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卒業と脱皮

こだわり | きっかけ
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イコム本社があるさいたま新都心駅のビル風が肌を刺すような冷たさになってきたのを感じ、今年も終わりに近づいているんだなとしみじみ思った邦高です。このイコム通信は事業部の持ち回り制なので、私が所属する貸地事業部としても、そして個人としても最後の投稿になります。

未来予想図を頭の中で描きながら、今年の振り返りをしている人は多いはずです。私もその一人であり、一昨年から今年にかけて貸地という分野で何を成せたのか、できなかったのか、そしてこれからのイコムはどのような舵を取って行くべきなのかを考えていました。頭の中で一通り整理した後に浮かび上がってきたのは、「何を成したか/成せなかった」という事実より、成したこと/成せなかったという事実から見えてきた共通の学びがあったことです。

 

時間の分配

私がイコムで成したことや成せなかったことは本当にちっぽけなものでした。土地の仕入れから始まりテナントビルの客付け、メンテナンスまで幅広くこなしてきました。ですがその結果でなく目を向けるべきは、自分がやってきたことは事業部のメンバーがいなければ成し得ないことばかりだったことです。当たり前のことを言っているように聞こえますが、この認識がチーム内にあるのとないのとではチーム力に大きな差が生まれます。

例えば、ある社員が大きな成果を挙げ社内での評価が上がっている状況があるとします。よくやったと上司から声をかけられていますが、個人が賞賛されていたとしてもそこには見えないところで関わってくれている人たちが大勢います。これは考えれば分かることですが、ここにある本質は “あなたのかけるべきだった全ての時間を細かく区切り、他の誰かに分配していたこと” です。この社員のみならず、上司も周囲の人間も認識すべき事実です。そしてこれは自分が出来なかったことにも共通していて、達成するための総時間をあなたが上手く分配できない時、つまりあなたが一人で全てをこなそうとする時、ほとんどが上手くいかないことが多いです。結果として、そのタスクが中断となるか、もしくは時間がかかりすぎてしまい出来た時に誰にも求められていない宙ぶらりんな結果になります。

私は複数の事業部での業務の経験を通して、「一人では仕事は何も出来ない」ということを改めて強く、自戒の念を持って学べたことは大きな財産です。そして誰かに自分の時間を分配することはとても勇気が要ることで、それを選択する自由には責任を伴うことなんだと気付きました。

 

自由と責任

以前、ある取締役の方が言っていた「自由には責任が伴う」という言葉がありました。その当時、組織として自由な働き方を実践していこうという方針になり、皆が自由に働きました。ですが、自由という言葉を鵜呑みにし、この言葉の本質的な意味を理解しなかった我々は単に自由に業務をこなしてしまった結果、全てが上手く回らなくなり、業績は落ちてしまいました。組織の中にいる社員は自由という楽園を盾にし、組織は堕落してしまったのです。

「自由には責任を伴う。」
この言葉は、今なら自分の解釈を加えて理解できます。

大きなプロジェクトを任されようとしている時、多くの人はその目標の高さに足がすくんでしまい様々な理由や言い訳を持ち出して「自分にはできない」、「他の人が適任だ」、「今はするべきではない」と答えてしまいます。ですがそれは間違いです。

目標が高ければ高いほど、するべきことを細分化し、計画し、自分がするべきタスク、他の誰かにお願いするタスクや必要な時間、これらを分配する必要があります。そしてこの細分化された時間を、自由に選択し、誰に分配するのかを決めるのは「あなた」なのです。故に、分配を決めたあなたの選択的自由には責任が伴います。

逆を言うと、分配された時間を受け取るあなたにも選択する自由があり、受け取った時には責任が発生します。これはプロジェクトやタスクの大きさに関わらず、どんな業務にも当てはまる考え方です。

 

卒業と脱皮

この考え方は事業部に関係なく、皆が持つべき認識であり、イコムの新しいビジョンが示された今こそイコムに必要なことです。ビジョンとは曖昧なもので、大きな指針であるにも関わらず、そこに到達するまでの道のりは示されていません。「明確な答え」なんてのはないのが事業では当たり前ですが、この答えを作り出すのは紛れもなく組織にいる一人一人なのです。

上から降ってきた数字目標を達成するためだけの行動では、ビジョンの達成には到底及びません。そして経営層が考える道筋が全て正しいとは限りません。自ら考え、日々新たな目標を作り出し、計画し、細分化し、分配し、修正する。これら全てを自由に選択するのはあなたです。そしてその自由に伴う責任は、分配する側、される側の両者にあるのです。時に話し合い、修正することも必要です。今が卒業の時であり、脱皮する準備を始めなければなりません。

自由を選択し、責任を負うことはとても勇気の要ることですが、恐れずに一歩ずつ前へ進んでいった先に素晴らしい景色が見えるはずです。その最初の一歩を踏み出すのはリーダーであり、マネージャーが率先すべきです。

責任を伴った自由は熱を帯びます。

その熱を帯びた「たいまつの火」はあなたの周囲の人に移り、やがて炎となっていくことでしょう。そして、火を受け取った人はまた他の誰かに火を移し続けるのです。集まった炎はイコムの未来を照らし、我々が想像もしなかった思わぬ場所へと連れていってくれるはずです。

自ら発した言葉は自分への言葉として受け止め、これまで以上に精進していきます。

ありがとうございました。


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