緻密な配慮

新幹線の座席についてからしばらくすると、前の座席に来たのが何と現地で待ち合わせしていたH氏ご夫妻だった。

今回はH氏ご夫妻のお招きで軽井沢の別荘へ向かうため、東京駅から新幹線に乗車していた。
偶然にも座席が目の前でお互い顔を見合わせて笑った。

H氏が隣の座席にきてくれ、軽井沢まで会話をして楽しんだ。
これもH氏独特の配慮である。

H氏とは20年以上にわたるお付き合いで、一回り年上になるが、パワー溢れるビジネスマンで、業界のリーディングカンパニーA社のトップとして活躍している。

あいにくの雨だったが、中軽井沢カントリークラブへ向かい3人でプレーをした。
ハーフが終わってクラブハウスでランチをしていると雨が激しくなってきた。
すると、H氏から雨の強い中でプレーするより、映画を見ないかと提案があった。
H氏の頭の中では、雨だった場合のプランも考えてあり、ライオンキングを佐久の映画館で上映する時間まで把握していた。

これも雨でプレーが中止になった時を想定した緻密な配慮だった。
結局、ゴルフはハーフで手仕舞いして、3人で映画を見ることになった。

まさか、H氏と映画を見ることになるとは思いもしなかった。
おまけにディズニー映画である。
普段絶対に見ないジャンルで、お互いライオンキングを見るキャラではないが、おかげさまで良い機会になった。

映画のエンディングを迎えると、隣に座っているH氏がそわそわ座席を立とうとしている。
まだ完全に終わっていないのだが、せっかちなH氏は座席を離れようとしていた。

普通の人は最後の余韻を感じながらしばらく座席に座っているのだが、我々は終わろうとしている前に出口に向かっていた。

映画館で、自分より早く座席を離れる人を見たのは今回が初めてだった。
せっかち度合いが一枚上であった。

3人でライオンキングを見たあと、車で軽井沢駅近くの鰻屋「一期一会」へ向かった。
ここまで完璧なスケジュールで進んでいた。

車の手配から店のセッティング、ゴルフや映画のプランなど、本当に緻密な配慮をいただいた。
H氏の時間管理は徹底していて、ここまで完璧な計算と配慮により素晴らしい体験をさせてもらった。

今回体験したような感動を他の人にもしてみたいと感じた。