株式会社イコム 社長 早川徹
埼玉の社長   田舎暮らしを夢見る人のマルチハビテーションライフ

本質

仕事をして楽しく過ごす、仕事があるから楽しくなる、どちらが本質だろうかとふと考える機会があった。

ネクサミという異業種企業がプレゼンを通じて学び相互扶助する機能を有する場を提供している組織の通称である。
このネクサミにある葬儀会社が参加している。
社長も広島から月に何度か学びにやってくる。
実践メンバーは、現役の大学生でインターンシップとして参加している。

彼らのプレゼンを見ていると、顧客が誰なのかを徹底して実践している。
会員獲得の手段として、ポステイングを地域全域にわたりチームで実施して、なお本当にチラシを見ていただけたかを一軒づつ訪問して確認することまでしている。
おまけに、葬儀に求めるもの、困っていることを徹底してヒアリングしている。

つまり、葬儀というサービスや商品を売る視点とは逆に、自らの人となりを売っているに等しいと言える。
結果として顧客との信頼関係が構築されて、葬儀のことはあなたに任せる、まさに御用達の関係までになっている。
これがサービスや商品を売っていては御用達の領域までに至らない。
学生なので、既成概念がないとはいえ、ま素直と実行力で突破してしまった印象がある。

顧客との信頼関係を構築するには、顧客の用事を足す前に会話を通じてさらりとヒアリングしながら自らを売り込む要素が必須になる。

これを広島のインターン学生が見事に実践してみせた。
彼らを見ていると生き生きと輝いて真剣に取り組む姿勢に圧倒される。

従って、仕事があるから楽しくなる、こちらの方が彼らにフィットするようだ。
逆に仕事をして楽しく過ごす、これには違和感を感じる。

仕事をしてプライベートを楽しく過ごしたり、家族を養ったりするのは当然な事だろう。
しかし、本質は別なところにあり、もうすでにある仕事が楽しくて仕方がない。

こんな感覚で顧客が増え、社員が増え、売上も増えて、数字が結果を伴い、そこから趣味や旅行を存分に楽しめる時間とマネーが揃う。

onとoffのない会社、月の10日働き20日休む会社の本質はまさにそこにある。

いなし

相撲の技のひとつに「いなし」という決まり手がある。
突進してくる相手を急に横にかわして、態勢を崩す技で、タイミング合えばあっという間に勝負がついてしまう。
相手の力を利用して勝つ手段で、ビジネスの世界や日常生活の中でも随所に見かけられる。

長男と寿司屋のカウンターで話しをしていたら、相変わらず彼女がいないらしい。
学生の頃は父親も嫉妬するくらいの彼女を部屋に連れ込んでいたのだが、それ以来さっぱりな感じで、何が要因しているのかヒアリングしてみた。

決定的なのは、攻め手がないことにあり、アクションしていない実態が明らかになった。
つまり、目に止まった女性に声をかけたりしていないのだ。
どんな状況にあるにせよ、こちら側からアクションしない限り絶対に彼女は出来ないと彼に伝えた。

片道切符でニューヨーク入りした次男から連絡があった。
家賃の支払いが現金のようで、カードが使えないから困ったという。
しかし、本当に困っている状況なら何かアクションを起こしているはずだ。
家主に対してもっと交渉することはあるだろうと伝えた。
文字通りこのケースも長男のそれと何ら変わりはない。

一方で、娘姉妹の2人はちとばかり男連中とは違う。
いなしが出来るのだ。
タイプは違うが、2人に共通しているのは仕掛けるのは娘からだという点である。
アクションして彼氏としてモノにしたあと、いなし技を巧みに使いこなしているのが、見なくてもわかる。
いなした後に態勢が崩れた相手をコントロールしているのだ。
兄弟より一枚上手である。

ビジネスでもまったく同じ事が当てはまる。
先ずはアクションはマストで、それから信頼関係を重ねながら、ある程度のスパンでいなし技を駆使しながら交渉していくプロセスを経ないと、中身のある仕事には仕上がらない。

しかし、恋愛やビジネスでも、タイミングを誤っていなし技を使うと、土俵を割ってしまう事がある。

苦い思い出が脳裏をよぎる、、、

スライディングドア

友人からのおすすめで映画を見た。
アマゾンプライムだと無料で視聴が出来る素晴らしい時代になった。

「スライディングドア」地下鉄に間一髪で間に合って乗れた人生と、間に合わなくて乗れなかった人生を同時進行で描いている。

そのタイムラグにより、現実が変わっていく模様は観点により様々な捉え方になるようだが、大きく道が分かれる瞬間でもあるように思う。
例えば、スライディングのように駆け込み乗車した事で出会える人物や、それに導く何らかのきっかけがあったりする。

こんな場所で出会うなんて思ってもみなかったという体験をするときは、何かを示唆している場合が少なくないようだ。

例えば、こんなことがあった。
ゴルフ場でゲストの共通の友人がバッタリ鉢合わせになったことがあった。
面識はないのだが、ゲストの友人が非常に感じが良い印象だったので、次の機会にその方とラウンドしてもらうようにセットした事があった。
実際にプレーしてみると、立ち居振る舞いから受ける印象は一流の人物だとわかる。
そのご縁から次の親交を深める機会が訪れるようになっていく。

そのゴルフ場でその日に予約していなかったら出会う事はなかっただろう。
そして、帰りのロッカールームに居合わせた時間がずれていたら、このような展開にはならなかっただろう。

あるいは、会食で話しをしていたら、先方の次に行く人物に興味があったので、急遽予定を変更して、直ぐにご一緒させていただく場面があった。
まったく、予想もしていなかったが、新しい出会いから新たな展開を創りだして、今ではそちらの人物と会う時間の方が多くなっている。

それが、人であれ物であっても、それを起点に未来を創るのは選択次第のようだ。

スライディングドアの映画は、受動的な印象を受けるが、乗車して出会う人物と関係を築くのも、時間がずれて浮気を目の当たりにするシーンからの展開も全て、そこから起動する流れやタイミングを主体的に展開出来るか否かで、未来は全く違う景色になるのではないだろうか。

普段何気に過ごしている中で、起点になるシーンはたくさんあるだろう。
それを無意識に見過ごすか、起動して手繰り寄せるか、もっともっと意識して過ごしていきたい。

凄いおむすび店

日に一度はつぶを食したい。

最近、おむすび専門店の権兵衛によく行く事がある。
駅前立地にあり、店舗によってはイートインがある。

玄米と白米のおむすびのバリエーションが多様で、味噌汁も自家製、お惣菜もあって、品質がよく美味しいので、お気に入りの店になっている。

先日、赤坂のイートインで食べていたら、従業員が挨拶の練習をしていた。
テイクアウトのお客さんがひと段落したタイミングで始めているようだ。
これは、赤羽店や大宮店でも同じような光景を目にした事がある。

また、本部のマネージャーらしき人物がアルバイトのスタッフに対し、声の高さや立ち居振る舞いまで、丁寧にレクチャーしていた。
あなたは、地声が低いのでもう少し高い声を出す練習をしましょう。など具体的に指導しているので、感心して様子を見ていた。

会社として、仕組化しているのが卓越している印象を受けた。
品質はもちろん、接客にも配慮が徹底されている。
また、田んぼ農家さんとの直接取引をしており、安全性や地域の貢献度も大きい。

更に品切れした商品でも短時間に注文に応えるようになっている。
アルバイトのスタッフが全員おむすびを作っているのだ。
裏側を除いて見るとテイクアウトのオペレーションの他におむすびを握っているスタッフがいる。
朝の時間帯や昼のピークに合わせ、どの位の量を何時に何人で作るのかも仕組化されているのだろう。

つまり、顧客に対し徹底したサービスを惜しみなく発揮しているのだ。

安く、早く、美味く、大きく、品質よい、バリエーションあり、近く、笑顔、品切れない、イートイン、安全、社会貢献、これだけの要素を備えている飲食店を他に知らない。

テイクアウトのお客さんがほとんどだが、よく観察していると、老若男女がおむすびを買っている。
概ね、イートインは女性が多いようだ。
最近は健康食ブームなこともあって、玄米のおむすびを選ぶ人も目につく。
玄米をふっくらと食べやすくしている工夫も素晴らしい。

顧客としてのファンでもあるが、商いとしても、おむすび権兵衛に学ぶところ多し、である

隠れ家と人物

隠れ家にM氏を訪れた。

久しくお会いしていなかった。
大病を経て引退したと聞いていたが、最近は仕事でお世話になっているので、挨拶を兼ねて訪れた。

不動産と建築の会社経営をバトンタッチしてから、アドバイザーとして相談事を引き受けながら、のんびり隠居生活を楽しんでいるようだった。
M氏の元には色々な人々が集まってくるようだ。
人間力がそうさせているのだろう。

それを象徴する話を聞く事が出来た。
信頼のおける大事な要素は約束を守ることだが、M氏の場合は自ら発言した内容に責任を取っている。
己が相手に吐いた言葉は、必ず実行して約束を果たすそうである。
非常に重みのある発言だった。
従って、人としての幅もあり、話をしていて安定感があるので、自然と多くの人が頼りにして隠れ家へやってくるのだろう。
自らの体験を踏まえ、不動産取引で困っている方々へのアドバイザリーとして、お礼に大根やお芋を持ってくると苦笑いしていた。

当社の役員Gもその一人で、未経験の領域にチャレンジしている最中、M氏のアドバイスによるところの成果がはっきりと見てとれる。

そんなM氏がイコム本社にお越しいただいた。
その際、面識のある社員Yとも会えて、社内にいる姿を見て印象的な話しを聞かせてくれた。

昔からその傾向は見られたが、よりそれが強まっているようだね。

象徴的な2人、YとGの個性は対照的でここまで極端に異なるタイプが、それぞれ加速しているようだ。

Yがアロハシャツに麦わら帽子で仕事をしている姿によりらしさを感じたらしく、おまけに仕事モード感の薄い雰囲気、終始笑顔でまるでカールのおじさんキャラのごとく、さらに磨きがかかっている様子、一方でGはスーツ姿で眉間にシワの寄った仕事モード感バリバリ、常に悲壮感が漂う雰囲気で、それはまるで刑事が犯人を逮捕しようと、昼夜を問わず張り込みや聞き込みを淡々とこなして、徐々に追い詰め逮捕してしまうようである。

この対照的な2人をonとoffのない会社のキャッチに例えて、Gはずっとon、Yはずっとoffだと表現していた。
つまり、仕事とプライベートを区別しないことが、onとoffのない会社なのだが、どうやら2人は偏りすぎている感があるようだ。

M氏はタバコを吸いながらポツリと言った。

あんたも大変だね。

コミット

最近、ご飯をたくさん食べた記憶がない。
もちろん、意図的に制限しているのだが、お昼にカレーライスを食べたら、夜はつまみ程度で済んでしまうくらいで1日1食と少しだ。

こんな事を始めたのはいつからだろうか。
6年くらい前になるだろうか。矢沢永吉のライブに行った時にコミットしていた。
あのライブで見せるスマートな肉体に魅せられたのだ。
当時はぽっこり腹が出ていて、妙に永ちゃんに影響を受けていた。

元々、ストイックなので追い込んだりするのが、人より苦痛に感じないというか、頑張れたりする傾向にある。
自分に厳しく人にも厳しいタイプに類するだろう。

先日、ゴルフコンペで一緒に回った2人を観察していた。
2人は対象的で、身体も太めと細めに分かれ、性格も繊細なゴルフをする一方で、大雑把なプレーを随所に見せるタイプと鮮明に違っていた。

話を聞いていると、コミットしてストイックな細いタイプは、毎日のルーティーンを欠かさないらしい。
自分に厳しいタイプで似ていると思った。
太いタイプは、酒はカブカブ、ご飯も大盛りに肉が450グラムと、いたって健康に配慮する素振りも見せない。

しかし、どちらが楽しそうにゴルフをしたり、食事をしているかは言わずもがな、笑顔をたくさん見せている太いタイプの方がいかにも幸せに見える。

もちろん、見かけは不健康そのもので、細いタイプの方が健全そのものなのだが、今この瞬間で見ると、確率論からすれば太いタイプがさきにお迎えがくるだろう。
しかし、本当にそうだろうか。
細いタイプが生き抜く力が優っているのか。
いや、むしろ細いタイプが先に逝く傾向もあり、どちらが良いお手本なのかは正解はないのかもしれない。

常識的には不摂生は健康に良くない、医者も異論はないだろう。
だが、この瞬間に楽しめるやつと、まだまだ不充分だと己を叱咤激励しているやつとでは、今を生きる力に歴然の違いを見るのではないか。

とはいえ、自己に甘くなるようなスキがあった方が、人として魅力ある風に感じることだろう。

さて、個人的には逆の立場にいて、細いタイプに似た方だが、スキのある人をたまに見せる方が良いのかも知れない。

ステーキをいきなり450グラムも食べられないが、いきなりステーキを300グラムならコミットするに違いない。

心の中のつぶやき

最近は、ホームに着いてから1分以内に電車が来るようになった。

判断は間違えるが、直感は間違えない。
判断は思考により答えを出すが、直感はひらめきによる。
従って、考えるよりもひらめきによる方が精度が高い。

以前は、ホームに着くと同時に電車が出てしまうこともしばしばあった。
そんな時は心の中でつぶやいていた。ちくしょう、タイミング悪かったかぁ‥‥、おそらく顔の表情も眉間にシワがよっていたことだろう。

そんな時はトイレに寄ったり、キヨスクでちょっとした買い物をしたりして、あえて用事を作ることを心がけていた。
そうする事で時を引き寄せていった。

こんな事もやってみた。
歩いて試している事だが、次の十字路の裏路地に何人が歩いているかを予測する癖をつけた。
最初の頃は、考えて判断するので当たる時は少なかった。
あと、カレーの匂いがするとか、コーヒーの香りがするとか、鰹節の煮えた匂いがするとかを予測して、予知能力ごっこを1人でやっていた。

それらは、考える領域では突破出来ない。
ひらめきを自然に出すようなトレーニングみたいなものだ。

車を運転している時も信号がスムーズに流れるようになった。
以前はせっかちぶりを発揮していた。
電車が出てしまったような「ちぇ」を無意識に心の中でつぶやいていた。

せっかちは、他にもあらゆる場面でやっていた。
例えば、エスカレーターがそう。
大江戸線は地下が深いのでエスカレーターも長い。
なので、呑気にじっとしている時間がもったいない。
右側をひたすら歩いて登ったり降りたりしていた。
会社のエレベーターも同じだ。

せっかく急いで歩いても、ホームに着いたと同時に電車が出る時もあり、逆にのんびりエスカレーターの流れに任せて着くと、急いで歩いていたもう1人の自分がホームで待っている様なシーンも感じたりする。

電車が止まったり、遅れたり、飛行機も同じく、何らかの用事を創るようにしている。

心の中のネガティヴなつぶやきを出来る限り排除している。

いや、排除というよりは変換に近いかも知れない。
それらは、解釈でしかないのだから、あえて何時もの自動的な解釈を変えてみる。
ほっとくと、いつもの解釈になるのだから、予知を引き寄せるかのごとく、自分都合に変換するとそうなっていくのかも知れない。

何れにせよ、考えるより遥かに価値のあるひらめきを高めていきたい。

魚は水が見えない

水の中にいる魚は水が見えない。

本人自身(自分・自己)が誰よりもよく見えていない。
つまり、他人はよく見えるが自分は見えないという例えになる。

それをゴルフで垣間見ることになった。

6番ホールを終えた時には意を決していた。
まったく思った方向に飛ばないばかりか、ボールをコントロール出来る感じがしなかった。
30年近くプレーしているが、スコアはいつも100をうろちょろ、月に1回やるかやらないペースなので、スコアもそれなりなのは当然かも知れない。
とはいえ、一緒にラウンドするメンバーの上達ぶりを見るにつけ触発される。

どこがどう駄目なのか、頭では理解していても本質は自分ではまったく掴めていないのだ。

その場で電話したのはライザップだった。
一緒にラウンドしている仲間から非常に評判がいいと聞いた。
ライザップゴルフの担当者と繋がりレッスンの申込について聞いてみた。
すると、今月は予約がいっぱいで来月にならないと空きがないという。

ダイエットと同様、目標にコミットとして、ダイアリーとスケジュールを管理、マネージメントする手法は変わらないようだ。
要するに劇的に上達する方法などなく、日々のコツコツしたトレーニングが成果となるのは間違いないようだ。
ライザップが課題に基づいたメニューを組み、実際はゴルフ練習場でスイングをチェックしたり、自宅で素振りを何回するといったフィードバックをスマホでやり取りするようだ。
人は誰かに指示されたり、命令を受けて受動的に決められたらメニューを淡々にこなす方が、慣れているし楽なのかも知れない。

ゴルフのスイングを一つとっても、軌道すら見えないないし、身体の動きすらよく把握しきれないでいる。
従って、第三者に従属的になった方が己を知れて、それに沿ったプランを提供してくれるので、上達も早くなるだろう。
頑なに自己流を貫いても、そもそも自己流がどうなっているかも、はなはだ怪しい限りである。

ライザップは、ダイエットや肉体改造など、結果がわかりやすいので、もはやアクション管理を売りにしたブランディングが浸透しているのだろう。
そこには、人の心理をうまく取り入れた仕組みになっているのがわかる。

学習塾にもその傾向が現れている。
従来の授業形態とは異なり、自習形式で個々が学習塾で自習をしにくるようで、それを管理するだけのシンプルな仕組みになっている。
これも易きに流れないための歯止めとして指示されているようだ。

今回のテーマは、プロセスを管理してもらうより、自分を知るために観察をするプロセスの機会にあるので、自分のスイングや身体の使い方がどうなっているかを自覚し、それをどのように修正するのがベストなのか、まず己を知る作業が今の課題で優先順位は高い。

魚は水が見えない。

このテーマはゴルフに限らず、仕事やプライベートの様々な場面で永遠に続くテーマなのかもしれない。

環境を創る

朝目覚めると次男が眠たそうに寝室に向かっていた。
まさに、双方真逆なライフスタイルになっている。
朝起きる時間に次男が眠るサイクルで、時折早く起きる時はきちんとスケジュールされているようだ。

バンクオブアメリカを経てコンサル会社を経営するS氏の元でインターンシップに取り組んでいる。
ニューヨーク入りする前の準備体操で、業務連絡は全て英語でやり取りするようだ。
インターンには他にも学生が参加している。
慶応や早稲田といった筋の良い連中に混じって中卒の次男がいる。
果たして、どんな振る舞いで、スキルをどのようにカバーしているのか興味深いところである。

業務内容は、ニューヨークでビジネスをする為のあらゆるお作法を英語で学び、現地の商習慣やビジネスマナー、ネゴシエーション、会食のテーブルマナーに至るまでを大企業のビジネスパーソン向けにレクチャーしているようだ。
故に、レクチャーの時間帯は夜からのスタートになるので、帰りが0時を過ぎることもしばしばある。

普通の英会話での領域では決して勤まるはずもなく、フィリピンで学んだ英語の更に別次元で習得するフェーズにある。

スーツとワイシャツ、靴を貸与しているが、一昔前に仕立てた不動産屋仕様になっているため、スーツは縦縞の白が入ったストライプ、靴はヴィトンで本人とのギャップは言わずもがな、ビジネスパーソンが集まる場では、かなり浮いている存在だと思われる。
残りわずかな時間で即席に手当てしたとはいえ、S氏も驚いているに違いない。

環境は人を変えると言われているが、まさに彼のパスポート写真を見ると如実に現れている。
フィリピンから帰国して直ぐに撮った写真は、まさにフィリピン人そのもの。
野生児的なジャングルから出てきたような顔相は現地人と相似形、しかし、今では六本木暮らしに慣れてそれなりの顔相になってきている。
比較してみると一目瞭然、人は環境が違ったりステージが異なると顔や在り方に出るようだ。

ちょっと前まで、全くやる気のない引きこもり男が、やるべき目的が見つかったことで変化し始めている。
そして、インターンでは一流のビジネスパーソンと交流の場にいることで、更なる進化を遂げようとしている。

いつもと違う環境に身を置いたり、理想の環境を意図的に創り出す事で、新たなステージに前進する事が可能になるだろう。
先に環境を創造して、現実に作り出す事で、必然的に後から環境に相応しい人物になるように思う。

次は地中海を見下ろす別荘を手に入れたいと思う。

武器

新宿の鳥茂で待ち合わせをしていた。

席に着くと間も無くしてNが現われた。

久しぶりの再会だった。
イコムを退職して8ヶ月ほど経っていた。

彼は新卒一期生、今年で10年になっていた。
その間に新卒の後輩と結婚して子供が生まれた。
奥さんは、産休後の3ヶ月前から仕事に復帰している。

酒を酌み交わし、様々な話しをした中で印象に残ったことがある。
Nはアウトドアのコンテンツを配信する企業に転職した。
今は編集長になっていて、彼の実力を存分に発揮しているようだ。

転職して1年も満たない中で、上司から認められた要因は何か尋ねると、掃除だったという。
イコムで学んだ「徹底した清掃と明るい挨拶」これを実践してきたおかげで、自然と身に付いたことが、誰よりも早く会社に出勤して、徹底した清掃をやる。
シンプルにこれを続けていたら、編集長に任命されたそうだ。

イコム在籍当時のNの上司は今でも語っている。
皆んな、冬にもかかわらず汗びっしょりになって掃除をしている。
Nが模範となり毎日コツコツ続けていた。
これがイコムの文化で他社にも誇れることだと。

それを自ら証明させたNを誇りに思う。
外に旅立ち、イコムで学んだ教訓を生かして、新しい職場で発展している姿は本当に嬉しく思う。
新しい風をもたらし、会社や働く人々に良い影響を与えて更なる進化を遂げて欲しい。

Nも小供が生まれ一家の主人としての責任を感じているようだった。
それは、武器を持つ事で将来を担保することにある。
Nは編集長として成果を出す事で武器を得て、業界での地位を確立して、例え今の会社がなくなっても、どこでも必要とされる実力をつけること。
それが、編集長としてのポジションから可能になったと話していた。

武器を得る事によって、ようやく思う存分楽しんで戦えるような印象を受けた。
武器は更に磨きをかける事で強靭なものになるだろう。

今はお小遣いが月3万円だそうだが、彼なら武器に磨きをかける事で数十倍になるだろう。
長年彼を見てきて確信できる。

そして、調子に乗ってキャバクラで遊んでいると、勇み足で奥さんに叱られて減額されるだろう。
これのいったりきたりは容易に想像できる。

但し、誰かのような完全に土俵を割ってしまう事はないだろう。