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社長ブログ2016.11.27

ひなびた温泉街

実にひなびた街だった。
普通に受ける印象は、活力が失われた既に終わっている街に映るだろう。
一方で、昔からの街並みが今でも変わらずに整っている希少な環境と言えるだろう。
道に面した人家の群れは温泉街と言うよりも、ひっそりと湯治に訪れる田舎らしい静かで落ち着いた雰囲気の街だった。
有名な温泉街で人が混雑しているより、じっくりと湯治をしてエネルギーを養う場合には、このような静かな環境で、抜群な泉質を体験すれば、ここを選択する分けが理解できるだろう。

宮城県の東鳴子温泉、大沼旅館を訪れた。
知る人ぞ知る東日本で随一の泉質を誇る鳴子温泉地域である。

Y氏から紹介され五代目の大沼社長に会いにやってきた。

宿の入り口ドアを開けると玄関に大沼社長が出迎えてくれていた。
エネルギーの強い方で色々と話を伺うことが出来た。

彼がこの世に生まれてきた使命は、湯治で人々の人生を幸せにすることにあり。
私の解釈だが、大沼さんと話しをしていると湯治に魂が共鳴しているのがわかる。

離れの山荘にご案内いただき、この時期にここでしか収穫出来ない、大きなナメコをいただいた。本当に大きなナメコで、甘みのある新鮮でぬるっとした食感は抜群に美味しかった。

ここに隣接する露天風呂は、山の中にある本物の露天風呂だった。
おまけに、温泉のエネルギーが強く、ぬめりのある柔らかな泉質は山からの水が地下に浸透して鉱石に交わって吹き出す何十年サイクルで循環している温泉なので、ちょっとやそっとでは、この感じはお目にかかれないだろう。
私の中では、草津、箱根、登別、秋田玉川、別府、湯布院、のどれよりも勝る本当にすごい温泉だった。

大沼さんが、湯治にかける想いがまったく理解できる。
しかも、ひなびた感じがよりいっそういい。
地域の資源は素晴らしいものがある。
それを見落としているのが、地域に住んでいる人々は意外に多いのだ。
自分たちの地域の宝になんの価値も見出していないのが普通と言っていいだろう。
大沼さんは、それを認識している少数派の地域住民なのだ。

何か共通するものがあり、一緒に取り組める事が出来るのではないかと、地ビールを御馳走になりながら感じていた。
彼曰く、変わり者だと自分を評していた。
確かにテンションが普通のレベルでない。
ひなびた温泉街に湯治で人々を幸せにするのが私がこの世に生を受けた理由だ!
こんな感じのオーラを放っているので、確かに変わり者だろう。
私が逆の立場だったら、五代目とは言え、旅館業を通じてこのひなびた感で商売をする気になると言えば、それは嘘になるだろう。
それは、ドラゴンボールが揃って神龍に願いを叶えてもらいたくなる心境になる。
あるいは、ワンピースで例えるならヴィンスモーク家とビックマムの縁談話しで、サンジが茶会を断れず、土俵際に追い詰めらた格好に近いかも知れない。

例え話が飛躍し過ぎたかも知れないが、それほどまでの逆境から湯治を通じて地域活性化を成し遂げようとする心意気に感じ入ってしまった。

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