案件

そこはマイナスエネルギーに満ちていた。
昼間でも鳥肌が立つ怖さがある。
それはまるでホラー映画の様相を呈している。

案件の紹介があり現地に足を運んだ。
現在は廃工場跡地になっており、4ヶ月前に破綻してからゴミや産業廃棄物があちこちに散らばっていた。
事務所は不気味にドアが開いていて死体でも出てきそうな雰囲気を感じる。

後ろを振り返ると誰か人の気配を感じた。
1人で来ていたので他には誰もいないはずだったが、気味が悪くなり足早に去っていた。

歩きながら考えていた。
あそこには関わらない方が良さそうだと感じた一方で、他にはないバリューを見出すことが可能だろうか思考を巡らせていた。

数日後、ある人物を連れて現地を案内してみた。
彼らは見た瞬間に目を爛々と輝かせていた。
このリアルな廃墟な感じがとても素晴らしく、撮影で使わせてもらえないかと言ってきた。

彼らはまったく違う観点から発想していた。
素材をそのまま活かす術を得意としているのだろう。
新しさより古びたテイストの方が価値があり、わざわざ新しいものに古びたようなデザインをして工夫するそうである。

もはや、自らの既成概念で縛られた発想からは、外に出ること叶わず、マイナスでしかなかった案件が新たな可能性を見出した瞬間だった。

案件も個性を磨けば宝物になりえるかもしれない。

一蘭

忘年会の帰りにふらっと寄ると自販機の前に人が並んでいた。

何年ぶりになるだろうか、一蘭に来てみた。
一度帰りかけたが、どうしても食べたくなって引き返してきた。

並んでいる殆どが外国人だった。
おまけにラーメン980円と以前より値上がりしている。
この大行列を見ると一蘭のラーメンが大好評で、SNSなどの口コミが広がっているのだろう。

六本木店は大箱なので何回転するのか、極めて高い収益マシーンになっているだろう。

お決まりの用紙にお好みのスープの濃さ、ネギの種類、麺の硬さ、チャーシュー有り無し、などをチェックする。
紙にはローマ字で訳されている。

この店の特徴は両隣が仕切られていて、1人専用のボックスシートのようになっている。
つまり、会話が出来ないようになっているので、回転を早くする仕組みになっているのだ。

書いてから3分ほどでラーメンが出てくる。
麺は固め、スープの濃さ普通、青ネギ、チャーシュー無しで注文通りである。

定番のとんこつラーメンだが、臭みもなくスープと硬めの麺の愛称が絶妙で酒の後はクセになりそうだ。

出されてから5分くらいで食べ終わってしまう。
普段からあまりラーメンは食べないが、こんなに早く食べ終わるものかと、不思議な感覚になってしまう。

それにしても、この大繁盛ぶりは外国人の馴染みが増えたのも大きな要因だろう。

空中店舗でありながらも、この集客力は一蘭のブランドとして、六本木の激戦区で圧倒的な差を見せつけている。

メニューはシンプルにトンコツラーメンのみ。
このオペレーションがもたらす収益力は目を見張るものがある。

高校球児

高校球児の時代を走馬灯のように思い出していた。

アイアイアソシエイツのNPOが主催するイベントの対談に登壇した。

今回は土浦日大高校の小菅監督をお呼びして、理事長の堤久美子さんと3人での対談になった。

小菅監督は選手時代に取手二高で甲子園出場を果たし、決勝でPL学園の清原、桑田のKKコンビチームに勝って優勝を果たしている。
また、監督としても17,18年に2年連続して甲子園に出場している名将でもある。

実は、高校3年の時に取手二高と対戦した時があった。
ちょうど小菅監督が1学年下にあたるので、選手時代にお互い顔合わせしていたのだ。

そのエピソードを対談で語った。
当時の取手二校はエースが超高校級で後にはプロ入りした逸材の選手で、監督は木内マジックで全国的に有名になった名将だった。
監督とピッチャーで98%決まるのが高校野球である。

今でも記憶に新しいが、選手みんな野球が楽しくてたまらないといった雰囲気で、よく厳しい木内監督の元であんなに楽しくやっているのが不思議だった。

対談でその事を話すと小菅監督はさらりと言った。
木内監督は厳しくありませんでした。
むしろ、楽しく野球をやることを教わったそうだ。

それを聞いた時に衝撃を受けた。
外から見ると厳しく見えたが実は違っていたのだ。
監督自ら野球を心底楽しんでいたそうだ。

こちらは、まったくその逆で楽しむどころの心境ではなかった。むしろ厳しく必死の形相で野球を頑張っていたとしか言えないのだ。
楽しむどころか苦しみに近い感覚があった。

ここに全ての解があるように感じた。
ビジネスにおいてもまったく同じだろう。

組織のトップが楽しみ、常に良い気分でいたらそれは下に浸透していき、楽しい高周波が蔓延することで、様々な周波数の高い出来事が起こるのは必然であるからだ。

すなわち、頑張ってはいけないのである。
頑張って頑張らないように考えるのはいいが、楽しみながらワクワクしてやるのが成果が早く大きい。

小菅監督の元で選手としてもう一度野球をやってみたいと話した。
監督は答えに窮していたが、素直に感じたことを言ってしまった。

周波数

僕は毎朝陶芸をやってから会社に行くんですよ。

久しぶり会ったH氏が嬉しそうに言った。
朝5時に起床してから1時間ほど、ろくろと向き合うようである。

彼はその時がワクワクする時間で、意識して毎日ワクワクを創り出しているのだ。
すると自然に周波数が上がり、それに合った仕事や人が引き寄せられてくる。

仕事をしていると、ワクワクする人物にあったり、価値を創造している時にワクワクする。
そんな時は周波数が上がり、更にワクワクする人物と縁が出来たり、素晴らしい出来事が起きたりする。

逆に思い通りにならなかったり、嫌な事が起こったときには周波数が下がらないように意識している。

つい先日には、娘からLINEで母親との確執が原因で、家を出たいから早く解決できるようにして欲しいとの連絡が何度となくあった。
以前も同じような問題が起きた時には同調して、別に住まいを準備するように動いた経緯があった。

しかし、問題解決をしたのでは根本的な原因は無くならないだろうと考え直した。

問題解決は周波数が下がり、ワクワクする気持ちとは正反対に様々な嫌な出来事や人物を引き寄せてしまうことになるからだ。

では、娘はどうすればよいのか。
至って簡単である。
シンプルに周波数を上げれば良いのだ。

ワクワクする事を最優先にする事で、よい出来事や人物が引き寄せられてくるからだ。

今の現実を創り出しているのは、他ならぬ自分自身なのだから。