津波の予兆

ニューヨーク帰りの友人とカフェで話をしていた。

マンハッタンで新築したビルを仮契約していたが、最近ディスカウントしていて、完成間近でも空室が目立っている。

何故だろうか。
当初のプライス設定に問題があったのか、それとも何かが起こっているのだろうか。

数日後に別な友人が言っていた。マンハッタンのSOHO地区の空室が目立っている。

世界で一番高い不動産に変動が起こっているようだ。
それに合わせるように金利がじわじわと上昇している。
アメリカでは、借金が普通になっているので影響も大きい。
住宅ローン、車から教育に至るまで借り入れに依存しているので、08年のサブプライム問題を彷彿とさせる。

一方で日本のマーケットは都心部に関しては強気相場が続いているようだ。
友人は江東区から墨田区を買っていたが高くなり過ぎたので、今年になってからは、港、中央区に戻って買っているそうだ。
高値買いを嫌って真ん中なら安心と判断して、収益で2-3%でも買いに入っているようだ。

普通に考えても金利が上昇したらマイナスになる。
おまけに、世界一高い土地から下落のトレンド。
もし、時差があるとすれば都心部も無事では済まないだろう。
07年のリーマンをはるかに超える津波が襲ってもおかしくない。

静まり返っている最中、鳥がざわざわと飛び立つような情景が浮かぶ。

今のうち高台に避難しておくべきだろう。

そして、津波が去ったあとは半値八掛け二割引きのチャンスが待っている。

ウエディング

毎年恒例の行事になっている。
社員のウエディングに参列するのは仕組みになっているようだ。
新卒で入社してから30歳までに結婚している傾向がある。
新卒採用を毎年継続しているので、順次招待状が届くのは必然のこと。

昨日、男性社員Sのウエディングに出席した。
挙式に参列し、披露宴では主賓の挨拶をした。
ここまでは、いつものパターンだが時間が経つにつれ違和感のような感覚が湧いて来た。

ウエディングの主役は新婦であることは間違いない。
ところが、Sの結婚式は挙式から披露宴まで主役は常に新郎でスポットライトが新婦に当たることはなかった。

それはまるで、駆け出しタレントのディナーショーに来ているかのような錯覚さえ覚えた。

ウエディングの重みが欠如していたのだ。
一番の醍醐味は、新婦そのものと、親族とのコラボレーションが参列者の感動を呼び印象に残るのだが、それらがまったく感じられないのが非常に残念だった。

明るくて賑やかな事はとても大切な要素だが、ウエディングの格式や品格はより重要になる。
それらの重要な要素がウエディング全体を通して感じることはなかった。

Tが主体となって企画を考えたのは言わずもがな。
しかし、2人で同意した以上、彼だけの責任とは言えないだろう。
一方で、新婦は表情と感情が一致していない、どこか無意識で何かを抑圧して感じないようにしているよな印象を持った。

ウエディングで恒例のブーケも目にすることはなく、ウエディングプランナーの重要性をこれほどまでに感じた事はなかった。

ここまでお粗末だと、新婦側の親族は憤りを感じてもおかしくないだろう。
もはや、早川家が新婦側の親族だったら、直ちにクレームをつけた上、ウエディングを中断させただろう。

新郎と新婦の参列者のバランスも取れていなかった。
もしかすると、新婦は結婚式を挙げたくなかったのかもしれない。

そんな洞察を深めてしまうようなウエディングは、未だかつて体験した事はなかった。

勝ちパターンの方程式

空間デザインを得意とするレストランプロデュースT氏と飲食のシェフ(職人)達が上手に組んでシナジーを出している。

T氏と知り合って10年になるが、レストランのプロデュースは年々磨きがかかり、ここ数年で勝ちパターンの方程式を見出したようだ。

統計からすると飲食店を開業して3年で8割が店じまいする。
それは、シェフが修行中に学ぶ料理の技術とはまったく異なる分野の経験なり知見が必要になってくる。

それは、お店を経営する視点に立つと、店づくりのセンスやコスト管理、マネジメントからマーケティングや資金調達まで、様々な要素が絡んでくる。
おしなべて、この重要な要素が欠如しているシェフが少なくない。

彼らははひたすら技術を磨いて、誰にも負けない料理を作る事に注視するが、それだけでは3年以内に店じまいの運命をたどる事になる。

お客様一人当たりの単価、コスト管理、空間をいかにセンスよく見せるか、店の規模感などを考慮して、勝ちパターンの方程式をいかに見いだせるかにかかっている。

T氏はその方程式を構築し、上手にシェフと組んで成功している人物である。

お客様の単価×店舗面積×空間

これらの数値を把握していて、港区を中心に異なる業種のレストランを次々に出店している。

腕利きの職人を組織して、ブランディングする事で、六本木ヒルズや表参道の一等地のテナントビルからオファーが来ている。
有利な条件提示により、好循環となって出店する状況を生み出している。

もちろん、中には赤字の店舗もあるようだが、PR費用と考えれば十分採算に合わだろう。

プロデュースと技術の見事なまでのコラボレーションによりWinWinの関係を構築していた。

進路

次女の学校で三者面談があった。
担任のN先生とは初対面となる。
前日の夜に初めて次女から進路について、専門学校へ行く意志を聞いた。
それは、長女からも聞いていたが、具体的に美容専門学校まで決めているようだった。
子供の進路について相談を受けたり、話し合ったりする機会はなく無関心すぎるようだ。

今更の事だが、次女の相談相手は長女やママが適切な存在だと思っているので、無意識に関わらないでいた。
その原因はもちろん父親にあるが、普通の学生ならばこの時期はど真剣な進路検討になる。
悩み、苦しみ、時には親子の葛藤があったりするのが普通である。

しかし、早川家は子ども4人ともまったくそんな感じはなかった。
それぞれやりたい分野が異なるので、その道に進むことに何ら躊躇なく受け入れている。

教育に熱心な親が普通になっている時代に早川家はまったく逆行している。
その事に関して何ら危機感も抱かないのは、どういう事なのか。
もちろん、子供がどうなっても構わないとは思っていないし、立派に成長してもらいたいと願っている。
しかし、教育として考えてみると、まったく機能していないのがわかる。

塾に行きたい、家庭教師をつけてくれと言えばそうしてきたが、結果として身につくことはなかったようだ。
かつてより、勉強しろとか言った事がない。
むしろ、嫌々宿題をやっている姿を見て、そんなに嫌ならやめなさいと言っていた。
やってるフリしても何にもならないし、勉強に意義を見出せないならやる必要は無いと思っている。

改めて、こんな簡単な三者面談があるものかと思った。
本当にあっという間に終わってしまった。
本人が決めた専門学校にそのまま決定していて、そこに相談はまったく存在していなかった。

こんな三者面談はおそらく他にはないだろう。
いや、むしろ三者面談の程をなしていないというか、報告で終わっているので、もはやLINEで済んでしまう世界である。

こんな超ゆるい進路の決め方にまったく疑問を持たない父親はおそらく変わっているのだろう。