地方にアクアポニックスが雇用を創出する。

地方にアクアポニックスが雇用を創出する。

対談
Talk

イコムが注目する”アクアポニックス”。
その経緯と現場、未来について宮坂様、
天然村に住み込みでアクアポニックスを学び、運営するイコム西川との対談をご紹介します。
宮坂陽一郎

宮坂陽一郎

一般社団法人日本アクアポニックス協会理事

ルーセントC株式会社代表、一般社団法人日本アクアポニックス協会理事。
2011年に千葉県長生郡に移住を決意。引っ越しをして間もなく、東北地方太平洋沖地震を目の当たりし、ソーシャル・アントレプレナーとしての道を目指す。
インターネットでアクアポニックスの情報を知るのをきっかけに、元エンジニアとしての制作魂に火が付き、自作のシステムを開発。
試験運用を重ね、自宅にアクアポニックスファームを完成させた。現在は、アクアポニックスに関するコンサルティングをはじめ、関連する商品なども様々開発のうえ販売するなど活動の幅を広げている。

http://www.lucentc.com/aquaponics/index.html

西川久登

西川久登

株式会社イコム天然村事業部村長

株式会社イコム 天然村事業部NEW村長。
2011年8月、株式会社イコム入社。徳島県出身の27歳。現在はアクアポニックスの専門的技術を身に着けるため、宮坂氏の指導により猛勉強の毎日。

http://tennenmura.com/

- まず宮坂さんの簡単なプロフィールをお願いしても宜しいですか?
宮坂さんはアクアポニックスのビジネスを始められて何年目になりますでしょうか?

宮坂陽一郎

そろそろ5年になると思います。

- 元々どういう経緯でこのビジネスを始めることになったのでしょうか?

宮坂陽一郎

そうですね。始めた当時はそれまでにいろいろと会社をやっていて、これからはソーシャル・アントレプレナー、要は社会に対しどんな貢献ができるか?を考えていました。

ちょうど私が会社をいくつかやった後にいくつかボランティアも経験する機会があり参加してきましたが、そのまま続けてもこれには持続性がないんですね

例えばNPOでも補助金を元に運営をしておりますが、それこそ補助金が切られてしまえばその時点で活動は終わりとなってしまいます。

ちゃんと事業として成り立つけれども、社会の何か役に立てるような。そんなことを考えていました。

ちょうどそのタイミングで千葉の方に引っ越すことになったのですが、引っ越して3~4か月目にあったのが、あの3.11です。

あのような状況が起きて社会が一遍する瞬間を目の当たりにしたとき、運よくアクアポニックスをネットで見つけたんです。
アクアポニックスを始めたのはそれからですが、動機づけとしてはバッチリでしたね。

- その時アクアポニックスで解決できると思った社会的課題というのは何だったんですか?

宮坂陽一郎

まずは雇用の創出だと思いました。それから農業の次の世代の担い手に対しての魅力づくり。あとは高齢者、あるいは障碍者などの福祉利用などです。今まで大変だと言われた農業が気楽にできる。

しかも、今までのような農薬や肥料を買ったり草むしりをしたり、機械化をしなきゃいけない等のことから除外されて、手軽に無農薬の有機野菜が作れるということで、当然生活も成り立つと。例えば若い人が移住してきて新しく始める事にも役に立つだろうし、結果的に地域の活性化につながる。

特に遊休地や、耕作放棄地とか、そういう荒れた空き地がいっぱい周辺にありますのでそういうものの役にも立つと思いました。

対談

- 西川さん、そもそもアクアポニックスとは何かというのはご存知だったんですか?

西川久登

言葉自体はどこかで聞いたことがあったかな?くらいですよ。
厳密には何かというのは全く知らなかったです。

宮坂さんの指導を受けるようになり、アクアポニックスとはこういうものだという知識が入ってから腑に落ちつつあります。何となく自分の中での理想とする絵みたいなのはイメージとして固まってきたかなと思います。

- なるほど。宮坂さんの経験の中でも天然村サイズの大きい施設をつくり事業化させるというのは初めてのようですが、西川さんのようなまだ始めたばかりの青年と一緒に仕事をするというのに不安などはありませんでしたか?

宮坂陽一郎

そうですね。なかなか伝えるのは大変だなというのは感じましたね。(苦笑)

よくアクアポニックスの話をする時に中学校一年生ぐらいまでの理科の勉強ができれば、ということをお話しするのですが、一般的にはそれも結構ハードルが高いようで…。私自身も中学生の時はあまり勉強していなかったので、中学レベルのというのもどうかと思うのですが、やはりアクアポニックスの表面的な部分だけで始めてしまうとどうしても失敗してしまいますね。

ある程度後ろにある理論も含めて、定性的にでも把握されるのが望ましい。何か問題が起きたときにすぐに対応ができないというのはあると思います。

そういう意味で、ある程度深い知識というのは要求されることはありますね。

対談

- なるほど。
話の視点をガラリと変えたいのですが、イコムという会社とアクアポニックスを通じて知り合う機会があって、もう一年ぐらいになりますね。不動産の会社がこういう事業を立ち上げたいと言った時の率直な感想はいかがだったでしょうか?

宮坂陽一郎

私は地方の活性化というところにフォーカスしていたので、イコムさんの早川社長とお会いして色々とお話を伺って、あ、都市部でもそういったニーズなり可能性があるんだということをすごく感じて、世界が広がりました。

地方で空いている土地で人を集めたり、雇用を創出するのに使うだけじゃなくて色んな応用の仕方があるというのはある意味でショッキングでしたが、目から鱗でしたね。

対談

- 西川さん、これまでの宮坂さんとの共同作業の中で面白かったエピソードとか思い出に残っているような、印象に残っているようなことは何かありますか?

西川久登

印象に残っていること・・・

宮坂陽一郎

カラオケですか?

- カラオケ?(笑)

西川久登

ほぼ徹夜で水質管理とかね。(笑)

- そんなこともあったんですか。(笑)

対談
西川久登

以前宮坂さんの指導のお話でもあった話ですが、
農業は科学に裏付けされていて、農業は歴史が長い分そういうのが確立されていると思います。

おばあちゃんの知恵袋とか先人の知恵というものは実は科学的に実証されている理にかなったやり方であって、生活の知恵はそういう部分があるなと。

アクアポニックスはまだ歴史が浅く、そこがまだ常識として認知されていないレベルなので、分からないことだらけです。例えば何かトラブルがあって最初にやることは仮説を練って実証して…といった対策から一連の流れを組むことが重要です。

現実いまの天然村のシステムではフル稼働できていない環境下にあるのですが、ある意味でその問題解決を一つ一つ結果を出していく作業は、達成感を感じています。科学的には理由があって原因があることでも、裏付けの仮説が曖昧だったりするといつまでも問題が解決されないままにあるんですね。

アクアポニックスは一言でいえば水が流れさえすればうまくいくというシンプルの構造にあるということを考えた時に、その流れる水が腐っていたという時がありました。いまでは笑い話ですが、その時は結構ショックでしたね(笑)それの対応がなかなか・・・

宮坂陽一郎

理由は意外にも簡単なことだったんですけどね。

西川久登

これが教える時の難しさだと思うんですが、分からない人って分からないことが分からないんですよ。(笑)

しかも、宮坂さんは理系で、僕は文系なんで!中学レベルの理科や生物さえ分かっていればというレベルまでいっていないんですよね。(笑)

- これが教える時の難しさだと思うんですが、分からない人って分からないことが分からないんですよ。(笑)
しかも、宮坂さんは理系で、僕は文系なんで!
中学レベルの理科や生物さえ分かっていればというレベルまでいっていないんですよね。(笑)

対談
西川久登

規模は別にしても、海の生物を養殖したいですね。農業の新しいスタイル、漁業の新しいスタイルという以上に、山奥で隔離されたボロボロになった民家の中でも野菜が採れて、海の魚が採れるというのは結構面白いと思うんです。

山奥だけれども、そこでアクアポニックスを入れることによって海産物の特産品ができるというのはなかなかその土地のものを生かすという以上の価値があるかなと思うので、そういうことは実験的にやっていきたいと思います。

宮坂陽一郎

そうですね。イコムさんとのご縁で、一般社団法人日本アクアポニックス協会とう法人を設立することができました。

これから少しずつ実現できると思っていますが、アクアポニックスの正しい知識を日本に広めようということです。

ネット上では海外の情報というのが氾濫しているんですけれども、それらの多くは間違った情報が広まっているというケースが割と多いのを皆さんご存知ではないようです。

科学的な裏付けもとより正しい知識と技術を学ぶ場として学校のようなものを実現できればと思っています。

- いま、「学校」というお話がありました。もう少し詳しく伺ってもいいですか?

宮坂陽一郎

そうですね、この天然村というこの施設は非常にアクアポニックスを広めていくための学校としてぴったりな環境なんですね。

アクアポニックスの施設としては日本で初めてぐらいの商用システムが設置されているのと、自然に恵まれた環境の中で落ち着いて学べる。

なおかつ宿泊施設も充実しているということでじっくりとアクアポニックスを学んでいただけるというところでは非常に条件が揃っているのと思います。

これをうまく生かしてこれからカリキュラムを事業としながらアクアポニックスを学ぶ学校を作っていくという。

それは是非これからやっていきたいと思っています。

- なるほど。若い方たちが集まれば、もっと面白い商用利用のアイディアなども出そうですね。

対談
西川久登

面白そうなこと・・・お風呂とかどうですか。

宮坂陽一郎

熱帯魚と一緒に入れるとかね。(笑)

西川久登

ドクターフィッシュですね。水族館に近いものができるかと。(笑)
足湯いいかもしれないですね。ありですね。

ですけど、足をつけたところの水で育った野菜とか魚って食べるのに抵抗がないかなと、ちょっと疑問ですね。(笑)

- あ、そろそろインタビューとしては限界なところに話が向かってきているかと…

西川久登

そこの循環だけは、花とかにしましょうよ。

宮坂陽一郎

それだったらありですね。
花とか観葉植物など食用以外にも植物を育てるのは可能です。

西川久登

腐っている水より全然ましかもしれない。(笑)

- 最後になります。宮坂さんにとってアクアポニックスとは。

宮坂陽一郎

アクアポニックスは最近いろいろやっていく中で感じている事ですが、特にまだ日本の状況あるいは世界の状況を考えた時に、一次産業、その中でも農業と漁業の救世主となり得る技術かなと感じていますね。

今までの既存の農業や漁業ではなかなか行き着けないところにアクアポニックスであれば行けるのではという可能性が非常にあるという事です。そういう意味で私にとってアクアポニックスとはまだ未知であり、無限の可能性というところでしょうか。

ユニークな発想を持つイコムさんの不動産活用にアクアポニックスが取り上げられたこと自体そのものですね。本当に感謝しています。

西川久登

入社して3ヶ月4ヶ月ぐらいで、ポっと湧いて出たような話というか、いろいろとタイミングが重なってこういう環境に身を置けているのはありがたいことだと思っています。

トラブルはありますけれども、最前線でやれているのは面白味を感じています。今後は天然村から外に出て、どんどんアクアポニックスの活用方法を広めて行きたいです。
あと、足湯やりたいです。

- ありがとうございました。

「命を守るという仕事にONとOFFはない。」
  • 横山 知由株式会社イコム 採用Gマネージャー
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  • 寄田 勝彦他力サンガ 代表