GSIX

銀座最大の商業施設として、鳴り物入りでオープンして3カ月になるギンザシックスを訪れた。

入り口から広がる吹き抜けは最上階へとつらぬいていた。
ゴージャスな印象だが、表参道ヒルズのそれとは異なり経路がやや複雑だった。
全体で6フロアからなるが広さは断然GSIXが上回っていた。

30代から40代前半のセンスのいい大人の女性をターゲットに絞っただけあって、すれ違う度によろしからぬ欲を捨てるのに苦労していた。
それは流行を知った、ここでしか手に入らない最高のクオリティを求め、颯爽と歩く姿に自然と目が止まるのは致し方ないだろう。

一方で、相変わらず目につく中国人はここでも目立っていた。
あるショップで見た光景が彼らを象徴していた。
おもむろにバックから取り出したのは札束だった。
二束から数十枚数えながらお会計する姿は、ドヤ顔そのもので存在感を示すには十分過ぎていた。
それはまるで平成のバブル期に歌舞伎町で飲み屋をはしごする地上げ屋の姿のようだった。
そろそろ、中国人も次のステージに行ってもらいたいものだ。

最上階にある蔦屋書店は圧巻で、アートにあふれた空間はまさに異次元、これほどの広さとクオリティを備えた空間は、そこにいるだけでルーブル美術館を凌ぐかの印象を受けた。
同じフロアには多様性に富んだレストランが広がっていた。

特に目を引いたのが、カウンタースタイルで軒を連ねるのれん街、銀座大食堂だ。
大ホールには、日本各地から集まった選りすぐりの銘店、独創的な創作料理は日本の食、文化、エンタテインメントが一堂に会していた。
そこには、談笑する人々で賑わっていた。
何と豊かなんだろうと思った。
これだけのクオリティを揃えた食の空間が世界であるだろうか。
本当に日本は豊かな時代なんだとつくづく感じた。

銀座から有楽町、そして丸の内までの地下を含めたレストランの密度は間違いなく世界一だろう。
明日から毎日一件づつ食べ歩いても生きている間には到達しそうにない。

ベネチアの小さなカフェ

パリでの仕事を終えてベネチアに入った。

今回の目的は都市計画と街並みを観察するため、通訳には次男を連れてやってきた。

陸路の移動はボートや船、あるいはかなり遠回りになるが徒歩が基本で、車の出入りは不可能、自転車も禁止になっている。

滞在中はほとんど歩いて移動したが、極めて複雑な経路になっていて、地図がなければあっという間に迷子になってしまう。
実際に勘を頼りに歩いて見たが、5分と経たずに迷い込み、同じような景色に何度も行き止まりで引き返し、川を挟んで道行く人々を見ながら呆然と立ち尽く場面も度々。
まさか、これが都市計画なのかと思ってしまうほどの袋小路の多さで、おまけに川の幅も狭いところで1メートルほどしかない。
そこを水夫の連中は熟練の技で颯爽と駆け抜けていく姿はさすが、絵になっていた。

暑さと歩き疲れて途方に暮れていた時、ある小さなカフェに入った。
ピザとオレンジジュースで5ユーロ、コスパ良くピザのスペックの高さに驚いた。
パリと比較すると断然イタリアに軍配があがる。
パリは決して食の分野で感動する場面がなく、クロワッサンくらいで、あとは基本的に高い割には大したことはなく、極めてコスパが悪く感じる。
現実にイタリアからパリに5ユーロで食べられる店がちらほら見受けられるようになって、行列が出来ているのを見かけた。
そう言う意味でも食で勝負するには、パリは充分勝機はあるだろう。

北に移動するため、レンタカーを調達して帰ると財布がないことに気づき、はっと車の中に置き忘れたと思いきや、ショップも閉店時間を過ぎ、鍵はキーボックスに入れてしまい、途方に暮れていた。
今夜の飯は駄目かと諦めかけたとき、あの小さなカフェを思い出した。
早速行ってみると、中国系イタリア人は英語もままならない中、こちらの必死の形相で英語か日本語かよくわからないジェスチャーで説明するのを見て、ようやくわかったようで今はお金が無いが食べさせて欲しい、明日必ず返すから信頼して欲しいと、こちらが訴えかけるのを理解してくれた。
もはや、次男もこれで通じるのかと呆れ顔、しかし、ベネチアの小さなカフェの温かい心に感謝の念を込め、美味しい食事とワインを楽しんだ。

意識

ANAインターコンチネンタル東京の会場は熱気にあふれていた。
受付には長蛇の列、事前に手続きを済ませていたとはいえ、これだけのエネルギーの場になっているとは驚いた。

ソラコムの2017カンファレンスに参加した。
IoT通信プラットホームのベンチャーとして急成長している注目企業である。

赤坂T-timeでスマートロックを採用した際、SORACOMのシステムを初めて採用した。
遠隔でドアの開閉ができるため、スマホから操作すれば、どこにいても鍵の施錠ができる。
現在、無人でT-timeの運営をテストランしている。

今、パリに来ているがスマホからワンタッチで赤坂のドアが開くのだ。
フランスから東京、あるいは世界中でそれらが実現できる時代になった。

それはまるで魔法使いが現れ、IoTという新たな魔法を使って、時代が劇的に変わろうとしているかのようである。

今回のイベントに参加して、更にそれを間近に感じた。

3つあげるとすれば、意識、繋がり、仕組みだろう。

参加者の意識が極めて高いのがわかる。
それは、新しいチャンスをものにしようと、貪欲な姿勢が見てとれ、ゴールドラッシュの波に乗ろうとする力強いエネルギーを感じた。
みずほ銀行やパナソニックのような大企業がベンチャー企業と組みたいと、いや、組まないと波に乗り遅れ姿が見えなくなる危機感さえ、そうさせる力学が働いている。
もはや、我々が起業した時代とは、確実に次元が異なり上昇していると言える。

プラットホームとは、一人勝ちの世界とは対局にあり、Win-Winの関係を構築するので、とてもスマートな状態を維持しながら、互いに成長出来る機会に恵まれて、強い繋がりをもたらしている。
SORACOMのプラットホームから様々な企業がそれを実現していた。

最後にビジネスモデルになっているSIMカードを使った通信システムを構築したこと。
スタートアップからのスピードも凄いが、アップデートの早さも眼を見張るものがあり、
組織の意識が普通とは明らかに違っている。
それは、シリコンバレーのスタートアップ企業文化に似ていて、こんな夢のある会社で仲間として加わりたい、組織の一員になって新しい時代を駆け抜けたいという、強い意識が働いている。

まさに、ONとOFFのない会社としての機能を有していて、仕事とプライベートの区別がない状態で、彼らの次のステージはハワイでバカンスを楽しみながら、スマホ一つでプールサイドから仕事をしている姿がイメージ出来る。

こんな夢のある会社で、一緒に働きたいという意識を持つ人たちが、新しい時代を創っていくだろう。

我が社もそうありたいと思う。

世界一美しい海

あらためて沖縄の底力を感じた。
高次元科学を学ぶ仲間たちと八重山諸島を訪れた。
新石垣空港の玄関口を通じて、石垣島、西表島の各スポットは、世界に誇る素養がたくさん詰まっていた。
この地域の宝は海だった。
それは、世界一の美しさと珊瑚と魚のコラボレーションにある。
特に幻の島は世界に類のない美しさ、それはまるでおとぎ話の竜宮城に出てくる絵に描いたような圧巻の域にあり、世界中どこを探しても見つけることはないだろう。
モルディブ、グレートバリアリーフ、ハワイ、ランカウイ、ロンボックなど世界を代表する海の美しさを上回っていた。

決定的な証拠は船長のM氏の言葉にあった。
2年間世界一周の旅を経て、名だたる海を見てきたが、八重山諸島の海に勝る場所はなかった。
自らの足で現地、現物、現場を確認し、間違いなく世界で一番美しい海だと、真っ黒に日焼けしたM氏の高層のような悟りを得た表情から放つその言葉は、何よりも変えがたい真実を訴えていた。

その代表する西表島のフェリー乗り場には中国人が長蛇の列を作っていた。
それはまるで修学旅行の学生団体が、合同で何校か合流しているほどの規模感で、これだけの人数を収容できる宿泊施設はもはやないだろう。
よくよく聞いてみると、彼らは船で停泊しながら5日間かけて旅をしているようだ。
M氏曰く、団体で爆買いしているだけに過ぎず、真実の体験をしていないのは実にもったいないと話していた。

本当の海の美しさを体験するプランを考え、地域全体を考慮したスポットにサービスを提供することが、世界遺産登録を来年に控えた地域住民の心構えだと言っていた言葉が印象に残った。

以前、社員旅行で西表島を訪れた際はマングローブをカヌーで見て回り、シュノーケルを体験したが、M氏のプランのようなダイナミズムを感じることはなかった。
次回の社員旅行はM氏プランを採用し、世界で一番美しい海を皆んなに体験してもらいたい。

今後の沖縄は、間違いなくアジアのハブとしての役割を果たす事になるだろう。

ハビテーションスタイルの場としの提供もマストになる。