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社長ブログ2017.06.11

いぶし銀

昨年よりご縁が出来た不動産業を経営しているH氏を訪ねた。
井の頭線の駒場東大前からすぐ近くにあるオフィスは、緑に恵まれた高台にあった。
屋上からは渋谷市街が一望出来て、多摩川の花火見物もビールを片手に楽しめるような場所だった。

H氏が購入したあと、空室だった部分をご自身で使い、その他は貸している大家業を主体としての商いをしている。
他に幾つもお持ちのようだが、その経営手法は何ともいぶし銀的なH氏独特なやり方をしている。
それを象徴しているのが、家賃を自ら集金していることだ。
それこそ、30年位前は家賃を持参する入居者もチラホラ見かける程度だったが、今となっては皆無だろう。
この時代に家賃通帳を片手に印鑑を持参して、家賃を払ってもらうとハンコを押すという、昔ながらの制度を設けているだ。

H氏のいぶし銀が際立つ場面は、ただ単に集金するだけではなく、相手に手土産を持参したり、世間話をしながら相手の困っている事を聞いてあげたり、仕事の微妙な変化をヒアリングしたり、挙げ句の果ては、知り合いの家に間借りする事になり引っ越そうとしている入居者を説得したり、もうそれは稼働率を高く維持するための努力を惜しまないのだ。

それは、ただ単に見えない大家に対する無味乾燥な関係ではなく、人情だったり粋なHという人柄を売っていて、それに惹かれる入居者とのカスタマーリレーションは、まさにいぶし銀を発揮しているのだ。

いぶし銀と言うと、スポーツの世界ではベテランならではの技術だったり、読みだったりを比喩する表現として使われる印象があったが、まさか仕事でお目にかかるとは思わなかった。

H氏曰く、100世帯まではこれでいくと宣言していた。
70歳を過ぎた御仁とは思えぬバイタリティーは、更にいぶし銀に磨きがかかり、まだまだ高みを見据えた目標に向かって日々研鑽する姿勢に思わず眩しさを感じていた。

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