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社長ブログ2016.01.24

チョウザメ

久しぶりにすごい会社を見てきた。

秋葉原から筑波エクスプレスに乗り筑波へ向かった。
初めて乗った印象は普通の車両に比べてシートが硬く感じられた。
車窓から見る田園風景は常磐自動車道で車から見るそれとさほど変わりがなかった。
しかし、筑波へ近づくと綺麗な街並みに変わった。
区画整理が整い、住宅も広い敷地に大きめな家が並んでいた。
屋根には太陽光パネルを備えた家が目立っていた。

約45分で筑波駅に到着した。

今回訪れたのは、チョウザメの養殖で成功している企業であるフジキンさんを訪問した。
目的はアクアポニックスに用いる魚をチョウザメにするか検討していて、実際に現実現場でどのような取り組みがなされているのかを自分の目で確かめ、現場感覚を感じるためにやってきた。

フジキンさんの本業は製造業で、半導体や医療機器のバルブを扱う会社だ。
本社が大阪にあり全国の主要都市には支社があって、アメリカやアジア各地に工場を展開している老舗のバルブ製造グローバル企業であった。

筑波支社も研究所のような施設で、役員室に通されるまでのプロセスはさすが製造業といった印象を受けた。
それは、室内靴に履き替えてすぐのところにアルコール消毒をする仕組みがあり、そこのホールには商品の展示やイベント掲示板があり、非常に全体が整った清潔感のある空間だった。

役員室でチョウザメの養殖に至るまでの経緯を聞いた。
かいつまんで言うと、28年前に新規事業として始めたきっかけは、景気に左右されない安定した基盤を築くため、重要であるが非緊急な取り組みとして、魚の養殖を発想したそうだ。
当初はフグやヤマメなどを検討したらしいが、二番煎じではない日本初のパイオニアとして可能性のあるチョウザメにトライしたそうだ。

製造業との共通点でもあり、自社の強みを生かせる統計的品質管理を魚の養殖にも応用できる要素は大きかったようだ。

しかし、始めた当初は苦労続きで赤字が続く期間がかなり長かったようだ。
実際の養殖施設まで案内してもらったが、そこを見る限りまるで水族館に来たかのような素晴らしい施設で既存の養殖業者とは別格のレベルに驚愕した。

それは、製造業が成せる業できっちりとした環境を作り統計的品質管理の元、養殖されているチョウザメがたくさん泳いでいた。

今この状況だけを見たら普通にチョウザメの養殖がなされて、雌だとキャビアが取れて一匹10万円で出荷され、雄でもキロ4000円と商売としたら立派に成功している。
しかし、始めたのが28年前である。
この期間のプロセスがあってこそ今がある。

何でも直ぐ成果が出る商売は知れている。
試行錯誤を繰り返し失敗を重ね、知恵を集結して成せることだと思う。

そう考えるとフジキンさんはすごいと思うのだ。
創業80年の凄みを感じた。

養殖施設には、大きさによって水槽がわけられているが、最年長のお年寄りが30歳だった。
2歳の時にロシアから輸入して、育成期間を経た後に人工孵化に日本で初めて成功したのだ。

寿命は80歳と言うからほとんど人間なみである。

稚魚から出荷するのに普通8年はかかるそうだ。
このあたりが魅力的だ。
それだけ参入障壁が低いと言えるし、ノウハウも積めるので加工食材としてのポテンシャルも高そうだ。

フジキンさんで育成されたチョウザメたちは都市部のホテルやレストランでキャビアやソテーとして料理されている。

天然村やベジパークのアクアポニックスでは地産地消による加工食材としてチャレンジしたい。

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