップにしていたからだ。
自分の認識では、トップダウンよりボトムアップ型組織の方が望ましいと思っていたからだ。
しかし、タイプに合った経営と理想とする経営は区別するべきで、これまでは混同していたに過ぎない。

ボトムアップ型組織を率いるタイプとして理想な人材も当社にはいる。
私がトップにいる限り会社に反映するのはトップダウンしか発展しないようだ。
最初の3割をスターが担う。
そこにはマネージャーやサポートチームが存在するのは必然で、クリエイティブの資質を兼ね備えた人物である必要はない。
そのような人物は既存事業をアップデートする役割になるだろう。

このように、イトゥの本質を見抜く力により自分のタイプを認識できた。
詰まっていた要因が明らかになり、本社移転を機に明るい色彩を用いたり、オシャレなデザインのオフィスを解放するなど、振る舞いをもっと目立たせる事で私の本質キャラをもっと前に出していく事になるだろう。

これから始まる5つの事業コンテンツをゴリゴリ前に進め、3割でバトンタッチする事で、ヴィジョン実現に導いていきたい。

創立記念パーティー

盛大なパーティーだった。
A社20周年記念を祝い新高輪プリンスホテル飛天の間に850人が集まった。
立食かと思いきやテーブル席が用意された他、フレンチフルコースでもてなす気の配り様は大胆かつ繊細なおもてなしだった。

A社代表はそもそも派手なパーティーを好む御仁ではなかった。
上場記念の時もホテルの小さな部屋で数十名でお祝いした事があって、盛大に多勢集めてイベントをすると聞いた時に少々違和感をもった。
先週、シンガポールで一緒だったのでそこを聞いてみた。
すると、最初は全く考えていなかったが、社員の事を考えたうえの結論だったと言っていた。
参加者の中には取引先を含め、オーナーや業界関係者の親しい人々が800人近く集まるのだから、社員の士気も高まるだろう。

フリーアナウンサーの魚住アナが司会で登場してくると、A社の歴史が映像で紹介された。
私は当初から付き合いがあったので、ゼロから始めて20年でここまでの規模にした功績は偉大である。
その原動力となった要因のエピソードが紹介された。

来賓の挨拶として登場したS社代表の話からそれが見て取れた。
A社、S社の他にH氏の3人がブラザーと呼ばれていた20年前頃の話である。
町の不動産屋の仲間として親交を深めていた3人の中で、H氏が突然俺は上場すると言い放ったそうだ。2人はそんな事出来るわけないじゃないかと、一笑に付したそうだったが、翌年にはS社が上場を宣言し、その翌年にA社も宣言して、結果的に3社とも上場を成し遂げたわけだから、稀に見る仲間同志のシナジーである。
このように刺激しあい、仲間からライバル関係に発展していくプロセスが業績を伸ばした最大の要素だと思った。

仲間が3人上場を宣言し、時期は異なれど高い目標を達成できたのは、本人たちの能力や努力は勿論のこと、それに付随した要因として、互いに自己を高め刺激しあう関係、切磋琢磨する相手があっての事だと思う。

自分より少し上の実力の人と付き合うのが、最も自分を伸ばす原動力になると聞いた事があった。
その実例として正に3人が証明して見せてくれた。

私のテーブルで隣になったK社の代表もしみじみ言っていた。
昔はみんな町の不動産屋だったんだと。
K社は創業35年のベテラン経営者だが、100名近くの社員が定着率よく元気なイメージがある。
何周年記念なんてやったことねえよ、代表は甚だ興味はないようだった。
仕事が好きな御仁で、パーティーを中座して現場へ向うため会場から姿を消した。

これは人の価値観だと思うが、我が社はまだ一度も創立記念をやった事がない。
8年後の30周年はやってもいいかと考えている。

A社の10年後はディズニーランドを貸切るそうである。

ストレージアジアinシンガポール

2016ストレージアジアエキスポがシンガポールの会場で開催された。
ストレージとは、トランクルームなどの収納スペースを貸し出すビジネスで、アジアを中心としたストレージ事業者がシンガポールに集結した。
日本の事業者は、ストレージ協会の理事が10名ほど参加をした。
私もその1人でエキスポを体験してきたが、シンガポールは初めて行く国だった。
隣のマレーシアには何度か行ったが、すぐ近くのシンガポールは、金融を中心とした富裕層が集まる国としての認識があった。
思いのほか、高温多湿で長期間の滞在となると躊躇しそうな気候であった。
今はシンガポールのシンボルとなったマリーナベイサンズは金融中心街や商業施設エリアからも、その存在は圧倒的であの発想は誰が設計したか、興味を引くほどのホテルだった。
一方で、中に入ってみるとフロント近くにはたくさんの人達で賑わっていた。
中国系人種が圧倒的で中東からの人達も目立っていた。
ブランドショップが数百と並び、誰がこんなにブランド品を買いに来るかと思うほどのスケールで、もはやブランドに全く興味のない私はバブルに踊っている連中が浮き足立っている姿にしか見えなかった。

しかし、会う人が口を揃えて言うのは、景気の減速で中国人を中心にバブルがはじけて、ピークに比べると観光客はかなり減少しているそうだ。
エキスポ会場でも一応に景気の減速感を訴えていた。

カジノの賑わいも今ひとつエネルギーが感じられなかったし、定番のブラックジャックを勝負したが、誰もいないテーブルではディーラーも冴えない姿で待ちぼうけ。
やはり、テーブルは人数が多くないと勝負としてはつまらない。
マンツーで勝負したところで駆け引きの楽しさは半減し、おまけに勝負が早いので彼らには到底かなわない。
今回は3時間ほど軽く遊んでトントンだった。

一方で、シンガポールという国の大きさは日本の淡路島に近い面積で約500万人の人口を占めている。
そこへ観光客が年間1400万人も訪れるのだから桁が違うのだ。
日本は外国からの観光客がようやく1000万人を超えたのと比較すれば、どれだけのスケールが大きいかわかるだろう。

ストレージの普及も伸びていて、平均稼働率も90%を超えていた。
最近のトピックスは消防法の規制が厳しくなり、スプリンクラーを常設することが、義務づけられているので、既存の現場でも新たに配管工事や消火設備を余儀なくされている。
また、セキュリティは日本と比べるとスペックの高さは圧倒的に違う。
入り口から始まり、通路の主要な箇所にはカメラが設置してあり、オフィスから監視できるオペレーションになっている。
日本もこれからは、セキュリティにもっと気を配り、設備をアップデートしていく必要があるだろう。

今回のエキスポを通じて感じたことは、次のマーケットとしてインドネシアやフィリピンが有望視されていること。
そして、日本では大型投資がファンドという金融システムを通じて、マーケットが大きく変化していくと思われる。
日本は小さいプレーヤーが多く、これらが集約化していく流れは明らかなようだ。

テーマは大型化とセキュリティだ。

田植えスタート

天水棚田再生プロジェクトによる田植えが行われた。
5/7,8日の2日間で都市部から天然村に約60名が集まった。

地域の人達との共同による取り組みは、初日の模様が読売新聞地域版に紹介された。
民間企業と地域が連携した地域活性化の取り組みは珍しいようで、参加者の方々が地域の人達と交わる機会としては、田植えというイベントは最良のようだ。

手植えの伝統技法を学びながら、互いにコミニケーションが広がり、非日常の田んぼに入る体験を通じてオープンな関係を構築出来るので、地域と馴染む最初のきっかけには本当に有効な手段と言えるだろう。
記者の方も一緒に田植えをやって、この取り組みに評価をいただけたようだ。

地域の方々も耕作放棄地だった棚田が復元出来るという事で、非常にモチベーション高くやっていただいている様子であった。
彼らも都市部からの人達とのコミニケーションはなかなか機会もなく、誰かを指導することもないだろう。
お互いにシナジーが生まれた素晴らしいイベントだった。

参加者の中にはドローンを持ち込んだ方がいて、田植えの様子を上空から撮影していた。
少し映像を見せてもらったが、上空からの高低差が変化する非常に臨場感あふれるものだった。
天然村のWebサイトに登場する予定だ。

機械植えの体験もあり、主婦の方が非常に上手くバランスをとりながらやっていたのが印象的だった。
私もチャレンジしてみたが、真っ直ぐ進むこと叶わず、バランスを失って倒れかける場面もあり、足がつりそうで必死の形相を気づかれまいと、ただひたすら下を向きながら痛みと戦っていた。

横浜からいらした学生の団体も、最初は戸惑いながら田んぼに入るも徐々に慣れ、最後のころは大はしゃぎで泥まみれになっていた。

お昼は天然村カフェ特性マクロビ弁当が女性に大好評で、体内から美を求めるニーズは益々高まる予感がした。
また、田舎ならではのおもてなしが地域からあった。
田舎料理を近所のお母さんが手作りで振る舞ってくれたのだ。
地元取り立てのタケノコを使った炊き込みご飯、おはぎは絶品で参加者からは大好評、私もあの味付けは和食料理界の三ツ星に匹敵する美味さだと感じた。

今回の肝は地域の方の役割分担であったように思う。
上手く連携する事で、参加者をフォローしながらも、田んぼのスペックを高める作業をしていた。

こうして天水棚田再生プロジェクトは第1回目の田植えをスタートした。

試験稼働開始

国内最大規模の商用向け循環型有機農法「アクアポニックス」が天然村で試験稼働が開始された。
魚の養殖と青果物の栽培を同時に行う循環型システムとして地域活性化を担う仕組みになる。

スタートはナマズとハーブ類を主力商品としてラインナップされた。

先週、NHKの取材班が天然村を訪れこのシステムを撮影した。
5/4に放送される「ひるブラ」12:10から番組の中で登場する事になっている。

実際に取材班が施設を見た印象は想像していたよりもずっと大きなものだったと語っていた。
全体の水量が16トンあり、これが1時間に数回循環するのだから、迫力は充分に伝わるだろう。

主力のハーブは特殊なもので、原産地がインドでクリシュナ種のトゥルシーと言われるハーブでアメリカのホーリーバジルと同一品種になる。

このトゥルシーを実験で幾つか試してみたが、効能効果は目を見張るものがあり、アンチエイジングや薬効成分もある事がわかった。
7月にはある機関で臨床試験を実施して、成分が明らかになった場合、是非とも計画栽培をして欲しいとの依頼もある。
また、加工商品として天然村ブランドの商品開発を実施する。
これらをイベント化して地域交流の場にする事で活性化していくプランだ。

お試し田舎暮らしを体験出来る施設として誕生した天然村は、実際に何をやっているのかという声をたくさんいただいて来たが、このアクアポニックス商用システムが本格稼働する事で明確になってくるだろう。

実際に2拠点居住や移住をする際に最大の障壁となる職に繋がる仕組みが実現する。
また、地域の一次産業を営む人々にあらたな場を提供する事も可能になる。

イコムヴィジョン、2拠点居住の天然村を通じて全国の地方から日本を活性化する、この壮大なプランがフェーズ2に入った。