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社長ブログ2012.01.26

一坪商売

知人の紹介で、ある人物に会いに伺った。
目的は店舗の視察にあった。

御自身の引退に伴い、店じまいを考えていて売却を考えているそうだ。
浅草の駅を降りるとすぐそこに店舗があったので驚いた。
永年この仕事に携わっているが改札のすぐ隣にある物件など聞いた事も見た事もない。
75歳になる肌ツヤの良いご年配の方が、カウンター越しにお客様と話をされていた。
私はそのお客様が帰るのを待っている間、そばで立っていて人の動線を観察していた。

意外に外国人は少なかった。
観光客の場合は電車を利用するよりも、バスやタクシーの方が多いのだろうか。
ビジネスマンや年配者の方が多いようである。
それに比べると学生以外に若い女性は少なかった。

そんな観察をしていたら、お客様がお帰りになったので、私は店舗に招かれて狭いスペースの中に入った。
名刺交換をすると、開口一番「貴方は運の強い人だ」と言う。
勿論、言われて悪い気はしないが続けざまに占星術とか気功の「気」に関することや健康に関する書物やドリンクを見せて頂き、そのエネルギーに圧倒されてしまった。
おまけにネットワークビジネスをやっていて、それのモチベーションが凄く高いのだ。
果物屋を本業としながらも色んな勉強をされて、チャレンジングな方である。

話を聞いているうちに昔の話になった。
50年前にここで商売を始めて大儲けをしたそうだ。
自慢気に話す事なく淡々にお話しをしていた。
一坪商売の醍醐味は、一日中お客が途切れない事だったという。
朝は始発に合わせ5時から準備を始め、終電の12時まで営業しているので、奥様と二人で交代勤務だったとしても大変である。
おまけに祭り事があると、家に帰る気力がなくなるほどフラフラになるそうだ。

この商売の秘訣は仕入れにあった。
私はそれを聞いて驚愕してしまった。
昔は市場で鮮度が微妙になったバナナ等は色が変わると商品にならないので、向こうから言い値で買ってくれと言われるそうだ。
トラック一台分の山のようになったバナナを買取り冷凍保存して、それをミキサーで他のフルーツとブレンドしてジュースとして売りまくった。
利益率85%なり。
利は元に有りとは正にこの事である。

今は体力も続かなくなったので店じまいをするそうだ。
しかし、現役を退いた後もネットワークビジネスは継続するそうだ。
何と言う商売に対する情熱か。
いや、お金大好き人間とも言えそうだ。
私が同じ年齢になったとしてもそのパッションがあるかどうか、正直自信はない。
これから始まる店舗売却の値交渉が非常に楽しみだ。

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