一杯だけ付き合ってほしい。

自宅で食事を終えてくつろいでいた時だった。
長女が声をかけてきた。

馴染みのBarに入った。
自宅ではあまり話さない彼女も酒が入ると別人になるようだ。
とはいえ、本来持ち合わせている人格が出るのでこちらの属性の方が強いと言えるだろう。

その日は上司に褒められて上機嫌のようだった。
感情の起伏が激しいので、一喜一憂することなく淡々とやりなさいと言った。

炎天下の中、営業で回っているんだと楽しそうに話をしている。
ついこの前まで不満そうな顔をしていたのが不思議なくらいだ。

そんな仕事の話が一段落すると、何故か出合い系サイトの話になった。

SNSでサクサクできるので、2人でスマホからアクセスしてみた。
ブスばっかりだねーと言いながら娘はニコリとしながら、相手にメッセージを発信した。
同じ女性として、相手の気持ちを測りながら駆け引きを楽しんでいるのだ。

きたきたー!ほらね。やっぱりそうきたか。

それはまるで3歳児がオモチャを買ってもらいはしゃいでいる姿そのもの。
あまりのノリに苦笑いするしかなく、日時と待ち合わせ場所まで調整している様子。

相手にはパパと娘と3人で会う内容に、先方からはパパと2人で会いたいと断られる始末。

一杯だけの話がややこしい話になってきたので娘を残して帰った。