やってくれる意識

あっ、真実が垣間見れた瞬間だった。
M氏と話しをしている時に感じた。
まったく無意識の領域だったが、言われてみれば確かにその通りだと思った。
何気なく普段無意識でやってしまっている事に気づく。

その観点からすると、子供に対してやってくれる意識を持たせてしまっている。
日常生活での食事や掃除、洗濯、学費やお小遣いもそうだろう。
一方通行だと相互関係が成り立たなく、流れが循環しない。
自然とやってくれる意識が定着してしまう。

子供の頃は、買い物に行かされたり、掃除や何かの用事を足す事をやらされていた。
もう少し昔の世代になると、新聞配達だったり家族の収入を補う働きをした人もいた。

M氏は病院で実験的に試したある事を話してくれた。
病院食は看護婦さんが病室まで運んでくれる。
患者はそれを無意識でやってくれる事が定着している。
この相手の意識を治す事が肝要になると言う。

そこで、バイキング方式を取り入れて中華料理の油を使った濃い調味料で美味しく仕上げたバリエーションある料理を提供する仕組みを導入した。
バイキングなので、病室から出て食堂まで行って、料理をチョイスして運んで食べるというプロセスを踏む事になる。
味が薄く食欲をそそるに足らない病院食を食べさせられるより、味は濃く美味しく自ら選択した美味しい料理を食べに行った方が早く回復して退院出来るそうだ。

中には食堂が閉まる10分前に看護婦さんが病室まで行って声をかけると、慌てて食堂へ行く患者もいると言う。

やってくれる意識から、自分の意識でやる事で循環の流れが生まれ、お互いにエネルギーの交換がなされ、健全な関係が構築される。

これは、家族や会社にも同じ事が言えるだろう。
親や会社の上司がやってしまい、子供や部下がやってくれる意識を定着させてしまう事など、しばしば見かける。

更にM氏は通勤時間ピークのバスで車椅子に乗った人に怒涛の如く叱りつけたそうだ。
貴方が乗ったおかげで、4、5人分の席を奪っている。
ピークの時間をずらして乗るとか、当然のように障害者へやってくれる意識をもっているのはけしからんと言うと、周りの人達も非難の視線を放つようだが、やはり真実はそこにあるように思う。
社会的弱者と呼ばれる人達も、一方通行ではなく自分でやる意識を持つ事が循環を促進すると言えるだろう。
M氏のような勇気ある行動はなかなか出来ないが、真実を物語る姿に感銘を受けた。