鰻屋

会社に戻る途中で通りかかった小さな鰻屋が目に留まり、通り過ぎたのを引き返して駐車場にとめ店内に入った。わざわざ引き返してまで入りたくなる感じがしたのだ。
店は7~8名程しか入れない小さな店だった。2時近くになっていたので店内は私一人だった。
お昼のラストオーダーが2時半だったので何とか間に合った。
メニューを見て鰻丼がランチ限定20食で980円だったので注文した。
主人は見たところ30代後半で奥さんと2人でやってるようだ。待っている間、近所の人らしき婦人がお持ち帰り用の鰻を取りに来た。きっと馴染みのお客に違いないだろう。
ここは注文を受けてから水槽の中の鰻を取り出してさばいてから調理するのだ。
蒸してから焼き上げるまでの時間でおよそ35分かかった。鮮度抜群なので当然美味かった。
いや、それだけではなかった。皮の感じとタレはかつて味わった経験がない位に素晴しく美味かった。ただ、ランチの為に普通の鰻重の半分だったので物足りなかったが格別に美味かった。
やはり引き返すだけの事はあった。美味しい店は雰囲気を出しているのだろうか。私が感じた何かはそれに似ているのだろう。駅から近い訳でもなく住宅街の中で若い夫婦が鰻屋でやって行くとなると、それなりの腕がないと難しいだろう。馴染み客が殆どだろうと思って主人に聞いて見るとそうでもないらしい。ネットで見た新規のお客が結構いるらしい。要するに口コミで広まっているのだ。ネット時代になり感動したお客が自らの体験をつぶやく。本物の商品は自然と広がって行く時代になったようだ。しかし、あまり沢山のお客が来てもこの店の大きさでは入れない。その辺が商売の難しいところだ。