社長ブログカテゴリー記事の一覧です
魚は水が見えない
水の中にいる魚は水が見えない。
本人自身(自分・自己)が誰よりもよく見えていない。
つまり、他人はよく見えるが自分は見えないという例えになる。
それをゴルフで垣間見ることになった。
6番ホールを終えた時には意を決していた。
まったく思った方向に飛ばないばかりか、ボールをコントロール出来る感じがしなかった。
30年近くプレーしているが、スコアはいつも100をうろちょろ、月に1回やるかやらないペースなので、スコアもそれなりなのは当然かも知れない。
とはいえ、一緒にラウンドするメンバーの上達ぶりを見るにつけ触発される。
どこがどう駄目なのか、頭では理解していても本質は自分ではまったく掴めていないのだ。
その場で電話したのはライザップだった。
一緒にラウンドしている仲間から非常に評判がいいと聞いた。
ライザップゴルフの担当者と繋がりレッスンの申込について聞いてみた。
すると、今月は予約がいっぱいで来月にならないと空きがないという。
ダイエットと同様、目標にコミットとして、ダイアリーとスケジュールを管理、マネージメントする手法は変わらないようだ。
要するに劇的に上達する方法などなく、日々のコツコツしたトレーニングが成果となるのは間違いないようだ。
ライザップが課題に基づいたメニューを組み、実際はゴルフ練習場でスイングをチェックしたり、自宅で素振りを何回するといったフィードバックをスマホでやり取りするようだ。
人は誰かに指示されたり、命令を受けて受動的に決められたらメニューを淡々にこなす方が、慣れているし楽なのかも知れない。
ゴルフのスイングを一つとっても、軌道すら見えないないし、身体の動きすらよく把握しきれないでいる。
従って、第三者に従属的になった方が己を知れて、それに沿ったプランを提供してくれるので、上達も早くなるだろう。
頑なに自己流を貫いても、そもそも自己流がどうなっているかも、はなはだ怪しい限りである。
ライザップは、ダイエットや肉体改造など、結果がわかりやすいので、もはやアクション管理を売りにしたブランディングが浸透しているのだろう。
そこには、人の心理をうまく取り入れた仕組みになっているのがわかる。
学習塾にもその傾向が現れている。
従来の授業形態とは異なり、自習形式で個々が学習塾で自習をしにくるようで、それを管理するだけのシンプルな仕組みになっている。
これも易きに流れないための歯止めとして指示されているようだ。
今回のテーマは、プロセスを管理してもらうより、自分を知るために観察をするプロセスの機会にあるので、自分のスイングや身体の使い方がどうなっているかを自覚し、それをどのように修正するのがベストなのか、まず己を知る作業が今の課題で優先順位は高い。
魚は水が見えない。
このテーマはゴルフに限らず、仕事やプライベートの様々な場面で永遠に続くテーマなのかもしれない。
環境を創る
朝目覚めると次男が眠たそうに寝室に向かっていた。
まさに、双方真逆なライフスタイルになっている。
朝起きる時間に次男が眠るサイクルで、時折早く起きる時はきちんとスケジュールされているようだ。
バンクオブアメリカを経てコンサル会社を経営するS氏の元でインターンシップに取り組んでいる。
ニューヨーク入りする前の準備体操で、業務連絡は全て英語でやり取りするようだ。
インターンには他にも学生が参加している。
慶応や早稲田といった筋の良い連中に混じって中卒の次男がいる。
果たして、どんな振る舞いで、スキルをどのようにカバーしているのか興味深いところである。
業務内容は、ニューヨークでビジネスをする為のあらゆるお作法を英語で学び、現地の商習慣やビジネスマナー、ネゴシエーション、会食のテーブルマナーに至るまでを大企業のビジネスパーソン向けにレクチャーしているようだ。
故に、レクチャーの時間帯は夜からのスタートになるので、帰りが0時を過ぎることもしばしばある。
普通の英会話での領域では決して勤まるはずもなく、フィリピンで学んだ英語の更に別次元で習得するフェーズにある。
スーツとワイシャツ、靴を貸与しているが、一昔前に仕立てた不動産屋仕様になっているため、スーツは縦縞の白が入ったストライプ、靴はヴィトンで本人とのギャップは言わずもがな、ビジネスパーソンが集まる場では、かなり浮いている存在だと思われる。
残りわずかな時間で即席に手当てしたとはいえ、S氏も驚いているに違いない。
環境は人を変えると言われているが、まさに彼のパスポート写真を見ると如実に現れている。
フィリピンから帰国して直ぐに撮った写真は、まさにフィリピン人そのもの。
野生児的なジャングルから出てきたような顔相は現地人と相似形、しかし、今では六本木暮らしに慣れてそれなりの顔相になってきている。
比較してみると一目瞭然、人は環境が違ったりステージが異なると顔や在り方に出るようだ。
ちょっと前まで、全くやる気のない引きこもり男が、やるべき目的が見つかったことで変化し始めている。
そして、インターンでは一流のビジネスパーソンと交流の場にいることで、更なる進化を遂げようとしている。
いつもと違う環境に身を置いたり、理想の環境を意図的に創り出す事で、新たなステージに前進する事が可能になるだろう。
先に環境を創造して、現実に作り出す事で、必然的に後から環境に相応しい人物になるように思う。
次は地中海を見下ろす別荘を手に入れたいと思う。
武器
新宿の鳥茂で待ち合わせをしていた。
席に着くと間も無くしてNが現われた。
久しぶりの再会だった。
イコムを退職して8ヶ月ほど経っていた。
彼は新卒一期生、今年で10年になっていた。
その間に新卒の後輩と結婚して子供が生まれた。
奥さんは、産休後の3ヶ月前から仕事に復帰している。
酒を酌み交わし、様々な話しをした中で印象に残ったことがある。
Nはアウトドアのコンテンツを配信する企業に転職した。
今は編集長になっていて、彼の実力を存分に発揮しているようだ。
転職して1年も満たない中で、上司から認められた要因は何か尋ねると、掃除だったという。
イコムで学んだ「徹底した清掃と明るい挨拶」これを実践してきたおかげで、自然と身に付いたことが、誰よりも早く会社に出勤して、徹底した清掃をやる。
シンプルにこれを続けていたら、編集長に任命されたそうだ。
イコム在籍当時のNの上司は今でも語っている。
皆んな、冬にもかかわらず汗びっしょりになって掃除をしている。
Nが模範となり毎日コツコツ続けていた。
これがイコムの文化で他社にも誇れることだと。
それを自ら証明させたNを誇りに思う。
外に旅立ち、イコムで学んだ教訓を生かして、新しい職場で発展している姿は本当に嬉しく思う。
新しい風をもたらし、会社や働く人々に良い影響を与えて更なる進化を遂げて欲しい。
Nも小供が生まれ一家の主人としての責任を感じているようだった。
それは、武器を持つ事で将来を担保することにある。
Nは編集長として成果を出す事で武器を得て、業界での地位を確立して、例え今の会社がなくなっても、どこでも必要とされる実力をつけること。
それが、編集長としてのポジションから可能になったと話していた。
武器を得る事によって、ようやく思う存分楽しんで戦えるような印象を受けた。
武器は更に磨きをかける事で強靭なものになるだろう。
今はお小遣いが月3万円だそうだが、彼なら武器に磨きをかける事で数十倍になるだろう。
長年彼を見てきて確信できる。
そして、調子に乗ってキャバクラで遊んでいると、勇み足で奥さんに叱られて減額されるだろう。
これのいったりきたりは容易に想像できる。
但し、誰かのような完全に土俵を割ってしまう事はないだろう。
前世
南イタリアの貧しい小作人だった。
ナポリとシチリアの中間辺りに位置する村で、小作人は地代として収穫物を地主に全て収めてから配分される仕組だったようだ。
従って、労働集約型のため充足感ある生活とは縁遠かったようである。
しかし、いつからか村のコミニティを拡張する都市計画なるものに取組み始め、更に選挙に担がれるようになって、具体的な都市計画に踏み込もうとしている最中に恨みをかって殺されたようである。
今世において、前世の影響は少なくないようで、前世の課題を持って誕生するようだ。
更にそれを克服すると次の課題があり、それにトライするというサイクルになっているようだ。
つまり、前世の課題要因を明確化することで、今世を有意義に過ごす事が可能になる。
まずは、小作人という立場を考えてみる。
自分の地面が欲しい、土地を所有して地主として欲求を満たしたい。
これは、今世において不動産を職業にした事は非常に意義深い。
そして、貸主として家賃をもらうような仕組みに変えてから、会社の業績が飛躍的に伸びて安定化したことに起因する。
仲介業を主体としていた時期を振り返るとそれが如実にわかる。
自分の地面を所有し、地代を受け取る事で前世からの欲求を今世において満たすことが出来たのである。
また、村としてのコミニティの拡張は、今世において天然村を通じて取り組んでおり、これからの戦略上、充分に前世の欲求を満たす事を実施しているのだ。
こう捉えてみると、無意識にやっていたのが、実は魂レベルでそれらを選択しているのを実感する。
そうすると、今後の展開はどうなるのか、あるいは来世に向けた取組みは、今世の課題になりうるものは何か、このあたりが気にかかる。
だが、しょせんは小作人からの成り上がりであり、それを充分認識する必要があるようだ。
小作人は、経済的に不安定だったので、常にランニングコストを気にする。
また、大きな買い物より小さな買い物に注意深くなる。
従って変なところがケチになる。
また、前世で選挙に担がれた経験から周囲から褒められたり、持ち上げられて殺された経験から、今世は、周りから承認されたり、褒められたりすると妙に心地悪くなる。
本当に居心地が悪くなるのだが、まさかそこから来ているとは驚きである。
前世が南イタリアの貧しい小作人、今世は日本人の不動産業として地主になっている。
次の展開は海外のようで、ヨーロッパ、アメリカが舞台になりそうだ。
プライベートでは、地中海を眺める別荘を手に入れ、ハビテーションをしているだろう。
次男が来月からニューヨーク入りして友人の会社に就職することになった。
すでに、魂が動き出している兆候があり、ビジネスも次のフェーズに移行するようである。
近い未来には、AIがゲノムを解読するようになれば、容易に想像できるようになるかも知れない。
すごいパン屋
お盆休みの朝はゴルフ観戦から始まった。
全米プロゴルフ選手権、いわゆるメジャー大会の一つが中継されていた。
早朝4時から松山選手の快進撃に一喜一憂しながらテレビを見ていた。
終盤になりここからと言う時に、決まって中継時間が終わりになる。
何とかLiveで見れないかとアプリを検索してみた。
すると、ゴルフネットワークのアプリが見つかり、早速ダウンロードすることにした。
これは、非常に価値があり臨場感もあって、CMも入らないので試合終了まで楽しめる。
しかし、しばらくするとソフトバンクより通信速度を低速にするとの告知があり、最初は何の事かわからなかったが、動画を見たのが要因して契約容量をオーバーしたようだ。
せっかく有料会員になって存分にゴルフ観戦を楽しめるようになったのもつかの間、低速だと動画が映らなくなり元の木阿弥に。
一方的な措置に憤慨するも、休み明けでないと対応出来ないため、TV中継で諦めるかと思った時にテザリング機能を思い出した。
手持ちのIPadで共有することで見事に動画を復活させた。
ゴルフ中継が終了するのが午前8時ごろ、それから毎朝のルーティーンをスタートさせると、終わるのが午前中いっぱいになる。
今日はそれからあるパン屋に行くことにした。
それは、友人御用達の店でパリのどんなパン屋より上をいく店で、おそらく未だかつて味わったことのないパンに出逢えるだろうとのこと。
早速、行ってみると案の定の行列、12時開店16時閉店という短さもあってか、品切れになる前に買い付けようという心理が働いている。
約40分ほど並んで店内に入れた。
オープンキッチンの手前にフランスパンのような品揃えのカウンターテーブルがある。
そこでチョイスしたものをお会計するのだが、何とグラム買いの表示に我が目を疑った。
それはまるでいきなりステーキのごとく、熟成肉がグラム単位で食べられるように、パンがグラム3円や4円の価格で提示されている。
出来るだけたくさんの種類を賞味したかったので、適当な量で数種類の見立ての良いやつを注文した。
とはいえ、パンを何グラム欲しいと言っても、それがどの位の量になるのか見当もつかなかった。
お勘定は締めて7000円、パン屋でこんなに買ったのは生まれて初めてだった。
一体どれだけの代物か、とにかくいち早く食べてみたかったので、車に乗り込むや否や袋から取り出すと一つのパンを口に含んだ。
驚愕の喜びが湧いてきて、パンの概念を覆す芸術的な作品の域にあった。
パリのクロワッサンに感動したレベルをはるかに超えるものだった。
外側は歯ごたえがあり、中はふっくらと味わい深く、普段パンを食べないが何個でも食べたい欲求が湧いてくる。
自家培養した発酵種を使い、熟練工の配分で小麦粉を使って焼いたパンは生きているかのような発酵しているかの状態で、数時間経っても暖かく美味しくいただける絶品。
かつて紹介してくれた友人がパン職人を同行させたら、声が出ないほどの圧巻だったそうだ。
日本にこんなすごい店があるなんて、世界に誇れる素晴らしいパンを食すことが叶った。
友人から安易な触れ込みを控えて欲しいとの要望から、世田谷にある店で留めておきたい。
ご縁がある方には直接お伝えしたい、すごいパン屋だった。
歌舞伎町の女王
朝目覚めると直ぐに起き上がる事が出来なかった。
昨夜の出来事をしばらく回想していた。
長女から友達とパパで飲みに行こうとLINEがあった。
友達は幼馴染で昔からよく家に遊びに来ていた。
今はすっかり大人になり、可愛さに少し色気のあるオーラをまとっていた。
以前、会社の帰りに飲みに行った際、今度キャバクラに連れて行って欲しいと娘から言われていた。
綺麗な女性を間近で見てみたいらしい。
西新宿の鳥茂で待ち合わせをして生ビール、ハイボールで乾杯した。
仕事の近況や昔話に3人で盛り上がりながら店を出た。
相変わらず、ここの生肉は格別のうまさだった。
キャバクラに行く前に行きつけのBARに寄った。
実力派のバーテンダーが創り出す空間、カクテルの芸術性を体験するために、世界中から外国人がやってくる凄腕の店である。
娘達もこの異空間には驚きの様子だった。
ちょっと場違いな面も否めなく、バーテンダーのK氏から援助交際と間違えられる始末。
娘のリクエストに答えて、歌舞伎町に行ってみたいキャバクラがあるというので入ってみた。
AKBや乃木坂と言ったアイドルグループの頂点を極めたような、トップアイドルキャバ嬢がいるらしく、一目見たいとの強い想いにほだされてしまった。
ご指名のトップアイドルが登場し、娘の隣に座ると感極まり、まるで有名女優に会ったかのような有り様。
この世界で名を馳せているキャバクラの女王は、愛想笑いを浮かべながらも、娘たちのリクエストに写真を撮ったり、LINEの交換に応じていた。
確かに超小顔で目が大きく、自信たっぷりの表情はカリスマ的な在り方、おまけにハーリーウィンストンの時計にアクセサリーを身に付ける姿は歌舞伎町女王そのものといった感じである。
ところで、どんなご関係ですか。
女王が娘に尋ねると、リアルパパなんです!
アンリアルなパパが普通になっている世界なのか、リアルパパと言った単語が妙に新鮮に響いていた。
リアルパパの組み合わせに彼女たちも呆気にとられているかのようだった。
珍しい組み合わせらしい。
盛り上がっている最中、娘が突然言い放った。
パパ今日はつまらない!
どう返していいやら、キャバクラに娘と娘の友人と一緒にきて、リアルパパとの紹介を受けて本来どの様に楽しんだら良いのか、一瞬考えてしまった。
しかし、耳をダンボにしてパパの話しを聞いている娘と一緒にキャバクラではじけるのは、かなり難易度が高いのかも知れない。
こちらとすれば、娘たちが楽しんでくれたらそれでよし、パパが率先して楽しむつもりは一緒に来た時点で違う次元にシフトしている。
その後、次のトップアイドルの店をいくつかはしごした。
そこでも同じ様な展開を繰り返し、トップアイドル嬢と共にシャンパンを空け、女子会のような雰囲気の中、リアルパパが混ざる展開に、もはやキャバクラに飲みにきている感はゼロ。
しかし、お会計はしっかり正規料金、もしかしたら女子優遇の料金体系をつくれば、娘のような憧れの存在に会いにくる女子も現れるかもしれない。
歌舞伎町の女王たちを思い出しながら、いつもの朝を迎えた。
GSIX
銀座最大の商業施設として、鳴り物入りでオープンして3カ月になるギンザシックスを訪れた。
入り口から広がる吹き抜けは最上階へとつらぬいていた。
ゴージャスな印象だが、表参道ヒルズのそれとは異なり経路がやや複雑だった。
全体で6フロアからなるが広さは断然GSIXが上回っていた。
30代から40代前半のセンスのいい大人の女性をターゲットに絞っただけあって、すれ違う度によろしからぬ欲を捨てるのに苦労していた。
それは流行を知った、ここでしか手に入らない最高のクオリティを求め、颯爽と歩く姿に自然と目が止まるのは致し方ないだろう。
一方で、相変わらず目につく中国人はここでも目立っていた。
あるショップで見た光景が彼らを象徴していた。
おもむろにバックから取り出したのは札束だった。
二束から数十枚数えながらお会計する姿は、ドヤ顔そのもので存在感を示すには十分過ぎていた。
それはまるで平成のバブル期に歌舞伎町で飲み屋をはしごする地上げ屋の姿のようだった。
そろそろ、中国人も次のステージに行ってもらいたいものだ。
最上階にある蔦屋書店は圧巻で、アートにあふれた空間はまさに異次元、これほどの広さとクオリティを備えた空間は、そこにいるだけでルーブル美術館を凌ぐかの印象を受けた。
同じフロアには多様性に富んだレストランが広がっていた。
特に目を引いたのが、カウンタースタイルで軒を連ねるのれん街、銀座大食堂だ。
大ホールには、日本各地から集まった選りすぐりの銘店、独創的な創作料理は日本の食、文化、エンタテインメントが一堂に会していた。
そこには、談笑する人々で賑わっていた。
何と豊かなんだろうと思った。
これだけのクオリティを揃えた食の空間が世界であるだろうか。
本当に日本は豊かな時代なんだとつくづく感じた。
銀座から有楽町、そして丸の内までの地下を含めたレストランの密度は間違いなく世界一だろう。
明日から毎日一件づつ食べ歩いても生きている間には到達しそうにない。
ベネチアの小さなカフェ
パリでの仕事を終えてベネチアに入った。
今回の目的は都市計画と街並みを観察するため、通訳には次男を連れてやってきた。
陸路の移動はボートや船、あるいはかなり遠回りになるが徒歩が基本で、車の出入りは不可能、自転車も禁止になっている。
滞在中はほとんど歩いて移動したが、極めて複雑な経路になっていて、地図がなければあっという間に迷子になってしまう。
実際に勘を頼りに歩いて見たが、5分と経たずに迷い込み、同じような景色に何度も行き止まりで引き返し、川を挟んで道行く人々を見ながら呆然と立ち尽く場面も度々。
まさか、これが都市計画なのかと思ってしまうほどの袋小路の多さで、おまけに川の幅も狭いところで1メートルほどしかない。
そこを水夫の連中は熟練の技で颯爽と駆け抜けていく姿はさすが、絵になっていた。
暑さと歩き疲れて途方に暮れていた時、ある小さなカフェに入った。
ピザとオレンジジュースで5ユーロ、コスパ良くピザのスペックの高さに驚いた。
パリと比較すると断然イタリアに軍配があがる。
パリは決して食の分野で感動する場面がなく、クロワッサンくらいで、あとは基本的に高い割には大したことはなく、極めてコスパが悪く感じる。
現実にイタリアからパリに5ユーロで食べられる店がちらほら見受けられるようになって、行列が出来ているのを見かけた。
そう言う意味でも食で勝負するには、パリは充分勝機はあるだろう。
北に移動するため、レンタカーを調達して帰ると財布がないことに気づき、はっと車の中に置き忘れたと思いきや、ショップも閉店時間を過ぎ、鍵はキーボックスに入れてしまい、途方に暮れていた。
今夜の飯は駄目かと諦めかけたとき、あの小さなカフェを思い出した。
早速行ってみると、中国系イタリア人は英語もままならない中、こちらの必死の形相で英語か日本語かよくわからないジェスチャーで説明するのを見て、ようやくわかったようで今はお金が無いが食べさせて欲しい、明日必ず返すから信頼して欲しいと、こちらが訴えかけるのを理解してくれた。
もはや、次男もこれで通じるのかと呆れ顔、しかし、ベネチアの小さなカフェの温かい心に感謝の念を込め、美味しい食事とワインを楽しんだ。
意識
ANAインターコンチネンタル東京の会場は熱気にあふれていた。
受付には長蛇の列、事前に手続きを済ませていたとはいえ、これだけのエネルギーの場になっているとは驚いた。
ソラコムの2017カンファレンスに参加した。
IoT通信プラットホームのベンチャーとして急成長している注目企業である。
赤坂T-timeでスマートロックを採用した際、SORACOMのシステムを初めて採用した。
遠隔でドアの開閉ができるため、スマホから操作すれば、どこにいても鍵の施錠ができる。
現在、無人でT-timeの運営をテストランしている。
今、パリに来ているがスマホからワンタッチで赤坂のドアが開くのだ。
フランスから東京、あるいは世界中でそれらが実現できる時代になった。
それはまるで魔法使いが現れ、IoTという新たな魔法を使って、時代が劇的に変わろうとしているかのようである。
今回のイベントに参加して、更にそれを間近に感じた。
3つあげるとすれば、意識、繋がり、仕組みだろう。
参加者の意識が極めて高いのがわかる。
それは、新しいチャンスをものにしようと、貪欲な姿勢が見てとれ、ゴールドラッシュの波に乗ろうとする力強いエネルギーを感じた。
みずほ銀行やパナソニックのような大企業がベンチャー企業と組みたいと、いや、組まないと波に乗り遅れ姿が見えなくなる危機感さえ、そうさせる力学が働いている。
もはや、我々が起業した時代とは、確実に次元が異なり上昇していると言える。
プラットホームとは、一人勝ちの世界とは対局にあり、Win-Winの関係を構築するので、とてもスマートな状態を維持しながら、互いに成長出来る機会に恵まれて、強い繋がりをもたらしている。
SORACOMのプラットホームから様々な企業がそれを実現していた。
最後にビジネスモデルになっているSIMカードを使った通信システムを構築したこと。
スタートアップからのスピードも凄いが、アップデートの早さも眼を見張るものがあり、
組織の意識が普通とは明らかに違っている。
それは、シリコンバレーのスタートアップ企業文化に似ていて、こんな夢のある会社で仲間として加わりたい、組織の一員になって新しい時代を駆け抜けたいという、強い意識が働いている。
まさに、ONとOFFのない会社としての機能を有していて、仕事とプライベートの区別がない状態で、彼らの次のステージはハワイでバカンスを楽しみながら、スマホ一つでプールサイドから仕事をしている姿がイメージ出来る。
こんな夢のある会社で、一緒に働きたいという意識を持つ人たちが、新しい時代を創っていくだろう。
我が社もそうありたいと思う。
世界一美しい海
あらためて沖縄の底力を感じた。
高次元科学を学ぶ仲間たちと八重山諸島を訪れた。
新石垣空港の玄関口を通じて、石垣島、西表島の各スポットは、世界に誇る素養がたくさん詰まっていた。
この地域の宝は海だった。
それは、世界一の美しさと珊瑚と魚のコラボレーションにある。
特に幻の島は世界に類のない美しさ、それはまるでおとぎ話の竜宮城に出てくる絵に描いたような圧巻の域にあり、世界中どこを探しても見つけることはないだろう。
モルディブ、グレートバリアリーフ、ハワイ、ランカウイ、ロンボックなど世界を代表する海の美しさを上回っていた。
決定的な証拠は船長のM氏の言葉にあった。
2年間世界一周の旅を経て、名だたる海を見てきたが、八重山諸島の海に勝る場所はなかった。
自らの足で現地、現物、現場を確認し、間違いなく世界で一番美しい海だと、真っ黒に日焼けしたM氏の高層のような悟りを得た表情から放つその言葉は、何よりも変えがたい真実を訴えていた。
その代表する西表島のフェリー乗り場には中国人が長蛇の列を作っていた。
それはまるで修学旅行の学生団体が、合同で何校か合流しているほどの規模感で、これだけの人数を収容できる宿泊施設はもはやないだろう。
よくよく聞いてみると、彼らは船で停泊しながら5日間かけて旅をしているようだ。
M氏曰く、団体で爆買いしているだけに過ぎず、真実の体験をしていないのは実にもったいないと話していた。
本当の海の美しさを体験するプランを考え、地域全体を考慮したスポットにサービスを提供することが、世界遺産登録を来年に控えた地域住民の心構えだと言っていた言葉が印象に残った。
以前、社員旅行で西表島を訪れた際はマングローブをカヌーで見て回り、シュノーケルを体験したが、M氏のプランのようなダイナミズムを感じることはなかった。
次回の社員旅行はM氏プランを採用し、世界で一番美しい海を皆んなに体験してもらいたい。
今後の沖縄は、間違いなくアジアのハブとしての役割を果たす事になるだろう。
ハビテーションスタイルの場としの提供もマストになる。
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