アプローチ

心が折れそうになった。
まったく成果が出ない状況に呆然と立ち尽くしていた。

東京クラシッククラブにて、雑誌ゲーテのゴルフコンペが開催された。
エントリーしていたので、この日に標準を合わせてコツコツ練習を重ねてきた。
練習場では勿論のこと、自宅で早朝から毎日素振りやパターをやってきたのだ。

ところが、スタートホールの直後から池ポチャ、その後も燦々たる状況で、天を仰ぐしかなかった。

何故、練習の成果が出ないのだろうか。
苦悩に満ちた表情で友人に話してみた。
すると、アプローチが違うことだけは間違いなさそうだね、と言われてハッとした。

日々の練習以外に上達するアプローチの選択肢が他にあるとは到底思えなかった。
それは、ゴルフスクールに通ってスイングを改善してきただけに、そのスイング軌道を保つ練習を重ねれば、必然的に安定してスコアが出ると信じ込んでいたからだ。

このアプローチが違うとすれば、どうすればこの苦難を
利用出来るのか、苦痛に直面しながら壁を越える度量が必要になっていた。

湧いてきた一つのアプローチはイメージだった。
ジャスティントーマスという、米国プロ選手のスイング映像を見てイメージ化することにトライしている。

また同時並行で、ゴルフコーチを専属パートナーとし、アドレスからフィニッシュまでの身体の動きを完璧に改造することに着手した。

間違っているアプローチで努力を重ねていたら悲惨である。
今回のアプローチが正しいことを信じて前進している。

春が来るころにはきっちりと成果を出して、アプローチが正しかったことを証明したい。

イタリア

郵便書留が届いた。
見るとエアメールだった。

2年ほど遡ること、イタリアのヴェネチアからフィレンツェの約520キロをレンタカーで移動した際に、スピード違反したようで、帰国してしばらくするとレンタカー会社を通じて罰金の請求が来た。
その時は、ネットからクレジットカードで支払いを済ませた。
その際に、ショート、ミドル、ロングの支払い期日があって、ショートの短期間で支払いするとディスカウントされる仕組みになっていた。

ロングプランに比べるとおよそ3割近くディスカウントされていたので、直ぐに手続きをしたのだ。

それから3ヶ月くらい後にイタリア警察から、罰金の請求書が届いた。
何かと思い読んでみると、進入禁止のエリアに入ったので違反だとした説明文だった。
確かに、見覚えがあって北イタリアの山へ行った際に、奥の方まで侵入したことがあった。

これも同じように、ディスカウントの仕組みになっていたので、直ぐに手続きを済ませた。

それから3ヶ月後、またイタリア警察からスピード違反の罰金請求が書留のエアメールで届いた。

その時は、どこで違反をしたのか皆目見当もつかなかった。
それより、何故半年も経った今さら請求が来るのか不自然に思えた。

何となく嫌な気分になりながらも、しばらくそのまま放ったらかしにしていた。

すると、それから3カ月ごとに書留エアメールで定期的に届いている。
おまけに、未だにショートだとディスカウントするという内容。
まったくふざけた事をイタリア警察か何だか知らないが、2年経った今でもまだ性懲りも無く送られてくる。

イタリアという国はジョークでこんな手間のかかることをやるのだろうか。

集客

食パン一斤(いっきん)懐かしい響きだった。

子どもの頃、母親から近所のパン屋に買い物を頼まれていたのを思い出す。

今流行りの一斤800円の食パンを友人から紹介された。最近は食パンブームに沸いているようだ。

「セントルザベーカリー」青山に昨年11月にオープンした。
銀座の店は大行列しているが、青山は並ぶことなく買える。
3種類の食パンだけの商品だが、ベーシックタイプを買ってみたが、もちもち感があって美味しかった。
普段パンはほとんど食べないが、あまりの美味しさに焼かずにそのままパクパク食べ過ぎてしまった。

グルテンフリーダイエットでお馴染みの小麦。
まさに、小麦は糖質の天敵であり、避けていただけに完全な勇み足だった。

同時に紹介されたのが原宿の豆大福だった。
「瑞穂」ここは朝9時から開店するが、午前中にはあっという間に品切れになるようで、土曜日の朝一で買って食べてみたが、ふくよかな柔らかい餅に豆の触感とアンコが絶妙にマッチして、最高に美味しく仕上がっていた。
未だかつてこんなに美味い大福はなかった。

青山と原宿を比較してみると、圧倒的に原宿の方が集客が見込めるようだ。
ルークスロブスターも原宿店は大賑わいで、いつも大行列になっている。
NY発のロブスターロールで日本では原宿が第1号店である。
このルークスロブスターが青山にもある。
セントルザベーカリーの隣にあるのだが、同じロブスターロールなのにスカスカな状況にある。
青山通りに面しているので、立地は悪くないが原宿に比べると圧倒的に集客力が劣る。

銀座と比べてもわかるように、店舗の集客は青山という場所は意外にも厳しいようだ。
やはり、原宿、銀座は東西両横綱だろう。

特に原宿は小さい店舗が多く、豆大福の瑞穂も一本奥に入った狭い店舗だが千客万来である。

本当に実力がある商品なら、集客力のある原宿から攻めるといいだろう。

食べ放題

食べ放題の店で食べないようにするのも変だと思った。

正月にゆず庵という食べ放題の店に行った。
ここは、何としゃぶしゃぶ、寿司、串揚げ、サラダ、キノコや野菜類などメニューにある全てが100分で無制限に食べる事ができるのだ。
おまけにスイーツも合わせて3980円という破格。
最初にメニューを見た時には驚愕して、子供に戻ったような気持ちになった。

普段は食べることに躊躇しているので、気を配ってなるべく少量で美味しい食事を心がけているのだが、今回は真逆のスチュエーションだった。

タッチパネルで注文出来る仕組みになっているので、躊躇なくバンバンオーダー出来てしまう。
バリエーションが豊富なので、食べてみたいものを次から次へとタップする。
それはまるで、がっついた少年のごとく食べることに一心不乱になっているかの有様で、あっという間にテーブルいっぱいになってしまった。
おまけに、寿司はネタのみを味見して残し、揚げ物は一口で終いにして、肉と野菜を集中して注文を重ねた。

残念ながら、寿司ネタは期待を満たすものではなく、揚げ物も同様で二度とリクエストする事はなかった。

一方で、しゃぶしゃぶの肉や野菜類などは値段の割には良かったようだ。

しかし、普段から少食のため思ったほど食べれなかった。
外国人や子供だったら大喜びで何枚も食べられるだろう。

食べ終わった時に思った。
がむしゃらに注文して食べられる仕組みになっているので、何となく虚しさのような感情が残った。
それほど食べなくても良いのに、余分に食べてしまう事に違和感を覚えた。
それは、エゴ丸出しのお客を見ているスタッフの表情を見て感じた。

ホテルなどのブッフェスタイルでは、可視化されないためそのような感情になりにくいが、今回のような仕組みだと、欲にまみれた醜態をさらけ出しているようで、何となく恥ずかしくなった。