ふたりの息子

カモメの声と共に潮の香りを感じていた。
それは、一本の電話の向こう側から伝わってきた。

石垣島に暮らす長男からの電話だった。
相談がある時に話す口調ですぐにわかった。

お金の工面をするめに頭を悩ませていた。
それは、堂々巡りの様相で同じ次元で問題解決しようとしても、深みにはまっていくだけの末路がある。

飲酒運転で免許取消し処分になり、移動手段が自転車になってしまったようだ。
車を大破させて借金だけ残ったあげく、罰金の請求書が待っている。

他にもろもろと借金があり、債務超過に近い状況を迎えている。
稼ぐことに思考が注がれるため、制限の意識の範囲内での行動しか取れないのだ。

ここは、彼の要望に応えることなく、キッパリと断って追い銭はしなかった。

これまでのパターンから外に出るために何をすべきか考えてみろとアドバイスした。

一方で、次男も時同じくして免許取消し処分のお達しがきている。
こちらは何とか債権債務の相殺の範囲内で収まっているが、仕事に支障をきたしている。

兄弟ともに免許取消し処分になるとは、まるでお家芸のようである。

原点に戻って、やり直しである。
それは、車の運転に留まらず、私生活を見直してこれまでの思考と行動を一変する必要がある。
女にうつつを抜かしている場合ではない。

一心不乱に仕事に集中して枠を超える必要がある。

ピンチをチャンスとして捉え、次のステージへと進んでほしい。