アクアポニックス

天然村を媒体にK氏と初めて会ったのが、今年の7月31日、鴨川の海辺にあるオーガニックレストランだった。
アフリカと日本のハーフの彼は東京で生まれたが、学生生活は大学を含めてイギリスだった。
その後シリコンバレーで映画関係の会社を起業し、バイアウトして日本に一時帰国するも3:11に遭遇して、これからの生き方を見直すきっかけになったと言う。

彼と話して印象に残った言葉が、循環型社会とオーガニックだった。

循環型とは低エネルギー消費生活、オーガニックと掛け合わせるとロハスになる。
ロハスとは天然村の原点にあたり、健康で持続可能性のあるライフスタイルだ。

もう一つ、アクアポニックスである。
これが循環型の小世界を意味する商品でヨーロッパ、特にドイツで実用化されている商品である。
魚と野菜をそれぞれ別にして、水槽の中にいる魚が排出する固形廃棄物が植物の栄養になり、自然発生する微生物が魚の栄養になる、魚と野菜を同時に育てる再循環型システムである。

これが天然村のコンセプトと一致する事で、色んな可能があることを示唆してくれた。
ただいま、天然村で試作品を作っていて、年内に様々なデータ取りが行われる。

彼の父親の故郷、アフリカのタンザニアに訪れた際に、貧困で食料不足の事情があると思い込んでいたが、現実を見た彼は衝撃を受けたそうだ。
現実は果物の樹木が数多くあり、地面には幾つもの果物が木から落ちていたという。

なぜ、これだけ豊富な果物があるのに人々は貧困なのか、彼は不思議に感じて実態を知るべく、調べてみるとある経済システムが浮き彫りになった。

隣の地域で果物を加工、商品化したものを仕入れている構造になっている。
タンザニアには資源が豊富に存在しているが、これを地域で商品化しないので、この現実に何の疑問を持つ事なく、貧困の生活から脱却出来ずにいる事にギャップを感じたと言う。

このような事は国内の地方でも多くの実例が見られる。
農家が生産した農産物の流通の構造が同じである。

K氏は自ら農業を生業としている。
年度初めに農業委員会との話し合いの場があるそうだ。
予め決められた品種の中から、生産量と販売価格を割り出し、そこから肥料等の諸経費を差し引いて実収入を算出している。

新しい品種のチャレンジや、消費者に直接販売するルートを構築するような試みも一蹴されるようだ。

要するに農業の構造が何らタンザニアと変わらないのである。

このギャップを何とかしたい。

彼は力強く言い放った。

そして、起業家の経歴を持つ彼は壮大なヴィジョンを持っていた。

世界を視野にギャップのある地域に貢献したいと。

来年彼と一緒に農業生産法人を設立する。

それぞれの夢を実現させる為にアクアポニックスを突破口に天然村が新たなステージに進む。