Paris

夜の9時を過ぎても昼間のように明るい生活に慣れてきた。
パリに来て11日になった。

100キロは歩いただろう。
1区から18区まで縦横無尽にひたすら歩きながら街を観察した。
おまけにAirbnbで借りたアパートが7階でエレベーターがない。
階段なので、夜は酔っ払いで帰ると昼間の疲れもあり、ヘトヘトになって7階までようやくたどり着く有様。
ローカルな生活を体験する目的だったが、次回は普通にホテルにしようと心に決めた。

それぞれ特徴のある街並みで住んでいる住民の雰囲気も異なる。
新宿や原宿、銀座といった日本の街並みと比較すると、より土地勘が掴めるようだ。

至るところにカフェがあり、テラスでエスプレッソを飲みながら新聞を読むビジネスマンや、昼間から日常のごとくワインを飲んでいる人々を見かける。

現地では、不動産のエージェントを紹介してもらい、幾つかの物件を紹介してもらった。
また、パリ日本食レストラン業界のドンと引き合わせていただき、現地での出店について留意点などを聞かせていただいた。

現状のパリは、テロやストライキ、セーヌ川の洪水による被害もあり、更に為替の変動が駄目押しとなり、景気は最悪の状況だと言う。
不動産屋から紹介してもらうより、現地の店に行きオーナーと会って直接交渉した方が早いし、物件も特定出来るので、やり方としてはアリだと教えてもらった。
その位、店を閉めたい心境にあるのが現状のようだ。

表からはまったく想像もつかないどころか、パリに集まる世界中からの人混みに、物件を探すのも一苦労だと感じていた事もあり、貴重な情報をいただいた。

幾つかの案件を吟味していたが、弱気相場から強気相場の転換期でもあるので、慌てずにじっくり探す事にした。
9月に徳島県が協賛する阿波踊りイベントがあり、日本食屋台の出店があるので、それに合わせて物件を決めたいと思う。

そして、日本食イベントに参加してきた。
パリの人々にPRする目的で、既に現地で営業している店や日本から新たに挑戦する人々もブースを設けていた。
パリの人々は日本食もさることながら、日本文化にも興味があるようで、毎年一度行われているイベントだった。

食事も現地一押しのフレンチを毎晩のように案内されたが、どれも抜群に美味しいかった。
しかし、3日位前から醤油が恋しくなりご飯と納豆と天ぷらそばが無性に食べたくなった。
夜ふらっと日本食系の店に入った時に注文してみた。
現地スタッフはフランス語か英語しか話せないが、私は構わず日本語で納豆と卵かけご飯はないか聞いてみた。
熱意を持って言葉の波動を放てば、相手には通ずるものだと確信した。

しかし、今だに食べらていない。

そして、残り3日はバカンスで南仏にやってきた。
モナコとニースを回っているが、世界中の富裕層が集まるエリアだけあり、街を歩くと美女があちこちいて、ランボルギーニやフェラーリがごちゃごちゃしている。
桁違いの金持ちが集まり、クルーザーでバカンスを楽しんでいるようだ。

住んでみたくなる街を充分に堪能したい。

最終日はパリに戻り、ユーロのサッカーを観戦する。招待されているので、興味はまったくないが行った方がいいと言われているので
イタリア対スペインを見てくる。

パリ入り

パリ入りして4日目になった。

1日に10キロ歩きながら18区ある街並みの特徴をある程度掴みかけたようだ。

徒歩と地下鉄を駆使しながらパリの名所を確認した。
ルーブルや凱旋門、エッフェル塔、オペラ座などは位置を確認したが、観光を好まない私は中に入らず知るべき場所を知るまでの事だとしていた。

意外だったのは、パリの地下鉄網が充実している事だった。
東京にも引けを取らない。
平日は3分待てば電車はやってくる。
時間も正確だし、プラットホームが大江戸線のような深い位置ではない。
あらゆる場所に行けるし、渋滞とは無縁なので、大変便利な交通手段である。

そして、今回の目的は日本人の料理人がパリで出店するのに、手軽に店が持てるお試し店舗、マーケティングを実行する期間、(1ヶ月から6ヶ月の短期間)貸し出しする場を提供するためだ。

どこに店を構えるのがベストか、先ずは街並みを知るために歩きながら地下鉄を利用したわけだ。

また、普通にホテルを取るのもつまらないので、Airbnbを利用し、移動はUberを使ってみた。

まさにパリはITテクノロジーを存分に使っている印象を持った。
日本より先んじているのは勿論、既成概念を打ち破る国民性も感じた。

特にUberはスマホを使い画面を見ながら、何処に車がいるか一目瞭然にわかる。
アプリを使い、目的地をスマホで表示すれば、2分と待たずに迎えに来て、語らずとも宿まで送ってくれる。
おまけに、タクシーより親切で明瞭会計だから安心して利用出来る。

夜の会食後の交通手段とすると、大変便利なツールとなっている。

パリの特徴の一つに、夜の9時になってもまだ明るく、日の入りが10時過ぎになるので、1日がとても長く感じられる。

街の特徴を掴んだので、明日からは具体的に現地の不動産会社から案件の紹介を受けて、現地を視察する予定である。

銀行訪問

この時期になると各銀行から連絡が入る。
毎年決まって決算書を確認するために担当者から来社アポの依頼が入る。
銀行からの融資を受けている企業は、どこも同じような状況だと思う。

しかし、今回は担当者に会社に来てもらい決算書を渡すのではなく、私から銀行へ訪問する事にした。

私から銀行に出向き、担当者と支店長同席の場をセットして決算書の説明をする事にした。
狙いは二つあった。

一つは、支店長に直接決算内容を伝えることで信頼性を高めること。
二つめは、私個人の連帯保証人を外してもらうため。
今年は7行の銀行を訪問した。

率直な印象は各銀行によって支店長の資質がまったく違う事である。

優秀だと感じた支店長が何名かいたが、私の知らないうちに転勤になっていた。
銀行からはご挨拶があったようだか私が忘れていたのかも知れない。

やはり、自分の考え方をしっかりアウトプットでき、それを実行している支店長は短期間で栄転になるようだ。

ある銀行の支店長もその1人だった。

収益化する手法を自ら実行して生み出している。
預金を預かる、貸し出しをする、手数料収入を得る、だいたいこの3つが銀行の回収エンジンだが、支店長の裁量で大きく稼げるのが、貸し出しをする分野だ。

この人が実践しているのは単に企業に貸し出しするのではなく、稼げる対象に絞って自らプランしたものを企業に提示してシナジーを出すやり方をしている。
詳しい内容は書けないが、ポイントはわからない分野は勉強して聞きに行ったり情報を現場から集めている点である。

この方も近く栄転する事になるだろう。

そして、二つめは代表者連帯保証人を外す交渉の場面である。

お上からの通達で経営者ガイドラインなる制度がある。
それは、経営者が再復帰出来るように、巨額な融資対象金額を代表者個人が保証する従来の慣習を改める目的である。

そもそも、万一会社が返済困難な状況になったら、私個人が返済出来るだろうか。
いや、その場合はおじゃんで手仕舞いするしかない。
連帯保証人となっている私は返す当てなどあるはずもなく、必然的に自己破産になるわけだ。

従って再起は困難になる。

路上生活者になって缶からを集めるか、ゴルフ場の池に潜ってボールを拾うぐらいしかないだろう。

そんな状況にならないよう、お上の計らいで銀行は月に一度の報告が義務付けられている。

しかし、現場の意識は少々違っている。
当然と言えばそうだが、お上は通達を出すだけで責任は現場にあるからだ。

私が決算書の説明を終え、ガイドラインの話に切り替えると、相手の表情が険しくなるのが見て取れる。
各行ともに概ね変わらない表情だ。
一度協議をしてから改めて連絡するとの決め台詞を硬い表情で説明する。
今まで和やかな雰囲気だったものが、急に変わるのでその様を観察するのが面白くなってきた。
私は淡々とガイドラインに沿って保証人を外して下さいと伝える。
ガイドラインには適合しているので普通にしているだけだ。
お願いするような姿勢ではなく、制度の目的に沿って実行してもらう事を依頼しているに過ぎないからだ。
しかし、銀行とすれば内部の申請やらで面倒な事務作業が増えるだけで、メリットは何もないから仕方がないだろう。
勿論、ガイドラインに適合していない企業の場合はハッキリ断るそうだ。

時代の流れは稼ぐビジネスに対してどれだけ先見力があるか、銀行の判断基準も加速度的に変化している。

民衆の力

私はアニメ番組、ワンピースの大ファンである。

物語の構成が歴史を描写していて、社会問題に焦点をあてた隠れた見方があると友人から聞いた事があった。
それは、まさしく中国の文化大革命の民衆の力を描写していると感じた。

ドフラミンゴとの決戦が始まり終結するまで、TV放送の期間で約1年は要したのではないか。
本当に長く感じられたし、この感じでいったら最終回まで80歳を超えてしまうのではないかと思ったくらいだ。
どこまで引っ張るのか半ば呆れながら見ていた感があるが、今日の番組でようやく次の展開に移る場面になった。

それと同時に、この物語で隠された歴史的な背景から社会問題を捉えているシーン、民衆の力が見事に描写されていた。
凄い世界観で描かれたアニメであることを今日の番組で痛感した。

まさにそのシーンが、海軍大将の藤虎が桁違いの能力で麦わら軍団を打ちのめす場面があった。
万事休すかと思われた瞬間、大量の民衆が押し寄せ、麦わら軍団を救う行動になった。
つまり、政府の力が及ばずに、民衆の力が遥かにそれを凌駕して、力関係が逆転してしまったのだ。
それはまるで、中国の文化大革命を描写したものではないかと思われる。

最近の中国情勢を専門家から聞く機会があった。
人肉検索という初めて聞くワードだった。
それは、インターネット上で貧困層の大勢の民衆が役人や政府関係者の私腹を肥やしている実態を発見すると、一斉に個人情報が公開され、晒し者にされるばかりか家族にまで影響を及ぼすという。
つまり、貧富の格差が生み出した歪みが徐々にネット上に現れてきているのだ。
中国の役人連中は賄賂が常識になっていたのは知っていたが、桁違いの金額になっているのは聞いてビックリした。

人肉検索という形で民衆の力が圧倒的な影響を及ぼしているのだ。
もはや、政府は統制が及ばないどころか、文化大革命の再来を危惧しているのが実態である。

それはまさに、ワンピースで藤虎率いる政府が海賊軍団を打ちのめす瞬間に民衆が立ち上がり、無力化してしまった今日の番組が描写している。

そして、いよいよ麦わら軍団が次の大敵となる四皇のカイドウとの決戦場面になる。

次はどんな世界観で捉え社会問題を描写するのか興味が尽きない。