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社長ブログ2015.12.20

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この場所にこんな宝があったとは。
地域の資源でこれだと思うものに出会った瞬間だった。

どこまで登るかと思いながらついて行くと溜池のようなものがあった。
休耕田になっている棚田が広がっている。
溜池のあるてっぺんから眺める景色は里山の魅力をすべて表してくれている。
これほど近くにこんな素敵な場所があるなんて想像もしなかった。
ここは天然村に隣接する場所で、日本棚田百選に入る大山千枚田が直ぐ近くにある。

この地域は里山で土地の形状が平らな面が少ない。
そのため、水田は棚田になっていて土壌が粘土質になっている。
山から染み出すミネラル豊富な水と粘土質が稲には抜群な栄養素となるのだ。

地域を代表するK氏に棚田が休耕田になっている現状を案内された。
それと同時に伝統ある棚田農法の説明を受け感銘を受けた。
そして、こんな素晴らしい地域の特性が残っている棚田が存在することに価値を見出した。

K氏曰く、この付近の棚田でも近年は枯れてしまい、下の川からポンプで汲みあげるのが一般的になっている。
一方で、ここの棚田は伝統ある農法で山から染み出す天水を溜池に貯められる。
そこをせき止める事で、ゆっくりと天水を下へ流せる事が可能になる。
この地域の里山では極めて稀少なポテンシャルを持つ棚田である事がわかった。

この溜池こそ由緒ある伝統を受け継ぐ「鯉の池」だった。
名前の由来は里山の住人は海辺の村と違い魚が豊富でないので、動物性タンパク質を補う為に鯉の養殖をしていたそうだ。
正に、我々が現在取り組んでいるアクアポニックスの原点になっている。

この棚田の再活性が地域のテーマであり、休耕田を伝統農法による天水棚田へ復興する事が大義となる。
これこそが私の共感を生み出した。

天然村で寄り合いが行われた。

地区代表S氏と地域代表K氏に来ていただき、これから始まるプロジェクトが話し合われた。

私は2人を前に力説した。
この休耕田を見事復活させようと。
それには地域の組織の協力なくして成し遂げることは出来ない。
それぞれの役割分担が必要で、天然村は都市部の人達を呼び込むオペレーションを、地区の組織は実際に休耕田の原状回復を、地域の組織は都市部の人達に田植えや稲刈りを指導してもらうと同時に稲作についてのレクチャーを担当する。

この役割分担により伝統ある天水棚田が復興し、美しい景観を取り戻すことが出来る。

そして、かつて収穫されたという幻の米が作れると言う。
K氏によれば、昔見た豊かで大粒な米は飴色をしていて、食べるとそれはそれは濃厚で甘味を含んだ素晴らしい米だったと言う。
それが復元出来る取り組みなら是非ともやりましょうと賛同してくれた。
S氏もK氏も笑顔で協力していただく事になった。

まさにこの共感が三者の絆となってプロジェクトが成立したのだ。

来年から始まる天水棚田オーナー制度は、1人5800円〜のプランから用意している。
小学生以下は無料とし、5月の連休から始まる田植えと9月の稲刈りを体験し、自分が作った幻の米を手にする事が出来る。

地域の景観が良くなり、地元に雇用が生まれ、そして都市部の人々が共同作業で成し遂げる達成感を共有する。

皆さん、是非この機会をお見逃しなく!

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