鮨 早川

実の弟が鮨店を経営している。
職人歴も長くこだわりを持った鮨を握っている。

恵比寿の雑居ビルの5階に看板もない店を構えて7年が過ぎた。
富裕層や芸能人がお忍びでくる店として定着している。

鮨屋の大将といえば、難しそうで取っ付き難い印象を持つ人も少なくないだろう。
弟の場合は、おもてなしを心得ていることもあり、お客様からの人気が高い。
よく一緒にお客様とゴルフをする機会があるのだが、おしなべて彼の評価は高く、そもそも様々なお客様からゴルフに誘ってもらう事がそれを如実に物語っている。

そんな弟の店もコロナの影響で苦境に立っている。
最近は、営業時間も短縮され16:00-20:00になって、テイクアウトを始めている。
苦肉の策とは言え、改めて彼のプロフェッショナリズムを感じることができた。

テイクアウトの品を取りに行った際に、あちこちから注文が来ていてカウンターいっぱいに御重が並んでいた。
ちらし、握りがあり、5500円、6600円となっている。
コスパは良くないが、ネタのバリエーションが豊富で、重箱もこだわりのある上質なものを使っていた。

馴染みのお客様から次々に入る注文をさばきながら、彼と話をしていると、こんなにも魚に愛情を注いでいるのかと驚愕した。
魚の身体を丁寧に拭いてあげる時に思うそうである。
早くさばいてあげて、決していたむことのないようにと愛情を注いでいるのだ。

鮨職人としてのこだわりは外国人の評判も広がって、様々な国から来店が増えていた。

この苦境を乗り越え、世界が憧れる鮨文化を発信していってもらいたい。