株式会社イコム 社長 早川徹
埼玉の社長   田舎暮らしを夢見る人のマルチハビテーションライフ

不動産市況

歴史は繰り返される。

96年、07年、そして19年と続く。
不動産市況のバブルが崩壊し、売りが売りを呼び下げが止まらず、倒産が急増して銀行がお手上げになる。

その前年には、活況に沸いていた市場に波の前兆が見えてくる。
やがて調整局面が訪れ、買い手より売り手が上回り、銀行の与信が厳しくなって、バブルが崩壊するというプロセスを30年周期でぐるぐる回っている。

最近では、建築コストが大幅に上昇していることもあって、ホテル用地を取得したがプロジェクトの採算が合わないと判断、更地のまま転売している状況も見られる。

新築マンションも在庫が溢れて販売に急ブレーキがかかっている。
4、5年前に新築された未入居マンションの販売チラシがポストに入ってくる。

不動産業者の在庫がリーマン前のピークを超え、完全に分岐点を超えた模様である。

東京オリンピックまでは大丈夫だろうとの見方が多く、直近5年間は不動産市場は活況を呈してきた。
しかし、多くの人が信じてきた市場が脆くも崩壊している。

シリコンバレーの某有名な経営者の言葉が蘇る。

「世間の多くの人はXを信じているが、本当の真実はXの逆である」

10年に一度訪れる不動産バブルの崩壊、誰も買わない、買えない心理が働いている市況こそが、それを意味
している。

そして、お金持ちは一等地が売りに出れば価格は気にしないで買うだろう。
評価経済の富裕層と実体経済の普通の人に分かれる。
すなわち、金持ちは価値で買うが普通の人は価格で買うのだ。

これから不動産の醍醐味を味わう事ができる、本当の買い場がやってくる。

蕎麦湯

住宅地の中にひっそりとあった。

「玉笑」ここで一度、蕎麦を食べてきた方がいいよ、鮨早川の弟が言っていた。
食通の常連さんから聞き評判がすこぶる良いらしい。

表参道から歩いて12分ほどにある店の前には、すでに多くの人が並んでいた。
時刻は午後6時になろうとしていた。
ラストオーダーが7時30分、閉店が8時なのでこのまま並んでいても食べれる保証はなかった。

7時が過ぎた時点でまだ3番目だったので、難しいと思ったが、神様に間に合うようお願いした。
しかし、時計は7時30を回ってしまった。
ラストオーダーが終了し、これまで待ったのが徒労に終わると思われた時だった。

待合室の引き戸を開ける音がして、店員さんがメニューを持ってきてくれた。
そこで予め注文をすると、ほどなくして店内へと案内された。

周りを見渡すと和の雰囲気がとてもしっくりきたが、テーブル席とカウンター席を合わせて16名の狭い空間だった。

残り20分で食べなくてはならなかったが、蕎麦焼酎の蕎麦湯割りが最初に出てきた。
つまみには、板わさ、味噌焼き、蕎麦がき、豆腐を注文した。

蕎麦湯割りを口にした瞬間、これまで味わったことのない、蕎麦の香りと旨味が心身に染みるような感覚に、幸せ感が充満していた。

本丸の蕎麦はもちろんのこと、蕎麦湯の質に圧倒的な違いがある。
何でこんなに蕎麦の香りと旨味が凝縮されているのかと思うほど、蕎麦湯のクオリティーは高かった。
蕎麦湯だけでも味わいに来る価値はあるだろう。

20分で蕎麦湯割りを3本、つまみと蕎麦のおかわりをせわしなくいただいたが、そんな短い時間でもこんな美味しい蕎麦湯をいただけて、本当に本当に良かったと思える素晴らしいお店だった。

神様に感謝する。

忘れ物

食事会のあと個人タクシーに乗車して自宅へ向かった。

酔っ払っていて、乗車した直後から記憶がなくなっていた。

帰宅するとスマホがない事に気付いた。

ハッと思い、帰りのタクシーの中に忘れたかと考えて電話をしたが、午前9時からの受け付けとの伝言が聞こえてきた。

朝の目覚めと共にスマホの事が気になっていた。
もしかしたら、店に置き忘れたのかも知れないと考えていた。

朝一番で個人タクシー協会に電話した。
受付の女性は忘れ物は最寄りの警察署に届ける事になっているので、近くの警察署に行って確認してくださいと言われた。
警察署のネットワークでパソコンからどこの署に忘れ物を保管しているか見れるようになっているようだ。

A署の落し物受付に行った。
すると、ちょっと暗めの女性が調べてくれた。
しばらく待ったあと、どこの署にも保管されてないと言われて愕然とした。

すると、あとは店しかないと思い、少し早かったが電話してみると繋がった。
あってくれと祈るような気持ちで聞いてみると、昨夜はスマホの忘れ物はないと言う。
いや、そんなはずは無いと思うので、もう一度調べて欲しいと訴えた。

ない。
何故だろうと思いを巡らせていた。

店かタクシーしか考えられないし、誰かに持っていかれたか、あるいはドライバーが持ち帰りまだ警察に届けていないかも知れないと思った。
しかし、協会に確認すると忘れ物はその日のうちに届けるよう指導していると言う。

もう探すのを諦めて、なるべく早く新たなスマホを調達する手段を考えると同時に、他の署に行ってもう一度、駄目もとで調べてもらおうと考えていた。

O署に行って受付を訪ねると明るい男性が調べてくれた。
まったく期待せずに待っていたが、何とS署にどうやら似たようなスマホがあるという。
早速、S署へ向かい確認するとあったのだ。
間違いなくスワロブスキーのカバースマホが目の前に現れた。

嬉しさと同時にA署の暗い女性署員に怒りを覚えた。

役所の場合、おしなべて個人的な力量が問われる場合が少なくない。
何のために仕事をしているのか、誰として社会に存在しているのか、このあたりの個人差が大きいようだ。

しかし、スマホが見つかった事で、その思いを上回る喜びが充満していた。

24

令和の幕開けとなったゴールデンウィークは、雨模様から一転して晴れ日和となった。

Amazonで本5冊を注文したのが16時ごろだったが、翌日の午前中には全てワンパッケージで届いた。
24時間以内にスマホからワンタッチで手元にあるという現実にAmazonの進化を感じていた。

近頃、書店の店じまいが加速度的に見受けられるのも当然だと言える。

また、Amazonプライムビデオで24というアメリカの映画を見た。
これもシーズンを重ねるごとに面白くなり、ハマってしまうとあっという間に半日くらいになる。

ここまでやってくれると、Amazonプライム会員の値上げも充分に納得出来る範囲である。

Amazonを通じて24という数字を意識していた。

初めて車を買った時のナンバーが24の数字だった。
誕生日も24日で、ラッキーナンバーは6であるから、2と4を足した数字になる。

そんな事を思いながらプライムビデオを鑑賞したり、本を読んでいるとあっという間に24時間が過ぎていく。
朝方、腹がへってどんぶりご飯が食べたくなったので、24時間営業している吉野家へ久しぶりに行った。

メニューも見ずに、並とお新香、味噌汁を注文した。
店内にはカレーの新商品のアナウンスが流れていたのでメニューを見るとバリエーションが昔よりはるかに多くなっていた。
多様性のあるメニュー構成にする事が時代に合ったスタンスのようである。

店員さんも若い外国人の方で、しっかりとオペレーション業務をこなしていた。
コンビニを含め24時間体制を整えるとなれば、無人化されていく流れは速いだろう。

恵比寿の雑居ビル5階にひっそりと店を構えて6年近くになる。
看板もなく、ビルの外から見てもエントランスからも初めて訪れた人は、鮨屋があるとはまったくもってわからない。

9歳下の弟は、実直な人柄と技術で世界中から著名人を引き寄せている。

名古屋の友人Mからリクエストがあり、久しぶりに店に顔を出した。

いつもながら高くて美味い店は当たり前だと思っている。
すなわち、コスパ重視からすると鮨早川のコンセプトに共感するところはない。
とはいえ、たまに行くと普通の鮨屋では体験出来ない世界が待っている。

Mもかなりの食通だが、細かな味付けに舌を巻いていた。
弟の真骨頂はネタそのものを最大限に引き出す創作的な料理にある。
例えば、白身にしても何日か熟成したものを塩やポン酢で出したり、鰹の味付けにガーリック風味の塩を使ったりする。

ノレソレという穴子の稚魚をたまごと海苔で和えた一品は絶妙な組み合わせで、Mも5年ぶりに食べたようだが、この合わせ技に感心していた。

また、まかない料理だという大トロの筋焼きや、イカの頭を細切りにして生姜を混ぜたものは、本丸より価値が高いと思わせるほどだった。
むしろ、コスパ重視派からは、このまかない料理バージョンに絞った商品構成にしてくれた方がよっぽど嬉しい。

弟に言わせると、兄貴はまったく解ってないと意に介さずにいる。

そんな弟とは、隔週日曜日にゴルフに行っている。
土曜日の夜遅くに店を閉めて、睡眠時間は1〜2時間程度、おまけに練習も出来ない環境と比べ、こちらはベストコンディションでレッスンに通い練習しているにもかかわらず、いつも弟には負けている。
もう、悔しくて悔しくてたまらないのだ。

センスの違いはあるだろう。
しかし、それだけで片付けられては、努力は報われないではないか。

そんな思いをしながら、今日も負けて悶々としている。

ウイスキー

久しぶりに遅くまで飲んでいた。
東京ウイスキーライブラリーに入った。

表参道では珍しく午前3時まで営業している。
午前0時を過ぎていたが、満席で入れず20分ほど待つことになった。
週末とはいえ、広い店内は外国人と若者で賑わっていた。

表参道のブランドショップが並ぶ通りから一本入った、人通りの少ないエリアで、外からは看板もなくひっそりとしているので、最初はたどり着くまで少々戸惑ってしまうだろう。

約1200種類のウイスキーが図書館のようにウイスキーが棚いっぱいにずらりと並んでいる。

時をかけながら円熟していく琥珀色のウイスキーが図書館の本のように並ぶ情景は、マニアックにはたまらなく響くだろう。

ウイスキー品薄状態の中で、これだけの商品ラインナップを揃えているのは、圧倒的なバリューとなっている。

カウンターでメニューを眺めていたが、あまりにも種類が多くどれを選んでいいか迷っていた。
スコッチが好きなのでバーテンダーにオススメを聞いてみた。
すると、高飛車な態度でピート、ブリニー、エステリー、どのタイプがいいか聞いてきた。
そのような聞きなれないワードは知る由もなく、何ですかと質問するのもしゃくなので、スモーキーでライトな感じのやつと言った。
すると、バーテンダーは予算を聞いてきた。
高いのはワンショットで1万円を超えるものもあると言うので、高くて美味いのは当たり前、コスパいいやつをチョイスしてよと返答した。
うーむ、と難しい顔をしながら考えていたので、めんどくさくなって最近飲んだグレンリベット18年をロックで注文した。

専用のグラスと氷で飲むと香りと味が一段と違ってくる。
ウイスキーのうんちくを知るともっと楽しい会話になるだろうと思った。
高飛車なバーテンダーは、人を見て仕事をしているのは明らか、こちらとしても会話が弾むレベルまで学ぶことで、彼ともっと仲良くなれるかも知れない。

ウイスキーの世界は奥が深い。

ゴルフコンペ

富士山がくっきりと見えていた。
車を走らせながら目の前に大きく現れ、3分の2が雪で覆われていた。
日本の象徴とも言える圧倒的な存在感に感激していた。

武蔵カントリークラブ笹井コースに着いた。
名門コースと呼ばれる場所で銀行のコンペが開催された。

スタート前に初参加の挨拶をした。
組み合わせ表を見ると、地元の老舗企業が多くあった。
二代目の若を中心としたコミニティが会を盛り上げている印象を持った。
とはいえ、若と言っても60近いのだが。 笑
このゴルフ会も歴史があるようで、銀行にとっては重要なイベントの一つになっているようだ。
唯一、支店長がプレヤーとして参加したが、課長は事務局としてスーツ姿のままスタートホールに立っていた。

風が強く寒いにもかかわらず、忍耐強く7組のスタートを見送る姿を見て、何とも切ない気持ちになった。
思わず声をかけてしまった。
「スーツ着てそこに立ってないで、一緒にプレーしましょうよ」
すると、事務局としてのお役目がありますから、という返事が返ってきた。

彼は仕事として完全に割り切っていた。
むしろ、伝統的な会の進行役として、先輩方から受け継いでいる使命感のようなものがあるのだろう。
支店長にしても、出来るなら普通に仕事をしていた方がいいのかも知れない。
普段見せない表情を浮かべていたのが印象的だった。
気を遣いながら笑顔を振りまいていた。

最終組でのスタートになったが、さすが名門クラブだけあって景観は素晴らしく、桜が満開でフェアーウェイの両サイドは見事なまでの桜を見物できた。
60年の歴史を誇る風情があり、富士山と共に桜の花がコースを引き立てている。
まさに、日本を象徴する景観に感動した。

強風によりスコアはまったくで100を超える有様。
しかし、プレー終了後のパーティーで順位が発表されると、トップは何と80のスコア、強風はいい訳に過ぎなかった。
貸ビル業をしている方だったが、もはやゴルフが生業としているような優勝のコメントだった。

初参加した印象は、少し重い空気感があり、女性や若手がいなかったのは、会としてリフレッシュする空気感に変えていく必要性を感じた。

熟練の店

上野駅で待ち合わせをしていた。

予定の時間より30分ほど遅れてくると、K氏より連絡があった。

19時ごろになるとまだ肌寒いので、どこか店に入ろうと近くをうろちょろしていた。
上野界隈で飲むのも久しぶりで、アメ横あたりをぶらついていると、オープンテラスで賑わっている焼き鳥屋をちらほら目にする。

気になる店があったので、のぞいてみると店内は狭いが、賑わっていて雰囲気も良かったので、ここへ先に入って一人で飲んでいた。

カウンターに座ると江戸っ子風のおばちゃんが元気よく注文を取りにきた。
小料理店「志んせい」創業76年の熟練である。
枝豆とイナゴを注文してハイボールを飲んだ。
周りを見渡すと皆おでんを注文していた。

おばちゃんにおでんの話題を振ってみた。
思った通りおでんの出汁は、創業時から継ぎ足し継ぎ足しで、伝統の味が継承されていた。
K氏が来てから注文しようと思い、どれにしようかおでんの具に目が釘付けになっていた。
すると、隣の男性がイイダコが美味いと言った。
更に、牛すじやたまごもいいと後ろの方から聞こえてきた。

おばちゃんにさりげなく聞いてみた。
駅から近い場所だから一見さんが多いと思ったが、馴染みも結構いるみたいだね。
すると、76年やってるから馴染みも多いけど、一見さんも半分くらいはいると言う。

しばらくしてK氏が現れた。
仕事の帰りで長引いてしまい、申し訳なかったと言って隣のカウンターの席に座った。
すると、黙々とある仕事の課題について話し始めた。
こちらは、おでんを早く注文したかったが、夢中で話しをしているため、話の腰を折るわけにもいかず、おでんを注文する機会をうかがっていた。

しばらくの間、Kは脇目も振らず飲みながら話していて、未だにおでんが注文出来ていなかった。
こちらも話を聞いているフリをしながらも、タイミングを計っていた。
よし今だ!話の間が空いた瞬間を逃さなかった。

イイダコ、たまご、牛すじ、大根、ガンモ、早口で滑舌が悪かったようで、おばちゃんは何を注文したのか理解していないようだった。

しかし、そこは熟練の店である。おばちゃんは注文したおでんをきちんと出してくれた。

2人でおでんをつつきながら飲んでいると、出汁の染み込んだ各種おでんの美味さに目を丸くしながら見つめあっていた。
それからの時間は江戸っ子風のおばちゃんに日本酒を振舞いながら、熟練の店の話題で盛り上がった。

花見

駒場公園での花見に招待された。
前田伯爵邸の中庭にはすでにたくさんの人々が集まっていた。

突然人盛りが出来たと思ったら安倍首相が現れてシャッターの嵐になっていた。

東門から入った時にSPらしき男がいたので、誰か政治家が来ていると感じていたが一国の首相が来ているとは思わなかった。

主催者が有名な某シェフともあって、場所どりは完璧なスチエーション、広いスペースを陣取っていた。

周りを見渡すと花見と称して飲みに来ているかのごとく、酒を飲む姿が目立っていた。

我々も席に着くとコミニティと融合してハイボールで乾杯となった。

最初は桜を眺めながら花見気分に浸っていたが、徐々に飲むにつれて花がどこかにいってしまった。
すなわち、花見とは桜を観賞するより、酒を飲んでさわいでいることに本質を見出した。

この記事を書きながらも、昼からの酒が回り始めていて、酔っ払いながらの程である。

今日はこの辺でお開きにしたい。

満月とはじまり

満月の夜だった。

そこに入ると男女の若者2人がイベントの準備をしていた。
クラフトビールとフランス大使館で腕を振るうシェフお手製のオードブルが美しく並んでいた。

参加者は9名、初対面の方が4名おられた。
宇宙人と思われるメンバーが集い、ゆるい感じでスタートした。
おしなべて皆さん感性の鋭い方々だった印象がある。
年齢も若く20代が半分くらいで、年長者としては非常にフレッシュな空気の中、終始心地よく自然体でいられる事が出来た。

不思議だったのは、これから縁が広がって親しくなるような感覚が湧いてきた。
みんな頭で考えるタイプより感覚で世の中を取り入れ、感覚で世の中へ表現するタイプである。

参加メンバーの中に長男が参加していた。
事前に興味があるので参加したい旨の連絡を受けていた。

彼も変わり者で、コミニケーションが普通に出来ないようで、しばしば不審者のような振る舞いをするようだ。

最近、友人のアーティストTを紹介したところ、しばらくして彼のショップに行き作品を買ってきたものを見せてくれた。
こちらとしては、一度紹介しているのでTとは普通にコミニケーションしていると思っていた。

それから間もなく、Tとランチをする機会があり、そのことを伝えたところ長男が来た事を知らなかったようだ。
少し間をおいて、Tは思いついたように苦笑いしながら言った。

「あいつだったのか。そういえば、サングラスをした怪しいやつが1時間近くショップをうろうろして、身に危険を覚えたよ」

そんな変わり者の長男も満月の夜に出会った魔王のようなA氏とご縁があるようで、将来はA氏の部下として働くような仕掛けになっているようだ。

この満月の夜からはじまるコミニティが楽しみである。