表敬訪問

赤坂プリンスホテルがザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町として生まれ変わっていた。
ビルの上層部にはホテル、レストランがあり、中層部はオフィスになっていた。
そのオフィスフロアの殆んどを占めるヤフーを訪問した。

赤坂T-timeをご利用いただき、その目的や要望を直接会って聞きたい思いがあった。
担当者と2人で表敬訪問をした。

18階の受付には多勢の人が集まっていた。
何かのイベントがあるかのような活気溢れる感じに驚いた。
外部の方々がヤフーを訪ねて、打ち合わせをするために集まる人々がこれほどいるとは、その影響力に企業の本質を見るかのようだった。

おまけに、17階のフロアはオープンコラボレーションスペースがあり、個人のコワーキングスペースとして、スタートアップのミーティング、企業のプレゼンスペースとして利用出来るのだ。
しかも無料で。
ヤフーとの取引関係が一切無く、学生から主婦でも受け入れている。
都心部に約400坪の最先端オフィス空間を全て無料開放している。
このスケールと度量に驚愕するしかなかった。

こんな贅沢な空間があるのに、なぜ故T-timeを利用する必要性があるのか、甚だ疑問に思うのは当然だろう。
担当者S氏と面談が始まると直ぐに聞いてみた。

「会社の方針として、社外に出て新鮮な空間で社員が集まってブレストする事が奨励されているんです」
S氏はさらりと言った。

さすがはクリエイティブ集団、こんなにも素敵なオフィスと言えども、慣れてしまう、当たり前の空間になってしまえば、発想も固まってしまうのだろう。

しかし、あえてT-timeを利用する理由がどこにあるのか。
S氏は知恵袋の事業部だったが、他の複数の事業部にも社内口コミで利用いただいている。

それは、以下の順に顧客の要望を満たしていることがわかった。
オシャレ、会議室のような硬さがない、面積と価格が手頃、利便性、カフェの様な雰囲気でもない空間などであった。

T-timeは、新しい発想を育む場所として選んでもらっていた。

その他、選挙向けの取材会社や写真や動画撮影会社の顧客を表敬訪問したが、何も同じ要望を満たしていることがわかった。

まさに、都心部のオシャレな空間として、自然素材を用いた木材が広がる、赤坂T-timeは他にない価値を見出している。

もっと、探求してみようと思う。

実弟

中目黒の自宅に迎えにいきゴルフ場へと向かった。
9つ下の実弟とは年に3、4回ゴルフを共にする。

鮨 早川を恵比寿で始めて5年ほどになる。
休みが日曜日のため、土曜日の深夜に店を閉めてから自宅に帰ると、ゴルフの日は3時間位の睡眠時間になる。

ゴルフ場へ向かう車中では様々な会話を楽しんでいる。
特に、鮨 早川の馴染み客の話題になると大変興味深くなる。

著名人、外国人、富裕層の顧客を持つため、実に様々なお客さんがいらっしゃるようだ。
業界では、ある程度のポジションを確立したと言えるだろう。
口コミやカード会社の推薦店になっているようで、完全予約制になっているが連日予約で埋まっているそうだ。

お客様の中にはお勘定をまったく気にしない人たちも少なくないようだ。
ある人物はアメックスカードのブラックを家族で持ち、奥さんの請求分が月に1000万円を超えるそうだ。
おまけに、カウンターにいる別のお客さんにワインを振る舞ったりするそうで、そこに嫌味を感じさせないようである。

何の仕事をやっているのか弟に質問すると、精子を冷凍する技術をもち、世界中にクライアントを持っているそうだ。
やはり、総取り出来るポジションを確立した方はお金の使い方が違うようだ。
それは、バブル期の地上げ屋のような成金の匂いを感じさせない。

弟はこのお客様から、4月の桜の時期に京都の有名店に御招待を受けているようで、ランチからディナー、お茶屋さんで芸妓No.1を呼んで遊ぶプランのようで、宿泊まで夫婦で至れり尽くせりの接待である。
何も彼に接待する必要など微塵もないが、そればかりか赤坂の某料理屋、青山の某レストランなど、業界の有名どころをご夫婦でご招待しているのだ。
もはや、桁外れの大盤振る舞いに呆れるしかない。

プロ野球選手も来るようだが、ちょっと次元が違うようである。

そのようなぶっ飛んでいるお客は数名いるようで、その世界は業界の腕利き職人を連れて、超一流と言われている店に同伴したいようだ。

それも、鮨 早川がポジションを取ったからである。
彼も人知れず努力を重ねているようで、某大学教授と組み熟成する際の旨味成分と、時間を数値化する実験に取り組んでいるようだ。

食の旨味を極める姿勢には頭が下がる思いである。

元旦のお滝行

それは、凍ったしめ縄で身体を叩かれ続けているような感覚ですわ。
あるご婦人がさらりと言った。

かつて、冷水シャワーを毎朝浴びて10年ほど過ごし、おかげでめったに風邪をひいた事がなかった。
しかし、元旦の朝7時からのお滝はそのレベルを遥かに超えるものだった。

ぶっちゃけ、前日まではご婦人の言葉が強烈な印象となって緊張していたのだ。
何故にこんな憂鬱な想いをしてまで、冬のお滝に入ろうとしているのか、刻一刻と迫るその瞬間まで問答をしているかのようだった。

本質は修行好きなのかも知れない。
自己を高める為の修練が好きなのだろう。

大晦日に現地入りした際には意外にもそんな想いは無かった。
完全に吹っ切れていて、腹が固まったようで通常の精神状態だった。

北九州の山の中にあるお滝に着いた。
介添えの人が順番に導いてくれる。
般若心経を唱えながらお滝に打たれる。
待っている間も足が冷たい水に浸したままだ。
うぅ、ぐっとくる、そして本番を迎えた。

何と声が出ない、あまりの衝撃に声が出ないではないか、、
深く入りすぎていると、介添えの人が少し前に導いてくれた。
ようやく声が出るも、早く時間が過ぎてくれないかとひたすら我慢の失態ぶり。
終わったあとは、まっすぐ歩けずにヨロヨロ状態。
しかし、直ぐにすっきりして身体がホクホク暖かくなってきた。

何とも言えない爽快感。
全てのマイナスエネルギーが洗い流され、新たなエネルギーが注入されたかのような感覚に苦しさが嘘のようであった。

ご婦人にお滝の感想を申し上げたところ、「あら、何てもったいない、早く時間が過ぎてくれと思うことは、今にいない証拠ですわ。
せっかく来たのに今この瞬間を体感しなくちゃ。
わたくしはしっかりと今にいましてよ」

ご婦人はさらりと言った。

ごもっともである。
あまりにも冷たく苦しい境地に心がそこにいなかったのだ。

今この瞬間を味わうことなく終わったお滝行、次回はこれをテーマにしっかり望みたい。

東京までご婦人とご一緒したが、やはり只者ではなかった。
何と、あのマイケルジャクソンが自宅に遊びに来て、家族でディズニーランドを貸し切った事があるそうで、世界のトップに通じたご婦人だった。

来月のお滝は冷たさがピークを迎えプロでも声が出ないようである。
しかし、介添人の方はひたすら水を浴びたまま、常人ではない凄みに驚愕していたが、さすがに終わった時は足の感覚がまったくないらしく靴を履くことが出来ない姿が印象的だった。