仕入れ

こんな食材使ってるのはうちだけですから。
大将は自信たっぷりに言い放った。

神楽坂 鉄板焼中むら
油を一切使わない技法は価値の創造の賜物だった。

車海老、ウニ、オマールエビ、生ハム、宮崎マンゴー、アワビ、ノドグロ、神戸牛ヒレ、シャトーブリアン、サーロイン、お米、どれを取っても最上の素材を仕入れている。
最上級の素材と一流シェフの技術に唸るしかなかった。
もはや、鉄板焼きの領域を超えた鮨とフレンチの融合した離れ技に放心状態になっていた。

こんな舌鼓を打つ場面は生涯において初めてだった。
コスパ重視派であるが、ここまでの領域になるとそれを超えてしまう。

OMAKASEという予約の取りにくいお店を束ねているサイトがある。

ここにはお一人5万円を超える鮨屋が数件あるが、まったく予約が取れない店がいくつもある。

最上級のネタを仕入れるには、それを仕入れ続けている信頼が必要になる。
どんな不況でお客が来なくとも仕入れを途切れさせるわけにはいかない。
長年培った関係がそれをもたらしてくれる。

一方で、商売の観点からすると、そのようなお店はおしなべて儲からない。
シンプルに仕入れ値が高いからだ。

美学を追求すればこそである。

お客の立場からすると嬉しいが、お店からすればギリギリの闘いを日々繰り返していることだろう。