エコミュージアム

函館空港に降りついて大沼方面へと向かった。
函館は20年ほど前に北斗星の寝台車に乗って来た思い出があるが、北海道と言えば新千歳空港を利用するのがお決まりになっていた。

今回の目的は牧場視察で、現地スタッフの方が空港まで迎えに来てくれた。

馬の専門家Y氏と連携し天然村の取り組みの一つである、耕作放棄地の活性化に馬を取り入れた様々なプログラムを展開するため、本丸の北海道に来たわけである。
プロジェクトメンバーでもある著名人M氏、K氏とも現地で合流した。

現地に到着すると、自然の中に広大な牧場があり、それを見守るように駒ケ岳がそびえ立っている。
そのロケーションはまさにエコミュージアムであり、馬と自然のコラボレーションが圧倒的な存在感を放っている。
スケールが桁違いに大きく、ロッジや厩舎が調和している素晴らしい牧場である。

それは、先月視察に行ったサンフランシスコの牧場とは次元がまったく違っていた。
決定的な違いは自然であり、空気である風情が心地良さを感じさせてくれる。
この辺りが日本の強みであろう。

以前、この土地は地域活性化の取り組みとして、JR北海道がゴルフ場を兼ねたリゾート施設を段階的に進めていたが、思わしくなかった為に計画が途中で頓挫し、M氏による牧場活性化プロジェクトになった経緯がある。

この景観そのものが美術館としての価値を見出している。
これは天然村での取り組みに非常に参考になった。
何よりも私のイメージがくっきりと映像化出来た事に大きな成果があった。

また、今回の馬トレーニングで新たな洞察があった。
馬の性質は媚びないこと。これは犬や猫とは決定的に違う点である。
犬や猫はシッポを振ってじゃれてくるに違いないだろう。
しかし、馬は人間の個の性質として識別するわけでなく、動作や雰囲気を感じ取って認識する。
つまり、餌を上げたり撫でたりしても彼らはなびかない。
コツを掴むまでは思い通りにならないのだ。

私の馬もまったく媚びないので、目的の場所まで手綱を引いて到着するまで悪戦苦闘する始末。
おまけに足を踏まれ、激痛が走るも馬はそっぽを向くばかり。手綱に力を込めて引っ張るが馬の力で跳ね返され、完全に馬になめられている状態。

私はついにキックボクシングで養った左フックを顔面にお見舞いしようと思ったぐらいだ。

そんな試行錯誤を繰り返しながら馬と仲良くなるスキンシップの時間を過ごす。

夜の食事は白樺の樹液を出汁に使った豚しゃぶが美味しかった。
新鮮な野菜といっしょにいただいた。
また、ランチに食べたビザが劇的に美味しかった。
生地は近所の農家からの小麦を使いトッピングはナスやトマト、キノコ類もオーガニックで新鮮なものが盛りだくさん。
こんなピザは初めてだった。

今後の展開を考えるとこれらの要素を取り入れながら、連携によるシナジーを出して行きたい。

その時は馬の扱いにも慣れているだろう。