社長ブログカテゴリー記事の一覧です
世界観
そこはすごい人が列をなしていた。
よくもこんなに並ぶものだと、半ば呆れながら通り過ぎていた。
弟の自宅が中目黒にあり、直ぐ近くにスターバックスがオープンしたのは知っていたが、今もなお目黒川に沿って列をなしている。
ある仕事の打ち合わせで、スターバックスリゾーブロースタリーが素晴らしいとの話があった。
早川さんも是非行ってみてくださいと言うので、実際に現場に行って体感することにした。
土日は長蛇の列になるので、平日の比較的遅い時間帯を勧められたので、19時過ぎに入ってみたが店内は人でごったがいしていた。
そこは圧倒的なスタバ空間があった。
従来の店舗とは別次元のコーヒーファクトリーのような世界観が広がっていた。
巨大な焙煎設備に加えて、吹き抜けの空間には4階までそびえ立つ銅のモニュメント、設計は日本を代表する建築家の隈研吾という力の入れよう、時あたかも今年は日本に上陸して25年目にあたり、世界初となる一からの建築店舗となった。
これは人がのめり込むだろうと納得がいくと同時に、ダイナミックなフロアがメジャー感を演出していた。
ビル一棟からなる4フロア全てが人でいっぱいだった。
音響も優れていて、音質が優れた構造にも感心した。
しかも、老若男女が混ざり高校生からお年寄り、外国人まで多種多様な人々が関心を持ち広いスペースを見学していた。
3階のバーカウンターに座りながらスコッチを注文した。
右隣には女子大生らしい感じの人がひとり、左隣りには中国人の女性がひとり、カウンターごしにバーテンダーと会話をしていた。
この空間についてあらためて考えていた。
視覚、聴覚の観点からもアートや音楽、フード、ドリンクのコンテンツをクロスさせた、みんなドキドキ、ワクワクするような気持ちにさせるものがあった。
ここまでくると圧倒的な世界観に人々が虜になる理由がわかった。
キャディさん
こんな人は初めてだと思った。
それは徐々に明らかになっていった。
第165回目の銀行ゴルフコンペに参加していた。
その日のキャディさんは見かけはベテランの方で60歳は超えていたと思う。
最初に驚いたのが、カートにも乗らずにとっとと先に歩いて一方向のボールを追っていくのだ。
4人とも同じ方向であるはずもなく、他の3人は自分たちでボールを探してクラブを取りに行くことになった。
最初はちょうど運動にもなるとプラスに捉えていたが、初めてのゴルフ場なので勘所が掴めない。
グリーン場ではそれが顕著に出た。
右に切れるか、左に切れるか、キャディさんに聞くとスネイクだからまっすぐ打てば大丈夫と自信ありげに言った。
素直にまっすぐ打ってみると右に切れるではないか、思わず切れたじゃん、と発するとあらま、切れちゃったの一言。
次のホールでもピンの位置をキャディさんに確認したところ、グリーンの真ん中だと言うから行ってみると手前にある始末、ここのグリーンでも切れると思って聞いてみるとまっすぐだと断言するも、またしても右に切れて外すことに。
もう、キャディさんの言うことは聞かないから!と言い渡した。
ここまで酷いとは正直驚いた。
勿論、他責にするにはどうかと思う事もあるが、自分原因論には到底及ばない現実があった。
本来のキャディさんの仕事の優先順位を客視点から考えてみた。
先ずは、ボールの着地点を見極めてボールを探すこと、コースの特徴を伝えてクラブを持っていく、グリーンの癖やラインを伝える、ピンの位置を確認する、など細かい事はまだまだあるが、概ねこんなところだろう。
ところが、キャディさんがカート道路にクラブを落として危うく傷がつくシーンがあった。
語気を強くして注意すると周章狼狽していた。
サウナ
テレ朝通り沿いの西麻布にサウナがある。
adam・eveにはアカスリをしによく来ている。
ここのサウナは高温で心地よく、長めに入っていても気持ちがよくてお気に入りの場所である。
サウスに入ると2人の男が大きな声で話していた。
何やら渋谷のマンションの話しをしていると思ったら、今話題のパークコート渋谷 ザ タワーで、1人の男は大声で誇らしげに喋り出した。
「俺は37階を買ったんだ、代々木公園を見渡せる部屋だと同じ面積なのに5000万円も違うし、別に代々木公園を
見なくてもいいから4億7000万円の方にしたよ」
続いて、「プール付きの部屋もあったけど、管理費だけで月85万円もかかるから、どんだけ金があってもそんなところに住む気にならんよ」
こちらは、真っ直ぐ前を見ながら微動だにしなかった。
確かに、プールが部屋にあっても管理費85はないなと心の中で呟いた。
まぁ、しかし、こんなにも大声で喋る男も珍しいと思ったが、それだけパワーがあるのだろう。
ここに来るのは、裏社会の連中から俳優やスポーツ選手まで様々、ひっそりとした場所にあるので、お忍びで来るにはぴったりだろう。
夕方の時間になるとモンモンの連中が目立ってくる。
サウナの中で5、6人に囲まれて座っていると妙に居心地が悪くなる。
彼らはあまり喋らないし、先ほどの男の方がよっぽどやかましいのだが、存在そのものに嫌悪感が生じる。
地下へ行って休憩室でお気に入りのフレッシュジュースを注文すると、向かいの席に例の男が座っていた。
彼は豆腐チゲと玉子焼きを注文した。
薄暗い休憩室は喫煙で、ゆっくりリラックスしていると前から煙が流れてくる。
例の男である。
こんどはやかましい声ではなく煙り攻撃だった。
これには耐えられず退却するしかなかった。
サウスで唯一、喫煙の休憩室だけが駄目だしである。
個の時代
今の時代はチャンスに満ち溢れている。
こんなにも個の力が反映されるとは思いもしなかった。
特にクリエイティブの分野では、世界にアクセスしてゴリゴリやっている連中がたくさんいる。
アートや音楽、パフォーマーからアスリートまで個の技をYouTubeやInstagramでPRする事で、あっという間に広がりを見せている。
従来の画一的なアプローチからコンテンツをクロスさせることで全く違う世界へアクセスできるようになった。
スマートフォンにつけるだけでプロフェッショナルなコンテンツを録画することが可能になった。
不動産の場合で見ると、ハードとしてPRするよりもコンンテンツを育成する余裕こそがバリューを生み出すことが可能になる。
収益の高さがバリューを図る最もわかりやすい指標であったが、これからは収益よりもコンテンツに注視しながらものにする発想を身につけた方が、バリューを得やすくなるだろう。
縦型組織からヨコ型の個の時代が到来したように、いかに個を磨き自由な発想で表現できるか否か、そこが分水峰のような感じがしている。
世界は繋がっているので、個をいかに表現出来るかどうかで広がりの可能性を見出せる。
従って、フリをするのではなく本当にやりたい事をやれる実行力が次に繋がるチャンスを創出することになる。
ラリーニッポンin九州
あっという間の4日間だった。
ラリーニッポンin九州に出場した。
鹿児島からスタートして、宮崎-熊本-長崎-福岡を横断した。
総勢62台のクラシックカーが全国から集結して、各地を訪れる様子は周りを魅了すると同時に地域の方々との触れ合いがある。
この感覚は相互扶助の原理が働いていて、個々の動きが集まる事で全体を含む大きなエネルギーが生まれているのだ。
62台がダイナミックに並んで走る様子を住民の人々の声援を受けて、暖かい心の触れ合いを実感する瞬間は、このイベントならではの体験である。
それは、まるで優勝パレードさながらの様相を呈している。
一方で峠の走行では、前の車をあおってバトルになることもしばしば。
こちらものんびり運転するような性格を持ち合わせていないため、ついスピードを競いたくなる衝動にかられてバトルを仕掛けていた。
それにのってきた相手が現れた。
雨の中のバトルはスピンを覚悟の走行で、ギアは3速以下で常に5000回転を上回っている。
つい熱くなって加速したままカーブに突っ込んでいく。
負けまいという思いがリスクを上回り、ガードレールに突っ込むかは運任せ、もう夢中にギアチェンジを繰り返しながら子供のようなやんちゃをしていた。
それがきっかけとなって仲良しになり、新たな友人として趣味の領域を超える人間関係が生まれた。
このようなレアな場合を除いては、皆さん景色を楽しみながらゆっくり走行している方々がほとんどである。
ラリーニッポンの基本コンセプトである、日本の歴史や文化を世界へ発信する、毎回異なる全国の地方に赴き、その文化や歴史に触れながら、地域を盛り上げる効果は今回の体験でそれを充分に実感した。
内側からの動き
自分の内側から動きをかんじている。
この動きの感覚は20年ぶりくらいだろうか。
内側からのエネルギーが遠心力のように大きく広がり、今までの領域の外側へアクセスしようとしている。
最近になって、久しぶりに会う友人が次々と現れるようになった。
こちらが動かなくても周りが動いてくれているのだ。
この遠心力を使って内側からの意識をどんどん高めていきたい。
動くタイミングがやってきた。
原宿駅から徒歩1分の場所でアートイベントがあった。
取り壊し予定の古いマンションで、破壊と創造をテーマとしたマンションの部屋でペインターやカメラマン、書道家、音楽やアートのクリエイターが集結して、壁や天井、床にいたるまで、アートの空間が広がっていた。
部屋に入ってみると、1人の若者と目があった。
彼はベンチャー企業の経営者で、クリエイターを束ねるイベントの主催者だった。
まだ、よちよち歩きですよと言っていたが、なかなかの勢いを感じた。
この勢いこそ、内側からの動きだと察知した。
創業まもない会社がもっとも魅力的に映るのは、この勢いで伸び代を感じさせるものである。
もちろん、ビジネスモデルも大事な要素になるが、この内側から動きが出ている在り方を見ると、さほど重要でもなく感じてしまう。
もはや、追っているという感覚より、人、物、金が向こうからやってくるような感覚なのだ。
それを察知して、大手企業から出資の話がまとまったと言っていた。
これに近い感覚が自分の内側から湧いてきている。
次のステージへ向けて準備を進めていきたい。
ハギビス
日曜日の朝とは思えない光景だった。
台風19号ハギビスが首都圏を抜けた空は晴天だが、六本木の街は静まり返っていた。
通常は、酔っぱらった人が道路をうろちょろしながら、タクシーをつかまえる姿をよく目にするが、昨日からハギビスに備えてほとんどのお店が休業しているので、人がいないのも当然だろう。
歩きながらハギビスの影響を現場から見たかった。
テレビで放映されている情報は偏っている上に、生の情報に乏しいため、各地の現場の状況とのギャップがある。
都心の3aと呼ばれる人気エリア、赤坂、青山、麻布を歩いてみると、ハギビスの被害はほとんど見られなかった。
しかし、ファーストフード店やスターバックスなどのカフェは全ての店が休業していた。
一方で、コンビニはほとんどの店が開業していた。
そのオペレーション機能は卓越していて、どこの店も閉まっている中、その存在は際立っていた。
おそらく、店舗ごと近くに住むスタッフを採用して、オペレーションする仕組みにしているのだろう。
歩きか自転車で通勤する人をある程度確保していると思われる。
他に朝から開業している店はドラックストア、富士そば、ドンキホーテ、これらは企業文化が色濃く反映されている印象を持った。
ハギビスの影響は風より雨の方が大きかったようだ。
都心エリアで低い場所の麻布十番や西麻布などは、水の被害はまったく見られなかった一方で、東西の川に近い低い場所では多摩川が一部氾濫、江戸川は間一髪の危機で、地の利を改めて考えさせられる機会になった。
しかし、東京はコンクリートジャングルの異名通り、風よりも雨の影響の方が大きいだろう。
そして、地震の影響を最も大きく受けるだろう。
台風より地震による津波や火災の方が、都市機能を麻痺させる力が強いと感じている。
台風は色んな意味で準備できるが、地震はある日突然とやってくるからだ。
年々、災害度合いが増していく中で、地震に備える準備をする必要がある。
台風の痕跡
呆然と立ち尽くしていた。
まさかここまで酷い状況になっているとは…
台風の痕跡を見る限り津波でも襲ってきたのか、あるいは空襲でもあったのかと思わせる惨状になっている。
東京クラシッククラブに約1ヶ月ぶりにやってきた。
ゴルフ場は復旧したとはいえ、周りの木々はなぎ倒され壊滅的な状況になっていた。
風速53メートルをもろに喰らった場所である。
千葉市からほど近くに位置しているので、今回の台風の最高風速を記録したとされている。
それはまるで天がおもちゃにしているようで、積み木を組み上げたと思ったら総崩れでおじゃん、振り出しに戻るようである。
ゴルフ場からの発表では、ジャックニクラウスにリメイクを依頼すると言っているが、原状回復となると膨大な時間とコストがかかるだろう。
もはや、呑気にゴルフをやっている暇があったら地球環境を守る活動でもしなさいと、天から示唆されているようである。
自然災害の威力が年々増していく中で、今だけ、金だけ、自分だけでは、本当にご破算に願いましてはの世界である。
我々はただじっと何もしないで過ごすわけにはいかないだろう。
イーロンマスクが進めている火星移住計画も現実味を帯びてくる日も近いのではないだろうか。
地球が怒っていることに向き合い、健康で持続可能性のあるライフスタイルに移行しなくてはならない。
緊急着陸
ウィーン発ANA NH206便で羽田へ帰る途中だった。
機内アナウンスより緊急着陸の案内があった。
その時点では詳しいことは明らかにはしなかったが、近くのロシアの空港へ着陸するという。
羽田着午前6時30分を予定していたが、2、3時間は遅れるだろうと思っていた。
すると、しばらくして機長からアナウンスがあった。
エンジンオイルが漏れていて、羽田空港までのリスクを回避するためだと言う。
最寄りのバハロック空港までは着陸に問題ないが、羽田に到着するのが、午後9時を過ぎるとの言葉に一瞬耳を疑った。
そこは民間の空港とは思えないほどひっそりしていた。
人が誰もいなくロビーは我々206便の乗客だけでいっぱいになるほどの狭い空間だった。
それはまるでハイジャックで人質になったような気分、GoogleやLINEが一切繋がらないのだ。
Googleマップで位置確認を試みたがまったく機能せず、無愛想なロシア人が数名いるだけの不気味な空港だった。
ロシアとしては情報を周波数でコントロールしているのだろう。
何とそこに13時間以上待機することになったのだ。
ウィーンからここまで約10時間のフライトだったので、みんなヘトヘトになっている。
ANAからの説明では、羽田から代替え便を手配するため、時間がかかると言うが、もろもろの手続きに時間を要すると言っても何でそんなに時間がかかるのか、まったく理解できなかった。
しばらくすると、ロシア人が入ってきて点呼を取っている。人数が少なくなっていないか確認して、どうやら入国するのを用心深く見張っているようだ。
それはEU諸国の国境を自由に素通りできたことに比べてまったくの別世界。
おまけにジュースを買うにも、ユーロは使えずロシアルーブルの現金のみ。
自由な世界から一転してしまった。
しかし、206便の乗客の皆さんは不自由な空間の中でも、明るくおしゃべりしたり、トランプのゲームをやったりしながら陽気に振舞っていた。
現状の不満を言うより、この状況をいかに充実して過ごすことができるか、それは本人次第だろう。
日本人あっぱれ、そんな気持ちになった。
最後は、羽田からANAスタッフも駆けつけて1人8万円のお見舞金を全員に支給し、CAの方々も終始お客様の立場になって対応なされていた。
今回の緊急着陸は過酷な体験ではあったが、何事もなく無事に帰国出来たことに感謝したい。
ロハス
星ってこんなにいっぱいあったんだ。
みんなと夜空を見上げながら宇宙に広がる星の数に圧倒されていた。
オーストリアからスイスのValsに入っている。
アルプスの少女ハイジの舞台になった場所で、とてつもない大自然に囲まれている。
それは、まったく音のない世界で宇宙空間にでもいるような感覚に包まれている。
パッシブハウスの一戸建てを貸切り、9人のメンバーでシェアをしているが、エアコンを使わなくても部屋はあったかく、非常に心地よい空間になっている。
このパッシブハウスの本家ドイツでは、自然エネルギーを活用したオフグリッド住宅が基準となり、環境に対する国民の意識が高い。
ドイツの様々な建築物を内覧して設備や仕組みの説明を受けたが、実際に聞くと見るのとでは大違い、それはまるで台風の被害が出た鴨川を訪れた時と同じ感覚だった。
人は実際に体験しない限り、聞いたり考えたりしただけではその感覚を得られない。
ドイツのパッシブハウスは環境や身体にも優しい住宅で、40度を超える真夏日や真冬でもエアコンを使う必要がない構造になっている。
まさにロハスな暮らしをしているのだ。
オーストリアで見学した商業ビルでは木造8階建ての独自のパネル工法で、パッシブビルを3ヶ月の工期で完成していた。
自然エネルギーを活用し、持続可能性のあるライフスタイルであるロハスな暮らしを実践しているドイツ人は、まさに地球温暖化の環境対策のフロントランナーである。
残念ながら日本と比較すると、その意識は雲泥の差が生じている。
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