ハエさま

儲かりますなぁ!

もろもろ説明してもらったが、これが一番儲かるだろうと察した。

農業法人代表のS氏との面会がセットされ、君津にあるS氏のオフィスを訪ねた。

広大な土地を有する中で、様々なプロジェクトを立ち上げていた。
S氏は農業の成功法則としてシンプルに出口戦略の一言に尽きると言った。

買い手がついてから作る。
そして、作る工程に最も興味を惹かれた。

それはハエだった。

ハエの幼虫であるウジ虫を大量に養殖しているのだ。
ウジ虫が大量に発生しているのを想像するだけで気分悪くなる人もいるだろう。
しかし、このウジ虫を乾燥させると優良な肥料になるそうだ。

各ルートから残飯を引き取り、ハエのエサとなって良質なウジ虫が生まれて、それが牛や豚、鳥、魚や野菜までの特別な肥料になるという。
この肥料は、他のものに比べて絶大な好物になっているようだ。
つまり、この肥料で育った家畜や野菜、魚などはおしなべて高品質に仕上がるのだ。

まさにハエさまである。

S氏の顔を拝見すると農家ではなく、商人の目力を感じた。
そして、一瞬ハエに似たように見えたくらいだ。

エサで儲けて、作物や畜産でまた儲ける。
おまけに漁協と組んでナマコの養殖までトライしている。

ここにもハエさまの影響が及ぶ。

久しぶりにしこたま儲けている商人に出会った。

一杯だけ付き合ってほしい。

自宅で食事を終えてくつろいでいた時だった。
長女が声をかけてきた。

馴染みのBarに入った。
自宅ではあまり話さない彼女も酒が入ると別人になるようだ。
とはいえ、本来持ち合わせている人格が出るのでこちらの属性の方が強いと言えるだろう。

その日は上司に褒められて上機嫌のようだった。
感情の起伏が激しいので、一喜一憂することなく淡々とやりなさいと言った。

炎天下の中、営業で回っているんだと楽しそうに話をしている。
ついこの前まで不満そうな顔をしていたのが不思議なくらいだ。

そんな仕事の話が一段落すると、何故か出合い系サイトの話になった。

SNSでサクサクできるので、2人でスマホからアクセスしてみた。
ブスばっかりだねーと言いながら娘はニコリとしながら、相手にメッセージを発信した。
同じ女性として、相手の気持ちを測りながら駆け引きを楽しんでいるのだ。

きたきたー!ほらね。やっぱりそうきたか。

それはまるで3歳児がオモチャを買ってもらいはしゃいでいる姿そのもの。
あまりのノリに苦笑いするしかなく、日時と待ち合わせ場所まで調整している様子。

相手にはパパと娘と3人で会う内容に、先方からはパパと2人で会いたいと断られる始末。

一杯だけの話がややこしい話になってきたので娘を残して帰った。

組織

全国生涯学習まちづくり協会の交流会に参加をした。

理事に就任して1年になるが、組織としてのヴィジョンやミッションが希薄化している印象がある。

特に創設者のF氏が理事長を辞任してから顕著に現れはじめたようだ。

秘蔵っ子のS氏の一言が印象的だった。
大人はずるい。表と裏の顔があり、それを巧みに使い分けて自らの利に導くと。

確かにフリをしている連中はわかる。
組織の影響力に預かろうとする輩が近づいてくる気配を感じているのだろう。

その気配を感じていたので、創設者F氏にズバリ聞いてみた。
今は顧問となり組織の現状を危惧している様子は伺えたが、あえて大人の対応をするに留めていた。
それよりも未来を見据えて行動している事に感銘を受けた。

一方で、信頼の関係を構築するのは、見返りではなく、与えて与えて与える姿勢だと改めて感じた。
自らの利に導く動機でもらう姿勢から、こちらのリソースを組織に与える。
それぞれの持ち味を出し合ってシナジーを出してこそ互いに発展していくものと思う。

S氏と話をしていると、ピュアな気持ちを実際にアクションとして結果を出している唯一の人物である。
事務局としての立場から、ややこしい人事的な勢力争いに巻き込まれることもあるようだ。
そんなつまらない話に一切ブレず前進している姿はとても勇敢にうつる。

彼女の手応えは、地域の人たちと共同で作る日用品から商品化するプロジェクト。
流通する仕組みを構築して地域の作り手に利益を還元する事で、年金プラス5万円を実現しようと奮闘している。

現地、現物、現場、これを熟知しているS氏がリーダーシップを発揮出来るようにサポートしていきたい。

ラリーニッポン

ラリーニッポンの本部を訪ねた。

年に1度の大きなイベントが開催される。
クラッシックカーで地域を回り、その土地の文化や歴史に触れて、地域の住民とも触れ合う場を設けている。
主に世界遺産や文化遺産などを巡り、日本の良さを再発見する機会になる。

初めてエントラントで参加した台湾から数えると3回になる。

車にはまったく興味がないのだが、なぜかクラッシックカーを所有している。
全てK氏にお任せ状態で、本当に日頃からお世話になっている。

今年の秋にサンフランで開催されるラリーのエントラントに決定した。

代表のK氏はひとつの信念がある。
お金儲けより、価値のある取組みの方がやる意義が大きいと。

ラリーニッポンの価値とは何だろうか。
改めて考えてみた。
クラッシックカーを通じて、人と人、地域と地域、いろんなものを繋いでいる。
この繋ぐ力こそがラリーニッポンの真骨頂である。

それは、初参加した時の台湾で感じた。
台湾の大観衆がサポーターとして力づけてくれたのが印象的だった。
もはや、国と国の繋がりを強化した外交的なレベルの内容だった。

最近はその価値に賛同したペニンシュラホテルのオーナーからスポンサーを受けるまでになっている。
また、大手企業からもアライアンスの話が来ていると言う。

ラリーニッポンの価値に共感する仲間がどんどん拡大している。
一緒に組みたいと思わせる価値を年々高めているのだ。

K氏に10年後のヴィジョンを聞いてみた。
ロンドンでラリーニッポンを開催することさ。
K氏はさらりと言った。

その難易度の高さは、主催者側でないとわからないだろう。

常識的

レストランの窓から見えた瞬間に動いていた。

決算期報告で、経理部長と銀行回りをしている合間にランチをしていた。
次女の学校が近くだったので、もしかしたら通るのではないかとオムライスを食べながら意識していた。

直ぐにドアを開けて名前を叫んだ。
次女はわずかに振り向いて、パパだとわかると恥ずかしげにアイコンタクトにとどまり、こちらの反応とは真逆の対応だった。
よく見ると男性と歩いていたので、再び呼びかけてみた。
彼氏なの?
すると、男性が気づいてこちらに歩み寄ってきた。

それは担任の先生だった。
初対面だったので互いに挨拶を交わした。
まんざらでもない雰囲気だったので、つい彼氏に間違いてしまったと言うと苦笑いをしていた。

最近、担任の先生が変わって、嬉しかったと次女から聞いていた。

改めて3人で食事をしたいね。
次女に言うと、そんなこと言えないし常識的にダメに決まってるじゃないとの返事。
いや、家庭訪問の延長線みたいな感じだから大丈夫だと言っても納得いかない様子。
だったら、パパが学校に電話するからと担任の先生の名前を聞いて電話をした。

すると、そういう事は出来ないとバッサリ。
あまりしつこくしないで欲しいと、娘から言われていたのであっさりと諦めた。

しかし、何故なんだろうかと考えた。
常識とは何なのか、非常識との境目がわからなく困惑していた。

新任の先生と親交を深めて、進路の相談や考え方を共有する意味でも、堅苦しい学校で決まりきったやり取りをしたり、家庭訪問で互いに気を遣いながらフリをしたところから、何が生まれるというのだろうか。

場合によっては、酒を酌み交わして本音トークもありだし、もっと枠を超えた柔らかさは人との繋がりでは重要だと思う。

非常識とは、ワイロを渡して入学させるとか、内申の便宜を図るとか、そんなセコイ次元ではないのだ。
こっちの方がよっぽどピュアで人間らしいコミニケーションだと思うのだが。

常識的という概念が人とは違うのだろうか。。