キャディさん

こんな人は初めてだと思った。
それは徐々に明らかになっていった。

第165回目の銀行ゴルフコンペに参加していた。

その日のキャディさんは見かけはベテランの方で60歳は超えていたと思う。

最初に驚いたのが、カートにも乗らずにとっとと先に歩いて一方向のボールを追っていくのだ。
4人とも同じ方向であるはずもなく、他の3人は自分たちでボールを探してクラブを取りに行くことになった。
最初はちょうど運動にもなるとプラスに捉えていたが、初めてのゴルフ場なので勘所が掴めない。

グリーン場ではそれが顕著に出た。
右に切れるか、左に切れるか、キャディさんに聞くとスネイクだからまっすぐ打てば大丈夫と自信ありげに言った。
素直にまっすぐ打ってみると右に切れるではないか、思わず切れたじゃん、と発するとあらま、切れちゃったの一言。
次のホールでもピンの位置をキャディさんに確認したところ、グリーンの真ん中だと言うから行ってみると手前にある始末、ここのグリーンでも切れると思って聞いてみるとまっすぐだと断言するも、またしても右に切れて外すことに。
もう、キャディさんの言うことは聞かないから!と言い渡した。

ここまで酷いとは正直驚いた。
勿論、他責にするにはどうかと思う事もあるが、自分原因論には到底及ばない現実があった。

本来のキャディさんの仕事の優先順位を客視点から考えてみた。
先ずは、ボールの着地点を見極めてボールを探すこと、コースの特徴を伝えてクラブを持っていく、グリーンの癖やラインを伝える、ピンの位置を確認する、など細かい事はまだまだあるが、概ねこんなところだろう。

ところが、キャディさんがカート道路にクラブを落として危うく傷がつくシーンがあった。

語気を強くして注意すると周章狼狽していた。