社長ブログ2021.11.14
損して得を取る
損して得を取る、文字通りミクロに見ると損をしているが、マクロに見た場合には得をしているという一手があった。
プロジェクトベースでの仕事で、ある都心の外資系五つ星ホテルへの受注が決まった。
彼らとの取引が決まると大きな実績にもなり、対外的な信用にも繋がる大事なターニングポイントになる。
彼らからの要望は実費精算による見積もりを希望していた。
受注は決まっていたが、実費精算の金額をどのように算出するか課題になっていた。
都心のホテルはコロナの影響でおしなべて稼働率が低迷している状況にあり、未だにインバウンド需要が戻らない中で、予算がないのが実情である。
そこで、プランAは実費の単価にそれなりの利益を乗じた見積もりを作成するのに対して、プランBは実費そのものを出して利益は全く出さないというもの。
このプロジェクトに費やした労力は時間的にも精神的にも大きな負担があった。
普通ならプランAでそれに見合う報酬として見積りを出すのがセオリーである。
そこで戦略担当のMはプランBによる損して得をとる一手を採用した。
案の定、先方からはプランBから増額した金額で見積もりを作り直して欲しいという要請があった。
想定外の金額に驚いたようで、直ぐに連絡があり取引よりも信頼を勝ち得たことは言わずもがな、これをきっかけに更なる関係性を構築する事ができた。
目先の利益にこだわることなく、大きな枠で捉えることで、相手は安心して信頼を寄せてくれるようになる。
損して得を取る見事な采配を実感した。
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