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社長ブログカテゴリー記事の一覧です

パリプロジェクト始動

社長ブログ

ウィ、パリ滞在中によく使うワードになった。
フランス語でYesになる。
私は言葉がまったくもってわからないので、感覚でコミニケーションをしている。
なので、ウィしか喋れないのだ。
ウィ、ウィの連発をする時が少なくない。
わかったフリをしてしまうこともしばしばあり、あとは日本語&ジェスチャーと熱いハートで会話をしている。

今回パリに来た目的は店舗物件の取得をする為にやってきた。

日本人シェフを対象に、パリでの挑戦を可能にした、腕試しが出来る店舗を1カ月から3カ月の期間貸し出すサービスで、フランス語と日本語が話せるスタッフやビザ取得の手続き、営業許可や集客のPRまでソリューションを整えている。
カバン一つでパリで店舗を開業出来る、お手軽なシステムになっている。

7月に訪仏した際、エージェントのジャンと打ち合わせした内容で、幾つか物件を事前にピックアップしてもらっていた。

ジャンはフランス人にしては珍しく、スピード感があり、情報も確かで人間性も高く信頼できる人物だ。

視察した中で、瞬間的に目に止まった物件があった。
パリの特徴である石造りにオシャレな雰囲気の漂う店内はとても魅力的な空間だった。
エリアとしても人気が高いマレ地区にあり、パリの中でもファションエリアとして流行の先端をいく、日本で例えると原宿、表参道に類する場所になる。

近所にある日本人シェフの店舗へ情報収集を兼ねて食事に出かけた。
和食の店では、カウンターで白人女性が日本酒をなみなみと注ぎながらグイグイやっている姿に思わず感動し、更には店内が満席で私たち以外はすべてパリジェンヌなのだ。
箸を巧みに操る姿は日本食慣れしているのだろう。
他の店にも行ったが、似たような光景で店内は満席で賑わっていた。

やはり、日本人シェフの店はパリジェンヌに圧倒的な人気を誇っている。

早速、物件の取得に向けて動いた。
パリの商習慣は日本とはまったく違うため、ジャンに弁護士を紹介してもらい面会をセットしてもらった。

パリ支社の開設が12月、物件のオープンが来年3月のスケジュール感で、それぞれの手続きを進めて準備を整える事になった。

これからはパリのhabitationの機会が増えるだろう。
日本の若手シェフがパリジェンヌをあっと言わせるような店を次々と送り込みたい。

次はパリの住居をどこの地区にするか迷っている。

馬との暮らし

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タイミングが咲いた。

素晴らしい紅葉の景色が辺り一帯に広がっていた。
本来なら11月初旬にピークを迎えるようだ。

島崎八景、北海道函館の名所となっている。
8カ所に見所があり車窓から約30分、天然の美術館を鑑賞できる。
北海道ならではのスケールの大きさだった。

今回は大沼流山牧場に再び訪れた。
そして、順調に業務提携を合意する事が出来た。

ここの牧場は、様々な取り組みにチャレンジしている。
馬との暮らしから心身の向上と人間本来の感性を養う場になっている。
牧場で働くスタッフも若く、知的能力も高い人々が集まっている。
大手企業を勤めたが、過労が原因で鬱になり社会復帰が困難になった者や、香港からホースセラピーを学びに来ていたり、身体の不自由な方、虐待を受けた子供達に至るまで、牧場の暮らしから本来の自分を取り戻し、完全復活を遂げている現実現場がある。

森の幼稚園が牧場の中にあり、自由に飛び回っている様はある意味ほったらかしになっている。
しかし、自然と自分より年下には手を貸し、コミニケーション能力は卓越している。
初対面の私にいきなり決闘を挑んでくる幼児がいたりする。
素直なコミニケーションの手段なのだろう。
羨ましく思えた。

馬と接する事で言葉とは違う、意思の疎通が図れる能力が開花するのかも知れない。
一種のテレパシーのような人間の眠っている能力を引き出す効果があるようだ。
幼少から牧場で育った青年がオランダに馬の勉強に留学した際は、言葉は通じなくても彼の周りには人が多勢集まってくるそうだ。
もはや、都会でSNSをやっている若者たちとは、コミニケーション能力差は決定的だ。
私もタイムマシーンで3年位体験してみたいものだ。

コミニケーションの他にも、メンタルヘルスケア効果があったり健康にも役立っている。
高齢者の転倒が少なくなったり、障害者の方が健常者になった例も少なくない。

また、馬搬による山林の間伐を請負仕事をしている。
今では全国でも珍しく、北海道でも組織として取り組む例は殆んど無いという。

私が宿泊した日も早朝から準備を始め、2トン車に馬を2頭乗せて10キロ先まで出張に出かけた。
時には長野県まで行くそうで、重機が入らない斜面などでは、この技術は御用達になっている。

食の分野でも、牧場で育てた野菜や小麦でピザを作る本格的なイタリアンレストランも併設している。
牧場で育てた羊の肉料理も美味しく、チーズと赤ワインでとても幸せな気分を味わえる。

宿泊の朝ごはんも手作り惣菜が絶妙の味付けで、ヘルシーでオーガニックな素晴らしい朝食を楽しめる。

大沼流山牧場は全国各地から研修や見学に訪れる人々が増えている。

天然村の里山テナントとしては強力な味方になってくれるだろう。
来年から本格的に始まる里山再生プロジェクトが待ち遠しい。

下町文化

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そこには昭和の風情がたっぷりと残っていた。
お煎餅屋さん、豆腐屋さん、餃子屋さん、お惣菜屋さん、天ぷら屋さん、麺屋さん、例をあげたらまだまだたくさんの個店があった。
それぞれが専門店でそれ以外は扱っていない。
麺屋さんは麺の専門店でラーメン店ではなく、焼きそば、ラーメン、など麺の種類が幾つもあって、それを生業としている。

八百屋さんはザルに入ったお金からおつりを出していた。
たくさんの人で賑わっていて、懐かしい光景に目を細めていた。
まさに下町文化ならではの魅力である。

初めて降りた駅だった。
東武線の西新井駅、埼玉の春日部方面から中目黒まで直通になっている。

駅から歩いて5分くらいすると、関原商店街に行きつく。
私は商店街のシャッターが閉まった店を活性化するプロジェクトの下見を兼ねて来た。
歩いている途中で右方向を見ると新しいショッピングモールや、新しいマンションがたくさん立ち並んでいた。
区画整理による街並みは整然としている一方で、能面ビー玉のような何か熱い感情を失って、そこから新たなエネルギーが湧き上がってくる気配はまったく感じられない。

反対側に残っている下町文化とは対極な暮らしが映っていた。

歩いている直ぐ右手に大きな壁があって、それはまるでベルリンの壁のようで、左手が東ドイツ右手に西ドイツといった感じだろう。

それは近代が良いと解釈して発展してきた欧米が現在直面している問題が全てを物語っているようで、もっと魅力のある街並みや暮らしはそこには無いのかもしれない。

むしろ、関原商店街には宝がたくさんあって、日本の文化がぎっしりと詰まった暮らしぶりには何とも言えない魅力がある。
宝の山に見えるのは私だけだろうか。

馴染みという言葉がぴったりだ。

子供は近所の人達で自然と守り合い、店主と客の何気無く交わす会話には、人としての温かみある風情を感じる。
それは、決してショッピングモールやスーパーでは体験することは無いだろう。

私はここに未来のヒントがあるように感じる。

全国にはこんな宝の山が地方の里山から、旧市街地に至るまでたくさんあるだろう。

新しい都市開発でショッピングモールがたくさん出来た弊害によって、昔栄えた商店街がシャッター街へと変貌してしまっているのは、見方を変えるとその街独自の文化を紐解いて、新たなエネルギーを注ぎ込む事で、充分に活性化して行けるように思う。

その日は、おにぎり屋さんで、ひじきと高菜のおにぎりを買い、斜向かいの天ぷら屋でちくわの天ぷらを買ってランチにした。
お惣菜屋さんのコロッケが30円だったので食べたかったが、一個だけ買うのも気が引けたのでやめにした。

手作りのおにぎりは最高に美味しかった。

山の修行

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amazonで注文した品が自宅に届いていた。
商品を検索してみると、お試し用があったので、直ぐに発注してみた。

まさか自ら意図的に注文するのは人生初の出来事だった。
約50年前は私の意志とは関係なく装着されていたが、早くも自らの判断で装着する時期が訪れようとは思いもしなかった。

その正体は「オムツ」である。

北九州に求菩提山があり、そこへ山修行をする際、用を足すのに必須な品とのお達しだった。
霊山で用を足す事は禁じられているため、行者は全員オムツをして修行に臨んでいる。

修行は夕方5時に山に入り、翌朝の7時まで眠らずに歩き続ける。
所々で、祭り事をやるが、それらは他言無用になっているので、ここでは書けない事になっている。

実は求菩提山に入るのは昨年に一度体験している。
その時は少人数で祭り事は一切なかったので、今回は私の想像していたものを完全に超越していた。

一言で表すと大和魂である。
それは平安時代から皇室への儀式として受け継がれていたものだった。
日本は本当に凄いなと思った。
詳しくは書けないが、日本の伝統文化は素晴らしく、それが見事に伝承されていることにも驚きがあった。
やはり、これから世界をリードしていくのは日本をおいて他にはないだろう。

今回は行者が100名を超えていたこともあり迫力があった。
ほぼ全員がリタイアせずに山を降りる事が出来た。
しかも女性が多く年齢も50を超えている方々が目立っていた。
よくぞ、眠らずにあの山を登り降りしながら歩き続ける事が出来たかと感心してしまう。

私なんかはフラフラで最後の方は早く終って欲しいと願うばかり。おまけに睡魔と疲労が交錯する中、お神酒を飲み過ぎて頭がグルグル回る始末。
その影響もあり途中で用を足したくなった。
ここでオムツの出番である。
私は初めての体験でやや緊張感を持っていた。
すると、ちゃんとに収まるばかりかその技術力に圧倒されていた。
おしっこがオムツから漏れることなくきっちり吸収されているのだ。
怖々と地面にお尻をついてもまったく問題なかった。

保温性も優れていて、あったかい感覚がしばらく続いていた。
しかし、何故か重さに違和感があり、実態はお漏らしをしているに過ぎない、妙に変な感覚は残っていた。

山の修行で得た一つの貴重な体験だった。

本社移転

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オレンジを基調とした空間はシンプルでオープンなオフィスをイコムらしく演出していた。

創業からちょうど22年、5回目の本社移転となった。

さいたま新都心駅からすぐに明治安田生命ビルがそびえ立っている。
そこの34階に入った。お隣が三菱電機さんでフロアの3分の2を占めている。

おそらく彼らから見た私たちのオフィス空間は異次元に見えるだろう。

個室がほぼゼロになっている空間はオープン過ぎる位に開けっぴろげになっている。
ブラインドを全て上げると武蔵野の景色が180度に広がり、東京方面にはスカイツリーが見える。

これらのオフィス設計は社員全員が集まって、時間をかけて創り出された作品である。
会議室や休憩室、社長室はあった方が良いのか、あるいはどんな機能があったら便利かなどを集約して仕上がったオフィスは社員それぞれに愛着をもたらすだろう。

もはや私の出る幕はほぼゼロに等しかった。
内装や家具なども引っ越し当日まではまったく知らなかった。

知っていたのは予算位で、社長室は個室にはなっていないが、ロケーションの素晴らしい場所に配置してくれていた。
アゴラと呼ばれている数人のグループが集まって議論出来る場を二ヶ所に設けてある。
その象徴は会議室とは真逆の場になっている。
それはまるで、公園の中にある噴水を囲むベンチのような、明るく開放感に満ちた場所である。
軽い議論を交わすことで、柔軟な発想と素晴らしいアイデアを生み出す可能性を秘めている。

会議室のような密室の重苦しい雰囲気とは対極な場になっている。

引っ越し当日は、午前中ミィーティングが終わった後に14時位から始まるようになっていた。
私は天然村から来た社員Nと地下のレストランでランチをしながらビールを飲んでいた。
徳島からやってきた彼は、平日は天然村に泊まり込みで勤務している。
週末には世田谷の自宅に戻っている。
入社して約2ヶ月になるが、近況を含めて様々な話しになった。

ビールを4、5杯飲んだあたりで彼から前職で鬱になった話しを初めて聞かされた。
ストレスがある一定のラインを超えるとそうなるのだろう。
私はふと社員Kを思い浮かべていた。
彼は酔っ払った勢いで鞄を無くして大失態をしでかした報告を度々受けていた。
私は彼をストレスからきているものだと思っていたので、社員Nの体験談を共有しようと、電話をかけて呼び出した。

すると社員Tも一緒にいたので、4人で飲みながら話しているうちに宴会ムードになり、ワインボトル2本をあけてドンチャン騒ぎの様相に。
引っ越しの時間を忘れて2時間遅れで現場に駆けつけるも、しばらくすると机の上で寝てしまう始末。
おまけに目が覚めると社員Tも目を真っ赤にして寝起きの顔を互いに見て慌てる場面もあり、みんな一生懸命ダンボールを整理している。
私はだらしない姿をさらしてしまうも、ありのままで良しとしさらりと帰路についた。

いよいよ、月曜日から新オフィスでの仕事が始まる。

オンとオフのない会社としてブレイクスルーする時期を楽しみにしている。

外から考える

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朝のゴルフは爽快だった。
まるで、タイでラウンドしているかのような感覚になっていた。

朝の5時半過ぎにスタートして、9ホールのハーフを回って終わるのが7時半位になる。
料金も安く、疲れも残らないくて、ちょうどいい感じでプレー出来るのが気に入っている。
1人でふらっと行くので、組み合わせも様々な人と一緒になる。
医者や自営業、会社役員だったり、みんな出勤前にプレーをしている。

早朝の薄暗い感じから、徐々に明るくなり朝露から放たれる光と共に、センサーで感知したように草花が躍動するような感覚がある。

その瞬間、ふっと思い出した。
センサーの感覚に近いのかも知れない。
外から考えついたものとは、このセンサーに触れたところにあるのだろうと。

その余韻を残しながら仕事に向かう。

先週のセッションでコーチKから言われたワードが思い浮かんだ。

中から考えても答えは出ない。
外から考えついたものでないと行きつかないと。

その時は皆目検討がつかなかった。

その日は、本社近くのコーヒーショップに立ち寄り、リラックスしながらメールをチェックしたり、新聞を読んだりしていた。
最近はあえて、会社にいないように心がけている。
会社にいると突然邪魔が入るし、中から考えてしまう環境なので、午前中早めの時間は会社にいないようにしている。
中から考えた手段は有効だったか翻ってみると、決してそうではなかった事がわかる。

私の場合、まったく新しい分野に挑戦しているので、中から導き出そうとしても解はなく、まさにゴルフ場で見た光景がそれを示している。
太陽の光のセンサーによって草花が躍動するような、外からキャッチする構造に近いのだろう。

それは、自ら動いて中からの情報により手立てを講じるより、センサーでキャッチするまでリラックスした状態を保ちながら過ごす事が何よりも大切なのかも知れない。

考えるというよりも、センサーで捉えるような自動的に近い感覚なのだ。

これは、既存事業でもアップデートしたり、バージョンアップするには最適な手法で、しかも、offの状態にいる時に多くの機会に恵まれるだろう。
onとoffのない会社として再定義したイコムとしては、タイミングに妙味を感じる。

もしらかしたら、未来の仕事は常にoff状態としての立ち位置になるかも知れない。
いや、きっとそうなるだろう。
マイクロチップがあらゆるものに組み込まれ、AIがスクリーンを通して自動化される世の中になる。
それは、今までの仕事の作業を全て補ってくれるだろう。

常にoffで仕事が出来る状態、それは外から考えつくためのセンサーとしての役目になるだろう。

そんな時代が来るのも時間の問題だと思う。

収穫際

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雨の予想を覆し、天水棚田復活プロジェクトの第一期目が終了した。

思えば、地元の活性化協議会の代表に案内された昨年は、ほったらかしに放置された荒地の里山だった。
その時に、棚田のもつポテンシャルと稲作の歴史や文化に触れ、この地域のもつ強みを生かし都市部の人々との交流を促進しながら、里山のもつエネルギーを復活させようと手を組んだ。

そして、いよいよ収穫際となる最後のイベントが2日間にわたり行われた。

稲穂の状態はベストに仕上がっていた。
通常の2割ほど大きく、本来の長狭米に近い素晴らしい出来栄えだった。

稲刈りはカマを使う手作業で実施された。
私も張り切って田んぼへと向かった。

長靴を履いたままだと、足を取られるので裾をまくり素足で入った。

稲の根元からカマを使い、穂が水に浸からないように気をつけながらスタートした。
始めて3分程しただろうか、足から血がどくどく流れているではないか。
痛みよりパックリと開いた傷の大きさに驚いた。
まずい、始まったばかりでリタイアするわけにはいかないと思うも、続けるには深手を負っているので、ひとまず手当をせねばならないと思い施設に戻った。
カマを手前に引いたため、起こした実にマヌケな失態をしてがしてしまった。

何と収穫際初日スタートとして3分後に完全にリタイアする始末。
それはまるでトライアスロンに出場して最初の水泳100メートル地点で足がつって、全てがおじゃんになり呆然と海で1人佇んでいるかのようである。

イベント主催者のトップとしては面目まるつぶれである。
地元の方々も呆れ顔、私は恥ずかしいやら、悔しいやらで、現場復帰はかなわず、ただひたすら施設で安静にしている事しか出来なかった。

「人生万事塞翁が馬」この諺を戒めていた。

何が良いか悪いかわからないというやつである。

もしかしたら、参加者に事故が起きるのを未然に防ぐ役割をしたのかも知れない。
参加者に良い手本を見せた格好とも言えるだろう。
または、次回以降に向けての失敗事例として、語り継がれる事で新たに事故が起きない抑止力となったのではないか。

そんな事を考えながら目の前の事象に失望感を抱くのではなく、淡々と今この瞬間を精一杯生きる、出し切る、未来を見据えて前進する、こんな想いで収穫際を終えた。

私を除いて大きな怪我もなく、稲刈りの後の餅つきイベントは大いに盛り上がり、つきたての餅をきな粉、大根おろし、あんこ、味噌、の4種類を和えて食し、まぜご飯やおこわ、いなり寿司などの地元の手作り料理を振る舞っていただき、地域との交流を楽しむ場を設けることが出来た。

天水棚田の手作り長狭米は来月には味わう事が出来るだろう。

実に楽しみである。

エコミュージアム

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函館空港に降りついて大沼方面へと向かった。
函館は20年ほど前に北斗星の寝台車に乗って来た思い出があるが、北海道と言えば新千歳空港を利用するのがお決まりになっていた。

今回の目的は牧場視察で、現地スタッフの方が空港まで迎えに来てくれた。

馬の専門家Y氏と連携し天然村の取り組みの一つである、耕作放棄地の活性化に馬を取り入れた様々なプログラムを展開するため、本丸の北海道に来たわけである。
プロジェクトメンバーでもある著名人M氏、K氏とも現地で合流した。

現地に到着すると、自然の中に広大な牧場があり、それを見守るように駒ケ岳がそびえ立っている。
そのロケーションはまさにエコミュージアムであり、馬と自然のコラボレーションが圧倒的な存在感を放っている。
スケールが桁違いに大きく、ロッジや厩舎が調和している素晴らしい牧場である。

それは、先月視察に行ったサンフランシスコの牧場とは次元がまったく違っていた。
決定的な違いは自然であり、空気である風情が心地良さを感じさせてくれる。
この辺りが日本の強みであろう。

以前、この土地は地域活性化の取り組みとして、JR北海道がゴルフ場を兼ねたリゾート施設を段階的に進めていたが、思わしくなかった為に計画が途中で頓挫し、M氏による牧場活性化プロジェクトになった経緯がある。

この景観そのものが美術館としての価値を見出している。
これは天然村での取り組みに非常に参考になった。
何よりも私のイメージがくっきりと映像化出来た事に大きな成果があった。

また、今回の馬トレーニングで新たな洞察があった。
馬の性質は媚びないこと。これは犬や猫とは決定的に違う点である。
犬や猫はシッポを振ってじゃれてくるに違いないだろう。
しかし、馬は人間の個の性質として識別するわけでなく、動作や雰囲気を感じ取って認識する。
つまり、餌を上げたり撫でたりしても彼らはなびかない。
コツを掴むまでは思い通りにならないのだ。

私の馬もまったく媚びないので、目的の場所まで手綱を引いて到着するまで悪戦苦闘する始末。
おまけに足を踏まれ、激痛が走るも馬はそっぽを向くばかり。手綱に力を込めて引っ張るが馬の力で跳ね返され、完全に馬になめられている状態。

私はついにキックボクシングで養った左フックを顔面にお見舞いしようと思ったぐらいだ。

そんな試行錯誤を繰り返しながら馬と仲良くなるスキンシップの時間を過ごす。

夜の食事は白樺の樹液を出汁に使った豚しゃぶが美味しかった。
新鮮な野菜といっしょにいただいた。
また、ランチに食べたビザが劇的に美味しかった。
生地は近所の農家からの小麦を使いトッピングはナスやトマト、キノコ類もオーガニックで新鮮なものが盛りだくさん。
こんなピザは初めてだった。

今後の展開を考えるとこれらの要素を取り入れながら、連携によるシナジーを出して行きたい。

その時は馬の扱いにも慣れているだろう。

onとoffのない会社

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ふりをしてるのでは。
そこから発想すると新しい景色が見えてくる。
もったいない時間でもあり、自分や会社にとって無益な仕事をやっている場合がある。

これを観察してみると信じ込みでやっている事が結構あったりする。
真面目にやること、皆んなと同じようにやっていること、常識的としてそうだから、とか普段疑いもせずにやっている事がある。
無意識に安心することで、そこからのブレイクスルーは困難を極める。

「onとoffのない会社」このコンテクストから仕事をすることでブレイクスルーの可能がある。

朝礼や会議は本当に有益なのか、毎日会社に行くことだってそうだ。
自宅から直接現場に向かった方がはるかに時間を有効に使える場合は少なくない。
仕事の終わり方でも、必ず会社から完了する事が有効なのか。
現場から完了してもいいだろう。または、近くのカフェで最後の締めをしたら、会社に戻る時間を有効に使える。

まずは、タイムカードの廃止、勤務時間、勤務地を限定しない。
たった3つの規則を廃止することでそれらは実現出来る。

在宅時間を有効に使うことで通勤時間の満員電車を回避出来る。
あるいは、事業部によっては早朝から仕事に着手して、お昼過ぎに終わりにして午後から旅行に行くとか、日曜日に訪問するのが有効な場合には適宜対応したりと、仕事の時間領域を自分都合でプランする。

物とインターネットが繋がる環境が劇的に変化する中、働き方の常識を覆すことで、onの中にoffを見いだし、offの中にonを見いだす事でブレイクスルーを可能にする。
ここから先はプライベートでここまでは仕事だと決める概念がない。

一方で、それだとずっとonだと言う意見もある。

イコム社員Nはその領域を体感している。
彼は釣りが趣味で一番リラックスして楽しめる時間なので、月曜日から金曜日まで平日の時間を使って釣りに行って有意義な時間を過ごすことをコミットしている。
トータルで自己の責任を果たせれば何の問題もないので、会社としては推奨している取り組みの一つだが、彼自身での体験からは充分に楽しめないと言う。

会社の時間を使って釣りに来ているとか、皆んな仕事をしているのに自分だけが、色んな申し分けが出てくるようだ。

最初は慣れないので仕方がないと思うが、決定的な要因は彼がoffの状態で釣りに行っていないことにある。
普段通り釣りに行って楽しんでいるoffの状態にある、そこからonを見出すことが出来たら、あるいはその時には見いだしていなくとも、数日後に効果が出るかも知れない。

とにかく実行してみることが大切になる。
onとoffのない本来の意義を掴むのは、自転車を初めて乗る時に似ている。
それはロジックでなく、体験の積み重ねから習得するものだ。
まずはトライしてみる。

ついでに役職名で呼びかける文化も廃止した。

すると、私をとおるさんと呼びかけてくれた社員もいた。

本社移転と同時にパラダイムシフトが起き始めている。

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行きつけの鰻屋が浦和にある。
小さい店だが、東京の店に比べると半分の値段でもっと美味しい鰻を食べさせてくれる。
久しぶりに「和香」に立ち寄った。

どしゃぶりの中でも店内はあっという間に満席になり、後から来る方は車で待機する様だった。
予約制ではないので、タイミングが合わないと入れない。

鰻の美味しい料理とは何が要因しているのだろうか。
ご主人は腕に自信があると話すが、鰻そのものに大きな違いがあるより、調理にあるように思う。
さばき方から、蒸し加減、焼き始めるタイミングやタレも大きな要素だろう。
また、ご飯がやや固めでタレの染み込み具合も絶妙で、鰻のふわふわ感にお米との相性もぴったりで、旨味をよりいっそう引き出しているのかも知れない。

ご主人は老舗の多い鰻屋が集まる浦和地区でも、珍しく初代でイノベーティブな発想をもった人物である。
鰻をさばいてから出来上がるまで、およそ40分ほどかかるが、いつも通りその間ご主人と話をする。

今回は業界の話題になり、浦和地区を活性化する手段として鰻をもっとPRし、多くの人々に来てもらう活動を積極的に業界団体でやるべきだと主張していた。
一方で、老舗店は二代目以降の発想から守りの姿勢で変化を嫌い、現状維持の枠から出られず仕舞い、大きな視野に立って地域に多くの人々を呼び込むという発想より、自分の店の事しか考えられないようである。

このような構造は何も鰻業界に限らず、どの業界にも言えることだろう。

うな娘ちゃんというマスコットキャラクターがあるが、これをもっと活用して鰻の加工品などと一緒にPRしたいともご主人は語っていた。

ご主人にはまだ話をしていないが、次回ある提案を持ちかけようと思っている。

天然村のアクアポニックスで来月から鰻の養殖を始める。
ご主人に鰻のさばき方から調理のプロセスを伝承してもらい、天然村カフェの新しいメニューとして一役買ってもらうよう天然村に招待しようと密かに考えている。

そのお返しで浦和にアクアポニックスのシステムを提供し、和香をはじめとする浦和の鰻業界で地産地消の新たな仕組みを創ることも可能だろう。

スーパーに行って鰻蒲焼の商品が並んでいるが、おしなべて高い値段がついている。
店で食べた方が明らかに安いとわかる。
しかし、家庭で鰻を食べる方が外で食べるよりも需要が多いのかも知れない。

インドネシアやフィリピンで養殖した鰻の加工品を輸入している商品も目についた。
中国産は安かったが、抵抗感があるのは私だけだろうか。

やっぱり鰻を美味しく食べるには、煙が立ち込める店で食べるのが一番いい。

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